App Annieが『マネタイズモデル調査レポート』を発表 日本のユーザーは利用1時間あたりのアプリ支出額が世界トップ、アプリ内広告もアジア地域で急成長

App Annieは、アプリ市場の現状をアプリストア収益、アプリ内広告、およびモバイルコマースの3つの観点から分析し、さらには2021年までを予測する『マネタイズモデル調査レポート』を公開しました。

サマリー

  • 1時間あたりの平均支出額:日本は世界第1位で13ドルを越える
  • 各マネタイズモデルの見通し
    アプリストア収益:中国の購買力のあるモバイルファーストな消費者が世界の成長を牽引
    アプリ内広告  :アジア地域が急成長、2021年までに25%成長で770億ドルに達する見込み
    モバイルコマース:世界の総支出額は2021年に6兆100億ドルに達する見込み

アプリの世界市場は今後5年で約5倍、利用時間は18%増

App Annieは、2016年の世界のアプリ市場規模を1兆3,000億ドル(約146兆円)と推定し、5年後の2021年には6兆3,000億ドル(約707兆円)まで拡大すると予測しています。ユーザー数は、2016年の34億人から、2021年には63億人に増加。また、アプリの総利用時間はさらに成長が速く、2016年の1兆6,000億時間から、2021年には3兆5,000億時間に達し、5年間で18%の成長が見込まれています。

全世界のユーザー1人あたりの年間支出額は、379ドル(4.3万円)から1,008ドル(11.3万円)へ増大します。5年間で22%の成長率となりますが、その背景にはモバイルコマースの普及・拡大があります。

日本のユーザーは、アプリ利用1時間あたりの支出額が世界トップ

アプリのジャンルに関わらず、アプリによる収益はそのアプリの利用時間と各セッションの価値で決まります。App Annieの分析結果によれば、アプリストア、アプリ内広告、モバイルコマースを合計した、ユーザー1人あたりの1時間の世界平均支出額は、2016年は0.80ドル(90円)でした。しかし、各国に大きな隔たりがあり、たとえば、日本は2016年、ユーザー1人あたりの1時間の平均支出額が13.98ドル(1,570円)と断然高く、デバイス1台あたりのアプリストアでの平均支出額でも123ドル(1.38万円)で、シンガポールと韓国の67ドル(7,500円)を大きく引き離す結果となりました。

各マネタイズ方式の見通し

アプリストア

全モバイルアプリストアにおける消費者支出額は今後5年間で年平均18%成長し、2021年に1390億ドル(15.6兆円)に到達する見込みです。そのうち、iOSのApp Storeは600億ドル超(6.7兆円)を占めると予測されますが、それまでに2017年にはGoogle Play(およびサードパーティのAndroidストア)の収益額がiOS App Storeを追い抜くとしています。これは、中国のモバイルファーストな消費者が市場の成長を牽引すると予測されるためです。

アプリストアでのゲームアプリによるマネタイズは2016年の500億ドル(5.6兆円)から2021年には1050億ドル(11.8兆円)規模に成長し、全体の過半数を占めるだろうということです。

アプリ内広告

アプリ内広告の世界市場規模は、2016年では720億ドル(8兆円)で、2021年には約3倍に匹敵する2010億ドル(22.5兆円)に成長する見込みです。特に、アジア太平洋地域は年平均25%と高い成長率で、850億ドル(9.5兆円)に達します。

モバイルコマース

世界のモバイルコマースは、ほかのマネタイズモデルを上回る年平均38%のペースで成長し、世界の総支出額は2021年に6兆100億ドル(675兆円)に達する見込みです。これを受け、2016年のユーザー1人あたりの年感支出額は344ドル(3.9万円)、5年後には946ドル(10.6万円)に増加するとApp Annieは予測しています。

地域別に見ると、すでにアジア太平洋地域ではモバイルコマースが急速に普及しており、今後も世界最大の市場地域であり続けるとされています。南北アメリカでもモバイルコマースの普及が進み、年平均44%という驚異的な成長を遂げます。EMEAはまだ市場規模が小さいですが、5年後には現在の5倍近くに拡大し、1兆ドル(112兆円)に到達するということです。

国別ハイライト

中国

2016年、中国は8億人を超えるモバイルユーザーが3900億時間を費やす巨大な市場となりました。ユーザーの過半数が比較的所得の低い人に集中している一方、高所得層はアプリやモバイルコマースと極めて高い親和性を示しています。さらに、中国のアプリ市場の成長は、アプリストアだけでなく、アプリ内広告も寄与しており、広範な要因に支えられていると言えます。

中国のアプリストアにおける消費者支出額は、2016年の190億ドル(2.1兆円)から年平均24%成長し、2021年には560億ドル(6.3兆円)超に増加すると予測されています。広告収益の増加も堅調で、中国のパブリッシャーの収益は、2016年の105億ドル(1.17兆円)から2021年には480億ドル(5.4兆円)に増加し、年平均で36%近い成長から活況が窺えます。

アメリカ

アメリカのアプリストアにおける消費者支出は、年平均21%成長し、2021年には310億ドル(3.5兆円)を突破します。支出の内訳を見ると、非ゲーム系アプリ(動画、音楽、スポーツ、マッチング系、教育、仕事効率化)の利用が進んでおり、特に、動画サービスのサブスクリプション化が支出に貢献しました。

広告も堅調な成長が続き、パブリッシャーの収益は2016年の280億ドル(3.1兆円)から2021年には725億ドル(8.1兆円)となり、今後5年間で年平均22%の成長となります。これを牽引しているのは、非ゲーム系アプリにおける広範な広告マネタイズです。

アジア太平洋地域、特に中国と比較すると、アメリカの消費者は現在、モバイルコマースにそれほどお金を費やしていません。しかし、「Uber」のようなライドシェアリングアプリと「Chase」「Capital One」「PayPal」のようなフィンテックアプリの利用の高まりで、今後は若年層が市場の成長を牽引すると予想されています。

レポートでは、今後5年間でアプリ市場にパラダイムシフトをもたらすものとして、拡張現実、モバイル決済、5G、UIとUXの改良、そして人工知能がが挙げられており、あらゆる国の企業に巨大なチャンスが生まれるとまとめています。