コナミHD 2019年3月期 通期:遊戯王とスポーツ作品の貢献で5期連続の増益に

【Topics】
■ 5期連続増益を達成、2年連続で過去最高を更新
■ モバイルは遊戯王、ウイイレ、パワプロ、プロスピAがけん引
■ eスポーツに最適な設備を完備した施設も建設予定

 

決算概要

 コナミホールディングス株式会社は5月9日に2019年3月期通期の決算を発表した。連結業績(2018年4月1日~2019年3月31日)の業績は、売上高2,625億4,900万円(前年同期比9.6%増)、営業利益505億2,200万円(前年同期比11.8%増)、税引前利益503億1,000万円(前年同期比12.5%増)、当期純利益341億9,600万円(前年同期比12.1%増)となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p4

 デジタルエンタテインメント事業におけるサッカー・野球コンテンツを中心とする各シリーズタイトルが堅調に推移したことから、売上高・営業利益ともに前年同期を上回る実績を記録。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p5
 
事業状況

 コナミホールディングス株式会社は、大きく分けてデジタルエンタテインメント事業、アミューズメント事業、ゲーミング&システム事業、スポーツ事業の4つからなる。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p6

デジタルエンタテインメント事業

 まずモバイルゲームでは、グローバル市場において、配信開始から2周年を迎え、累計 9000万ダウンロードを突破した『遊戯王 デュエルリンクス』がけん引した。また、TVCMに合わせた施策を実施した『ウイニングイレブン 2019』(海外名「PRO EVOLUTION SOCCER 2019」)も売上が伸長。

▲『ウイニングイレブン 2019』TVCM。シリーズを通した大規模プロモーションのなか、ゲームアプリ版では2種類のガチャイベントを展開し、2019年3月8日付けのApp Storeセールスランキングで見事1位を獲得した。

 国内市場では、『プロ野球スピリッツA(エース)』が第3四半期に続いて好調を維持しているほか、『実況パワフルプロ野球』などのタイトルも堅調に推移した。加えて、eスポーツの取り組みとして、モバイルゲーム『ウイニングイレブン 2019』を競技タイトルにした「eJリーグ ウイニングイレブン 2019シーズン」を「公益社団法人 日本プロサッカーリーグ」(Jリーグ)と共同で開催することを発表。

 なお、カードゲームでは、2019年2月に『遊戯王オフィシャルカードゲーム』が発売から20周年を迎え、20周年記念商品となる「遊戯王OCG デュエルモンスターズ 20th ANNIVERSARY LEGEND COLLECTION」の発売をはじめとする各種施策を展開し、ユーザーに好評を得たという。

 家庭用ゲームでは、モバイル版と同時にキャンペーンを実施した『ウイニングイレブン 2019』のオンラインモード「myClub」が、盛り上がりを見せているほか、eスポーツの取り組みとして、同作の世界選手権「PES LEAGUE WORLD TOUR 2019」 の予選大会を、各地で開催。野球コンテンツでは、一般社団法人日本野球機構(NPB)と共同で開催している「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」において、初代日本一を決定する「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018-19 SMBC e日本シリーズ」を開催した。

 これらの結果、当事業の連結売上高は1,416億9,900万円(前年同期比17.8%増)となり、セグメント利益は438億3,300万円(前年同期比17.2%増)となった。
 

アミューズメント事業

ビデオゲームでは、オンライン対戦麻雀ゲーム「麻雀格闘倶楽部」シリーズの最新作『麻雀格闘倶楽部 GRAND MASTER』や、家庭用ゲームで好評を得た「ボンバーマン」のゲーム性をベースに、チームバトルの要素を加えたオンライン型陣取り合戦が楽しい『ボンバーガール』が好調な稼働で推移しているほか、本格プロ野球カードゲーム『BASEBALL COLLECTION』が順次稼働している。また、『DanceDanceRevolution』誕生20周年を記念したアニバーサリーモデルを発売。

 メダルゲームでは、演出も遊びも大きく進化した超大型プッシャーメダルゲーム『GRANDCROSS LEGEND』、抽選型メダルゲーム『アニマロッタ アニマと雲の大樹』を発売したほか、第2四半期から稼働を開始している『ボンバーマン・ザ・メダル』、『カラコロッタ 太陽とひみつの島』などの機器販売が堅調に推移。新規則に対応したシリーズ最新機種『戦コレ![泰平女君]徳川家康』に続き、『GI優駿倶楽部2』が稼働を開始。

 これらの結果、当事業の連結売上高は278億3,700万円(前年同期比10.6%増)となり、セグメント利益は84 億3,400万円(前年同期比12.6%増)となった。
 

ゲーミング&システム事業

 スロットマシンでは、「Concerto CrescentTM(コンチェルト クレセント)」や 「Concerto StackTM(コンチェルト スタック)」をはじめとした「ConcertoTM」シリーズにおいて、65インチの4KウルトラHDディスプレイが特徴の最新筐体「Concerto OpusTM(コンチェルト オーパス)」の販売が堅調に推移したほか、 新規のアップライト筐体「KX 43TM(ケイ エックス フォーティースリー)」を市場に投入するなど、商品レンジの拡充を推進。

