『パラッパラッパー』 – 始祖の功績と失われた音ゲーの20年間

『パラッパラッパー』はPlayStation向けのタイトルとして、1996年12月に発売されました。今年は発売20周年にあたり、それを記念して、PlayStation4でHDリマスター版が発売されることとなりました。

『パラッパラッパー』は音楽をモチーフとした、いわゆる「音ゲー」ジャンルの始祖とも言える作品です。ミュージシャンである松浦雅也氏が手掛け、ポップで独特なグラフィックはロドニー・アラン・グリーンブラット氏によってデザインされました。

リズムに合わせてボタンを押すと、主人公のパラッパがラップを刻みます。最初に示される先生役のお手本どおりに格好良くキメることができれば、評価が上がるというシステムです。今でこそお馴染みのゲームシステムですが、簡単な操作で高いゲーム性を実現した仕組みは画期的で、高く評価されました。セールスは累計148万本を記録し、その後12年間、2009年まで音楽ゲームジャンルにおける販売本数1位の座に君臨し続けるほどのヒット作となりました。

©2006, 2017 Sony Interactive Entertainment Inc. ©Rodney A.Greenblat/Interlink

©2006, 2017 Sony Interactive Entertainment Inc. ©Rodney A.Greenblat/Interlink

©2006, 2017 Sony Interactive Entertainment Inc. ©Rodney A.Greenblat/Interlink

 

改めてプレイしてみると、古さを感じさせないサウンドとキャラクターに驚かされます。本稿では、『パラッパラッパー』以降の音楽ゲームの変遷を辿りつつ、20周年の現在における同作の位置づけについて考えていきたいと思います。

 

■音楽ゲームの系譜

『パラッパラッパー』を皮切りに、その後、様々な音楽ゲームが制作されました。下の図は、主な音楽ゲームのタイトルをざっとまとめた年表です。

※そのほかの音ゲータイトルは上記動画でご確認ください

さて、『パラッパラッパー』の直後、『beatmania』『Dance Dance Revolution』『DrumMania』『GuitarFreaks』といった、現在でもシリーズが続く名作が次々と生まれました。いずれもアーケードタイトルで、楽器演奏やダンスを疑似体験するタイプの音楽ゲームです。演奏も演技も、本来はトレーニングの末に体得するものですが、難解な部分を削ぎ落とし、誰にでもわかる形にモデル化することで、本来の楽しさはそのままに、ゲームとして上手に仕立てられています。

家庭用ゲーム機では、エニックス(現スクウェア・エニックス)から『バスト ア ムーブ』が発売されました。ダンスのカッコよさを競う音楽ゲームで、実在のダンサーからモーションキャプチャーされたリアルな動きを楽しむことのできる作品です。同作には、好きなキャラクターのキレキレなダンスをじっくり眺めることのできる「dance view」モードも搭載されており、ダンスをする側だけでなく、見る側の楽しみにもこだわって作られていることがわかります。

見る側の楽しみという点では、アーケードタイトルでも「魅せプレイ」という特殊な遊び方が生まれました。筐体を背にして立ち、観客の方を向いてプレイするというもので、特に『Dance Dance Revolution』でよく行われていました。

このスタイルでは、プレイヤーは画面を見ることができない上、左右反転してステップを踏まなくてはなりません。当然、難易度が格段に上がってしまうのですが、「魅せプレイヤー」たちは更にオリジナルの振付けを加えたり、ペアでぴったりシンクロしてプレイしたりするなど、自分なりの楽しみ方を追求していきました。「魅せプレイヤー」のいる店舗では、軒先で人だかりができるほどで、その光景はストリートダンスによく似ています。

しかし、そういった自己表現的な遊び方は次第に衰退していきました。







ABOUTこの記事をかいた人

1984年生まれ。立教大学 社会学部 卒業後、富士通マーケティングに新卒で入社。その後、ITインフラ・クラウド事業を行う企業でサービス企画、 プロジェクトマネージャーに従事。趣味はガンダム研究とゲーム全般。(illust 黒川依)