コーエーテクモHD 2019年3月期 通期:過去最高の業績を記録 自社タイトルのIP化で海外展開、今後は500万本級を目指す

【Topics】
■ 新作が次々ヒット、過去最高の業績を記録
■ 『新三國志』『無双』をIP化、開発担当『DQB2』も好評
■ IP展開の強化、任天堂の開発案件等で500万本級を目指す
決算概要

 株式会社コーエーテクモホールディングスは4月26日に2019年3月期(2018年4月1日~2019年3月31日)の連結業績を発表した。

 業績は通期で、389億6,800万円(前年比0.1%増)、営業利益120億9,200万円(前年比3.3%増)、経常利益183億700万円(前年比0.1%増)、当期純利益136億9,400万円(前年比5.2%増)となり、売上・利益共に過去最高を記録した。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 P.2
事業状況

 主力のエンタテインメント事業はセグメント売上高351億2,000万円、セグメント利益110億7,800万円となった。今期は社内6ブランドからヒットタイトルが次々と生まれ、業績を大きく牽引した。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 P.5
(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 P.6

 まず、「シブサワ・コウ」ブランドは2月に『信長の野望・大志 with パワーアップキット』(PlayStation4、Nintendo Switch、Steam、DMM GAMES)、3月には『Winning Post 9』(PlayStation4、Nintendo Switch、Steam)をリリースした。スマートフォン向けには、代表作『新三國志』を移植したアプリ版が日本と台湾で好調だった。なお、アプリ版『新三國志』はIPの提供のみ行っており、配信は中国系のパブリッシャーが担当している。このような施策が奏功し、地域別の売上高ではアジア地域のセールスが前期比24.3%増となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 P.4

 「ω-Force」では、昨年9月に人気シリーズの最新作『無双OROCHI 3』(PlayStation4、Nintendo Switch、Xbox One、Steam)がリリースされ、累計出荷本数は70万本を突破した。『無双』シリーズもスマートフォン向けにIPを提供しており、9月にリリースされた『真・三國無双 斬』は、コーエーテクモの許諾の下、ネクソンが開発・運営を行っている。『真・三國無双 斬』は、リリース当初からApp Storeのゲームカテゴリで国内ダウンロードランキング1位を獲得し、セールスランキングでも最高11位を記録。この売上の一部がIP利用料として収益に寄与した。

 アクションと格闘ゲームで定評のあるブランド「Team NINJA」では、3月に『DEAD OR ALIVE Xtreme 3 Scarlet』(PlayStation4、Nintendo Switch)がリリースされた。同作は格闘ゲームとして北米、ヨーロッパでも人気がある。さらに、一昨年に新規タイトルとしてリリースされた『仁王』はリピート販売で順調に本数を伸ばし、今年2月に全世界累計出荷本数250万本を達成した。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 P.3

 『アトリエ』シリーズの「ガスト」は同シリーズ20周年記念作品である『ネルケと伝説の錬金術師たち ~新たな大地のアトリエ~』(PlayStation4、PS Vita、Nintendo Switch、Steam)と、『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術師4~』(PlayStation4、Nintendo Switch)をリリースした。

 女性ファンの多いブランド「ルビーパーティー」は、『金色のコルダ オクターヴ』(PS Vita、Nintendo Switch、Steam)、『遙かなる時空の中で6 DX』(Nintendo Switch)をリリース。同ブランドではファンイベントにも注力し、5つのイベントで9万人を動員した。

 自社ブランド以外では、スクウェア・エニックスと共同開発した『DISSIDIA FINAL FANTASY OPERA OMNIA』(iOS、Android)が2月に運営2周年を迎え、周年キャンペーンで売上を伸ばした。また、昨年12月に発売された『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』(PlayStation4、Nintendo Switch)では開発を担当した。同作は初週販売本数が20万本を突破し、前作に続くヒットタイトルとなった。ユーザーの評価も高く、現在は第3弾となる追加DLCが予定されている。

見通し

 2020年3月期通期(2019年4月1日~2020年3月31日)の連結業績予想は、売上高430億円(前年同期比10.3%増)、営業利益120億円(前年同期比0.8%減)、経常利益160億円(前年同期比12.6%減)、当期純利益130億円(前年同期比5.1%減)を見込んでいる。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 P.9

 来期も積極的な展開を計画しており、足下では3月に『DEAD OR ALIVE 6』を世界同時発売したほか、7月には『進撃の巨人2-FinalBattle-』と、開発を担当した『ファイアーエムブレム 風花雪月』(任天堂)がリリースが控えている。さらに、『仁王』の続編となる『仁王2』、『MARVEL ULTIMATE ALLIANCE 3: The Black Order』、そして4月に発表されたばかりの『ペルソナ5スクランブル ザ・ファントムストライカーズ』も大いに期待がかかるところだ。スマートフォン向けゲームについては、引き続き、代表作のIP許諾ビジネスによる収益拡大を図るとしている。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 P.29

 2022年3月期まで見据えた中長期計画では、「全世界で販売本数500万本級のパッケージゲーム」と「ユーザー売上が月商10億円を超えるスマートフォン向けゲーム」の創発を目標に掲げている。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 P.15

 今期の成功で中長期計画は順調な滑り出しとなった。2020年1月には、横浜・みなとみらいで新オフィスが竣工する。ライブハウス型ホールが併設され、e-Sportsやリアルイベントを通した新たな取り組みが注目される。

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