カプコン 2019年3月期 通期:バイオRE:2・DMC5が国内外で大ヒット 過去最高益を更新

【Topics】
■ 売上高1,000億円。利益は前期に引き続き過去最高を更新
■ 『バイオRE:2』『DMC5』が国内・海外含めて大ヒット
■ 今期は『MHW:アイスボーン』投入でDL本数比率が上昇

 

決算概要

 株式会社カプコンは5月7日に2019年3月期通期の決算を発表した。連結業績(2018年4月1日~2019年3月31日)の業績は、売上高1,000億3,100万円(前年同期比5.8%増)、営業利益181億4,400万円(前年同期比13.1%増)、経常利益181億9,400万円(前年同期比19.3%増)、当期純利益125億5,100万円(前年同期比14.8%増)と、前期に引き続き過去最高益を更新した。

(出典)2019年3月期 通期 決算補足資料 p4

 デジタルコンテンツ事業において、主力タイトル『バイオハザード RE:2』(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)が大ヒットを放ったことに加え、『デビル メイ クライ 5』(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)も海外で定着した人気により、好調に推移。また、昨年市場を席巻した『モンスターハンター:ワールド』(プレイステーション 4、Xbox One用)は追加投入したPC版の貢献により1200万本を突破し、同社の単一タイトルとしては過去最高の出荷本数を記録した。

 一方で、アミューズメント機器事業においては、市況悪化の影響を受け、苦戦を余儀なくされたものの、デジタルコンテンツ事業の好調がカバーし、連結業績では増収増益となった。この結果、6期連続の営業増益を達成、全ての利益項目で2期連続の過去最高益を記録。
 

事業状況

 カプコンは、大きく分けてデジタルコンテンツ事業、アミューズメント施設事業、アミューズメント機器事業、その他事業の4つからなる。

デジタルコンテンツ事業

 まず主力のデジタルコンテンツ事業は、2019年1月25日に発売された『バイオハザード RE:2』が予想を上回る大人気を博したことにより業績向上のけん引役を果したほか、海外をターゲットにした2019年3月8日発売の『デビル メイ クライ 5』も安定したニーズに支えられ健闘。

主なタイトルの出荷本数(2019年3月期 通期)
・『バイオハザード RE:2』全世界400万本
・『デビル メイ クライ 5』全世界200万本

 『バイオハザード RE:2』は、シリーズ歴代4位の累計販売本数496万本を記録した『バイオハザード2』を、最新の開発環境を駆使し現世代機向けに一から再構築した作品。

 カプコン製の最新ゲームエンジン「RE ENGINE」による高精細でフォトリアルなグラフィックをはじめとする視覚効果に加え、7.1.4chに対応したドルビーアトモスやバイノーラル技術を駆使したリアルタイムの音像変化といった聴覚からのアプローチにより、プレイヤーに新たな恐怖体験を提供。この結果、国内外のメディアから高い評価を獲得したほか、ユーザーからも好評を博し、全世界で400万本の出荷を達成した。

 また、前期に大旋風を巻き起こした看板タイトル『モンスターハンター:ワールド』がユーザー層の拡大により人気が持続したほか、パソコン向けスチーム版も堅調に推移し、さらなる利益を押し上げたほか、同じく海外向けに投入した『モンスターハンターダブルクロス』(Nintendo Switch用)が順調に伸長するなど、モンスターハンターシリーズが収益向上に大きく貢献したという。

 さらに、2018年10月4日発売の『ロックマン11 運命の歯車!!』(プレイステーション 4、Nintendo Switch、Xbox One、パソコン用)や2018年10月25日発売の『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション』(プレイステーション 4、Nintendo Switch、Xbox One、パソコン用)が底堅い売行きを示した。

 また、2017年1月26日発売の『バイオハザード7 レジデント イービル』(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)など、利益率が高いリピートタイトルも根強い人気により続伸。なお、コンシューマタイトルの販売実績として、ダウンロード(DLC)の売上比率は53.3%、前期比で12.1ポイント増加している。

