ドリコム 2019年3月期 通期:enza成長軌道に乗る 4Qより業績も徐々に改善

【Topics】
■ 通期は赤字幅拡大だが、第4四半期は営業利益黒字に
■ 新ブラウザゲームプラットフォーム「enza」も成長軌道に乗る
■ シャニマスが1周年で花開く 新たな収益の柱にも期待

 

決算概要

 株式会社ドリコムが5月13日に発表した2019年3月期 通期(2018年4月1日~2019年3月31日)決算は、売上高107億2,039万円(前年同期比18.7%減)、営業損失5億7,745万円の赤字(前年同期は1億9,058万円の黒字)、経常損失13億4,936万円の赤字(前年同期は2,911万円の黒字)、当期純損失17億1,270万円の赤字(前年同期は2億400万円の赤字)となった。

 一年を通して収益力を改善し、第4四半期は営業利益黒字になった。また、2018年4月より開始した新ブラウザゲームプラットフォーム「enza」も成長軌道に乗った。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p18
 
事業状況

 同社の事業セグメントは、大きく分けると「エンターテインメントサービス」と「広告メディアサービス」からなる。

エンターテインメントサービス

 当事業セグメントはゲームの開発・運営が主要事業となっており、他社IPゲーム及びゲームプラットフォーム並びにオリジナルIPゲームの開発・運営を行っている。

 他社IPゲームでは、2014年5月にリリースされた『ONE PIECE トレジャークルーズ』、2018年11月にリリースされた『ダービースタリオンマスターズ』が既存ユーザーを中心に支持を集め好調に推移。

 他方、オリジナルゲームでは、既存ユーザーの満足度維持・向上に焦点を当てたイベント施策に注力し、売上水準を維持し、底堅く推移した。しかし、前連結会計年度において計上されていた開発売上がリリースに伴い減少したこと、新規タイトルで売上寄与が限定的となり、経営資源の選択と集中を図るべく、一部タイトルが配信停止となったことから、前年同期比で売上高が減少。

 利益についても、費用対効果を重視した効率的な広告宣伝施策の展開や、全社的なコスト最適化の取り組みによって費用の抑制を図ったものの、新規タイトルの多くで利益寄与が限定的となったこと、新ブラウザゲームサービス「enza」が事業開発段階にあり、同事業向けサービスにおいて費用先行が続いたことから、前年同期比で利益が減少し、損失を計上することとなった。

 以上の結果、セグメント売上高は98億8,015万円(前年同期比19.7%減)、セグメント損失は3億5,581万円の赤字(前年同期はセグメント利益3億3,651万円の黒字)となった。

 なお、第4四半期単体で見ると、「enza」の事業拡大及び開発に伴う売上の計上のほか、既存ゲームの年末年始イベントの活況、収益貢献が限定的なタイトルの配信停止、2019年3月期に最優先で取り組んできた運用効率化が進展したことから、セグメント売上高は26億4,363万円円(第3四半期比24.7%増)、営業利益は2億1,815万円(第3四半期は9,164万円の赤字)と、ともに増加。
 

広告メディアサービス

 広告メディアサービスでは、広告代理業務のほか、次世代の主力事業創出を目的とした取り組みの一環である「DRIP(Drecom Invention Project)」のもと、同社の有するインターネットサービスの知見を活かした新規サービスを試験的に立ち上げ、事業化に向けた試行を重ねてきた。

 また、2018年8月に位置情報と3DリアルマップによるARスマートフォンアプリ構築プラットフォーム「AROW」を発表し、2018年12月には同サービスを利用したゲームアプリ『アニマルランランド』をリリース。

 しかし、広告代理業務の売上高の減少、多くの新規サービスが事業開発段階にあることから費用先行が続いた結果、セグメント売上高は8億4,024万千円(前年同期比6.0%減)、セグメント損失は2億2,164万円の赤字(前年同期はセグメント損失1億4,592万円の赤字)となった。
 

見通し

 2020年3月期業績予想は、第1四半期累計(2019年4月1日~6月30日)まで開示。第1四半期累計は、売上高21億円(前同期比26.7%減)、営業利益5,000万円、経常利益3,000万円、当期純利益2,000万円を見込んでいる。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p15

 今後は、新ブラウザゲームサービス「enza」の拡大と、注力ゲームアプリでの既存ユーザーの支持強化を目指したプロモーション施策実施を通じた中長期安定運用、および2020年3月期中にリリースを目指す新規ゲームに優先的に経営資源を投入し、事業拡大に取り組んでいくという。

 既存ゲームでは、今期リリース予定の1~2本と共に、来期リリース予定の新規IPゲームアプリの開発が進行。なお、来期以降は、各期1~2本の新規IPゲームアプリのリリースを想定しており、開発も本格化。なお、未公開の新規IPゲームアプリについては、適時発表予定とのことだ。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p11

 2019年5月時点で計6本のタイトルを配信中の「enza」は、初期投資段階から拡大軌道に乗った。今後は、リアルとの連動をはじめとするマルチタッチポイント戦略を展開し、一層の拡大を目指していくとしている。

 足元では、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(株式会社バンダイナムコエン ターテインメントより配信中)において、2019年4月24日の1周年施策が大きな盛り上がりを見せた。

 同作は「enza」にてサービス中だが、2019年3月13日にApp Store版/Google Play版の配信を開始。すると、2019年4月にApp Storeセールスランキングにおいて13位にランクインするなどのスマッシュヒットを記録した。他プラットフォームにおける成果だが、同作の接触を増やすきっかけとなり、さらなる成長を感じさせる出来事となった。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』アプリストアより

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