アカツキ 2019年3月期 通期:ドッカンバトルが国内外で絶好調 ロマサガRSは新たな柱に

【Topics】
■ 売上高・営業利益共に前年比約30%増。過去最高を更新
■ 4周年の『ドッカンバトル』今なお堅調。4Qは全ての月でランキング首位に
■ 新たな柱の『ロマサガRS』通年での収益貢献。新作は他社IP系3本を予定

 

【決算概要】

 株式会社アカツキが4月25日に発表した2019年3月期の連結業績(2018年4月1日~2019年3月31日)は、売上高281億3,000万円(前年同期比28.3%増)、営業利益136億3,500万円(前年同期比29.4%増)、経常利益135億200万円(前年同期比28.9%増)、当期純利益78億5,800万円(前年同期比29.2%増)と、過去最高の売上高・営業利益を更新した。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p14

 第4四半期単体では、売上高95億3,400万円(前四半期比48.4%増)、営業利益53億3,200万円(前四半期比77.7%増)と、こちらも大幅な増収増益を果たした。要因は、『ドラゴンボールZ ドッカンバトル(以下、ドッカンバトル)』(配信:バンダイナムコエンターテインメント)の国内4周年イベント盛況に加え、『ロマンシング サガ リ・ユニバース(以下、ロマサガRS)』(配信:スクウェア・エニックス)のヒットだ。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p33
 

【事業状況】

 アカツキは、主力のゲーム事業において、既存タイトルの拡大と新規タイトルの投入に注力してきた。

 同社が開発を務める『ドッカンバトル』は、国内4周年を迎えなおも堅調。第4四半期は、すべての月(1月・2月・3月)でアプリストアのセールスランキングで1位を獲得した。特筆すべきは、同作の海外売上高の成長である。台湾子会社の体制を強化した結果、海外14の国と地域でセールスランキング1位を記録、前年同期比で海外売上高は約1.6倍、営業利益は約1.8倍までに。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p39

 そして、主力の『ドッカンバトル』に続く新たな柱を担うのが『ロマサガRS』だ。同作は、スーパーファミコン用ソフト『ロマンシング サガ』シリーズを題材としたスマートフォン向けRPG。2018年12⽉6⽇にリリースし、初月にセールスランキング2位を獲得、さらに1ヵ月未満で1000万ダウンロードを突破するなどの好調な滑り出しを記録。その後も毎月のイベント時にはセールスランキング 10位以内にランクインし、好調を維持している。

 第4四半期の『ロマサガRS』では、バレンタイン限定衣装のスタイルが登場するガチャ・イベントが好評を博した。また、全国TVCMの放映を記念したキャンペーンを実施し、四半期を通じて好調に推移。

▲2019年2月22日に、初のTVCM「バトル全滅篇」を放映開始。声優の杉田智和さんがナレーションを担当し、“ロマサガならでは”の要素が楽しめる内容をアピール。

 他方、2017年度にリリースした『八月のシンデレラナイン』(配信・開発:アカツキ)、『アイドルマスターSideM LIVE ON ST@GE!』(配信:バンダイナムコエンターテインメント)、『新テニスの王子様 RisingBeat』(配信:ブシロード)の3タイトルは、運用の改善と追加開発を進めることで、さらなる成長を目指してきた。

 『八月のシンデレラナイン』は、TVアニメ放映に合わせた、UIや既存コンテンツの大型アップデートの仕込みが進捗。『アイドルマスターSideM LIVE ON ST@GE!』は、幕張メッセで実施したリアルイベントに連動させたゲーム内施策を実施。『新テニスの王子様 RisingBeat』は、月額課金制の「テニラビファンクラブ」をリリース。

▲「テニラビファンクラブ」は、従来の課金アイテムよりもお得な特典の数々を受けられるゲーム内サービス(月額840円)。新たなマネタイズを担うのはもちろん、毎日ログイン時に恩恵が得られるため、LTV(Life Time Value – 顧客生涯価値)向上が期待される。

 一方、LX事業については、リアルエンターテインメント領域への取り組みを積極的に行っており、2017年11月にこの領域におけるオリジナルコンテンツ創出を目的として買収した2社(株式会社ASOBIBA及び株式会社アプト)を2018年4月1日に経営統合し、株式会社アカツキライブエンターテインメント(以下、ALE)として、当第1四半期連結会計期間より連結子会社化している。

 ALEでは、サバイバルゲームフィールド「ASOBIBA」や、パーティクリエイションサービス「hacocoro」、チーズレストラン「DAIGOMI」などを展開。パーティー事業やケータリング事業における成長により、売上高が増加したと同時に、利益改善の取り組みを行い黒字化達成。また、リアルエンターテインメント事業の具体的な取り組みとして「アソビル」を3月15日にオープン。

▲アソビルは、「遊べる駅近ビル」をコンセプトとした横浜駅みなみ東口通路直通の複合体験エンターテインメントビル。横浜中央郵便局別館をリノベーションした屋上、地上4階〜地下1階建のビルで、フロアごとにテーマの異なる様々な体験を提供。

 アウトドア・レジャー専門の予約サイト「SOTOASOBI(そとあそび)」は、ブランド認知・拡大を狙ったブランドリニューアルと運営メディアの刷新を行った。その効果もあり、売上高・主要KPI共に前年同期比で成長を続けているという。
 

【見通し】

 2020年3月期の業績予想は、「適正かつ合理的な数値の算出が困難」として非開示。2020年3月期第1四半期以降の取り組みは下記の通り。

 ゲーム事業は、オリジナル・他社IPタイトルともに、「市場で勝てる高いクオリティのゲームをより厳選して開発・運用。既存タイトルはLTVを伸ばしていく」としている。『ドッカンバトル』は引き続き好調に推移し、『ロマサガRS』は通年での収益貢献が見込まれる。

 2020年3月期では、他社IP系のタイトルを3本リリース予定。その他、開発中のオリジナルタイトルをはじめ、他社IP・オリジナル共に今期開発着手予定がそれぞれ1本ある。当然新作3本が寄与して売上貢献を図るが、新規タイトル故の不確実性は存在している。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p23

 LX事業は、「アソビル」を軸にコンテンツの価値・ブランド力を高めることに注力していくという。今期オープンするコンテンツに加え、複数のトライを継続。将来的に、成功したモデルをモジュール化して国内外に展開することを見据えているようだ。

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