 これらの結果、売上高は829億8,200万円(前年同期比11.9%増)、営業利益233億1,500万円(前年同期比22.0%増)となった。

アミューズメント施設事業

 アミューズメント施設事業は、地域間競争が激化する状況のもと、多様な顧客に対応したゲーム機の設置やサービスデーの実施、各種イベントの開催などによりリピーターや中高年齢者、女性、親子連れに加え、訪日外国人(インバウンド)など幅広い客層の取り込みに努めてきたという。また、新機軸として昨年11月からスマートフォンやパソコンの遠隔操作によるオンラインクレーンゲーム「カプコンネットキャッチャー カプとれ」を開始。当期は、2店舗をオープン、1店舗を閉鎖し、施設数は37店舗となっている。

 これらの結果、売上高は110億5,000万円(前年同期比8.0%増)、営業利益10億9,600万円(前年同期比24.6%増)となった。

アミューズメント機器事業

 一方、アミューズメント機器事業は、パチスロ機部門において、市況軟化のもと『ストリートファイターV』や『バイオハザード イントゥザパニック』などを発売したものの、消費マインドの低下やホールオペレーターの投資抑制などにより、伸び悩んだという。また、業務用機器部門についても商材不足により終始苦戦を強いられ、今後の戦略転換を余儀なくされるなど、同事業は全体として軟調に推移。

 これらの結果、売上高は34億2,200万円(前年同期比56.1%減)、営業損失26億6,800万円(前期は営業損失7億6,400万円)となった。

その他事業

 最後にその他事業。主なものはライセンス許諾によるロイヤリティ収入やキャラクターグッズ等の物品販売で、売上高は25億7,500万円(前年同期比10.2%増)、営業利益8億1,100万円(前年同期比28.0%減)となった。
 

見通し
(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p6

 2020年3月期の連結業績予想(2019年4月1日~2020年3月31日)は、売上高850億円(前年同期比15.0%減)、営業利益200億円(前年同期比10.2%増)、経常利益195億円(前年同期比7.2%増)、当期純利益140億円(前年同期比11.5%増)としている。

 今後の見通しとしては、ダウンロード販売の強化やリピートタイトルの拡販などにより、デジタルコンテンツ事業の継続的な成長を図るという。また、近年世界的な盛り上がりを見せ、国内でも俄然注目を高めるeスポーツ市場において、『ストリートファイター』を活用したリーグを国内外で開催しプレイヤー層の裾野拡大を図るなど、eスポーツへの取り組みを一層積極化していくとのこと。

 そして、今期では『モンスターハンターワールド:アイスボーン』 が2019年9月6日に発売予定だ。本作は、全世界で大ヒットを記録した『モンスターハンター:ワールド』の超大型拡張コンテンツ。新たな舞台となる「渡りの凍て地」と、そこに生息する新モンスター、新アクション「クラッチクロー」など、続編と呼んでも過言ではないほどのボリュームを備えている。

 なお、本コンテンツをプレイするには『モンスターハンター:ワールド』ゲーム本編(製品版)が必要のため、既存プレイヤーによる購入が予想される。DL本数比率が高いのは、そのためであろう。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p8

 また、カプコンは海外での知名度向上やブランド価値の増大など人気ゲームとの相乗効果を創出するため、これまで『ストリートファイター』および『バイオハザード』がハリウッドで映画化されているほか、『モンスターハンター』や『ロックマン』も同じく実写映画化が予定されるなど、世界トップ水準のコンテンツを制作している。

 さらに、成長分野や重点部門に経営資源を注力するほか、既存部門の強化や不採算部門の縮小、撤退を進めるなど、環境の変化に対応して事業の再構築を行い、求心力を高めた事業展開により経営効率アップを目指すとしている。

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