 また、同社グループのアミューズメントマシンで培った経験や技術を活用したフィールド付競馬マルチステーション機「Fortune CupTM(フォーチュン カップ)」の設置が北米およびアジアを中心に進み、新たなエンタテインメントの提供による市場の活性化を推進。

 パーティシペーションでは、「Concerto OpusTM」を主力商品に、各種ベースゲームに付け加えられるミステリートリガーリンクドプログレッシブの「Treasure BallTM(トレジャーボール)」や、「Triple Sparkle(トリプルスパークル)」など、ゲームラインアップの拡充に努めたという。カジノマネジメントシステム「SYNKROSⓇ」では、海外を就航する大型クルーズ船内のカジノ施設をはじめ、大手オペレーターへの導入が引き続き順調に推移。

 これらの結果、当事業の連結売上高は311億7,000万円(前年同期比5.2%増)となり、セグメント利益は47億2,300万円(前年同期比8.2%増)となった。
 

スポーツ事業

 フィットネスでは、新たに自社開発した“自分史上最高の後ろ姿”がコンセプトのパーソナルプログラム「Beauty Hip」の提供施設を57施設まで拡大したほか、10~30代を対象に将来にわたって長く運動を続ける習慣を身に付けるためのきっかけとなるようにお得な利用プラン「U-39」の募集を開始するなど、顧客のサポート強化やサービス拡充への取り組みを推進。スクールでは、新たな種目として卓球スクールで17施設、トランポリンスクールで3施設をそれぞれ開講するなど、提供施設の更なる充実に向けた展開を進めてきた。

 スポーツ関連商品では、コナミスポーツクラブブランドで展開する「コナミスポーツクラブ オリジナル」商品のほか、「コナミスポーツクラブ セレクション」として展開するコナミスポーツクラブ選りすぐりのブランド商品のラインアップを拡充させるとともに、オンラインショップのデザインを刷新し、使いやすさ、サービスの向上に努めたという。

 なお、当連結会計年度においては、直営施設の退店による影響のほか、度重なる自然災害の影響、フィットネスマシンリニューアルを含む既存施設の環境整備や新規スクール展開のための先行投資などにより売上高・セグメント利益は減少。これらの結果、当事業の連結売上高は634億8,700万円(前年同期比3.8%減)となり、また、セグメント利益は22億4,300万円(前年同期比31.1%減)となった。
 

見通し
(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p8

 2020年3月期の連結業績予想(2019年4月1日~2020年3月31日)は、売上高2,700億円(前年同期比2.8%増)、営業利益470億円(前年同期比7.0%減)、税引前利益460億円(前年同期比8.6%減)、当期純利益300億円(前年同期比12.3%減)としている。

 2020年3月期の取り組みでは、アミューズメント事業とデジタルエンタテインメント事業を中心に解説していこう。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p11

 アミューズメント事業では、音楽ゲームにおいて、2019年1月に8年目を迎えた「KONAMI Arcade Championship」を始めとしたeスポーツ大会をグローバルに展開。これにより市場のさらなる拡大と「BEMANI」ブランドの価値向上に取り組んでいくとしている。メダルゲームでは、グループ創業時から培うアミューズメントマシンの技術力を活用し、これまでにない新しい遊びにチャレンジすることによって、幅広いユーザーに愛される製品・サービスを提供していくという。

 また、当事業年度より本格的に営業を開始したタイ王国の現地法人では、経済成長の著しい東南アジア地域におけるアミューズメントマシンをはじめとしたコナミグループ製品・サービスの提供を拡充することで、海外市場における事業拡大を強化していくとのこと。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p21

 一方デジタルエンタテインメント事業では、モバイルゲームにおいて、「ラブプラス」シリーズ最新作の『ラブプラス EVERY』の配信に向け、クローズドテストを実施。新作タイトルの『ダンキラ!!! – Boys, be DANCING! -』は事前登録を開始し、登録者数を伸ばしているという。

 家庭用ゲームでは、Nintendo Switch向けダウンロード専売タイトルとして『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ レ ガシー・オブ・ザ・デュエリスト:リンク・エボリューション』を発売。野球タイトルでは、「プロ野球スピリッツ」シリーズの最新作『プロ野球スピリッツ2019』と、最大4人同時プレイが可能となった『実況パワフルプロ野球』をNintendo Switch向けに発売予定という。

 eスポーツの取り組みでは、『ウイニングイレブン 2019』の世界選手権「PES LEAGUE WORLD TOUR 2019」の決勝大会を開催。また、「ウイニングイレブン」シリーズは、2019年に行われる第74回国民 体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」に文化プログラムとして採用されており、都道府県代表決定戦を開始している。さらに、一般社団法人日本野球機構(NPB)と共同で開催する「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」の2019年シーズンの開催も決定。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p20

 ちなみに、事業の新たな拠点としてeスポーツに最適な設備を完備した「esports 銀座 studio」を併設する「コナミクリエイ ティブセンター銀座(以下、KCC銀座)」は、2019年11月末の竣工を予定。次期は本業で増益を見込んでいるが、自社物件「KCC銀座」への移転に伴い現賃借物件の2021年3月期までの退去後家賃等の一時費用50億円を計上する予定とのこと。また、自社物件に移転することで家賃負担が減少するため、2021年3月期以降さらに増益を目指していくとしている。

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