セガサミーHD 2019年3月期 通期:遊技機及びデジタルゲーム分野の低調により減益 パッケージは国内外で好調

【Topics】
■ 遊技機事業及びデジタルゲーム分野の低調により減益
■ パッケージゲームは国内外含めてリピート販売が好調
■ 重点領域をスマホゲームから海外展開+パッケージへ
決算概要

 セガサミーホールディングス株式会社(以下、セガサミーHD)は、4月26日に2019年3月期の連結業績(2018年4月1日~2019年3月31日)を発表した。

 業績は、売上高3,316億4,800万円(前年同期比2.5%増)、営業利益130億7,900万円(前年同期比26.2%減)、経常利益74億9,500万円(前年同期比48.6%減)、当期純利益26億4,200万円(前年同期比70.4%減)となった。大幅な減益は、遊技機事業とデジタルゲーム分野が低調に終わったため。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p3
(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p5
 
事業状況

 セガサミーHDは、遊技機事業、デジタルゲーム分野を中心としたエンタテインメントコンテンツ事業、そしてリゾート事業の3つで構成されている。

遊技機事業

 遊技機事業は、セグメント売上高1,014億2,500万円(前期比4.0%減)、セグメント利益134億9,000万円(前期比13.1%増)となった。

 販売台数は、パチスロ遊技機が67,000台(前期は85,000台)、パチンコ遊技機が159,000台(前期は140,000台)だった。

 パチスロ遊技機市場では、政府によるギャンブル等依存症対策の一環として、射倖性を大きく制限した新型遊技機(6号機と呼ばれる)の投入が始まった。

 しかし、遊技機は必ず販売前に保安通信協会(略称:保通協)の検査をパスしなければならず、検査を通過できるのは全体の20%前後に留まると言われている。そのため、新機種を開発しても供給にはなかなか至らないことから、6号機の販売数が伸び悩んだ。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p10
(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p12

エンタテインメントコンテンツ事業

 家庭用ゲーム機向けのパッケージゲームとスマートフォン向けゲームアプリ、PCオンラインゲーム等を開発・販売するエンタテインメントコンテンツ事業は、セグメント売上高2,196億3,100万円(前期比5.6%増)、セグメント利益98億5,700万円(前期比33.6%減)となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p13
デジタルゲーム

 主力事業であるエンタテインメントコンテンツ事業の減収は、業績全体に影響を及ぼした。特に、デジタルゲーム(スマートフォン向けゲームおよびPCオンラインゲーム)では新作の不振と既存タイトルの減衰が重なり、19億円の赤字が生じた。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p14

 新作の低迷は、分野ごとのトップタイトルにも表れている。今期はスマートフォン向けに『プロサッカークラブをつくろう! ロード・トゥ・ワールド』『龍が如く ONLINE』『イドラ ファンタシースターサーガ』の3タイトルがリリースされた。しかし、デジタルゲームで寄与したのは、『ファンタシースターオンライン2』『ぷよぷよ!!クエスト』などの既存タイトルばかりで、新作による売上の積み重ねに失敗していることが見て取れる。

(出典)2019年3月期 通期 決算補足資料 p11
デジタルゲーム 上位3タイトル(2019年3月期 通期 決算補足資料より)
1位:ファンタシースターオンライン2(配信:2012/7)
2位:ぷよぷよ!!クエスト(配信:2013/4)
3位:D✕2 真・⼥神転⽣ リベレーション(配信:2018/1)
パッケージゲーム

 一方、パッケージゲーム(コンシューマー向けゲーム)は新作、リピート販売共に好調で、販売本数は2,344万本(前期は1,733万本)となった。特に、木村拓哉さん主演の新作『JUDGE EYES︓死神の遺⾔』は26万本を達成し、業績を牽引した。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p16
2019年3月期 主なパッケージタイトル
・『Yakuza 6 : The Song of Life』2018/4発売(PS4/PC – 欧⽶)
・『Football Manager 2019』2018/11発売(PC – ⽇本/アジア/欧⽶)
・『JUDGE EYES︓死神の遺⾔』2018/12発売(PS4 – ⽇本/アジア)
2019年3月期 主なリピートタイトル
・Total Warシリーズ(PC – 日本/アジア/欧⽶)
・Sonicシリーズ(マルチプラットフォーム – ⽇本/アジア/欧⽶)
・⿓が如くシリーズ(PS4/PC – ⽇本/アジア/欧米)
アミューズメント機器および施設

 アミューズメント機器(アーケードゲーム)は、『Fate/Grand Order Arcade』などの新機種を投入して増収となったが、利益は減少した。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p19

 アミューズメント施設(ゲームセンター等)の運営では、人気の高いプライズゲームを中心としたラインナップに注力し、国内既存店舗の売上が前期比4.0%増となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p20
映像・玩具

 映像・玩具分野は、子会社のトムス・エンタテインメントが、劇場版『名探偵コナン』シリーズの制作・配給に関わっていることから、配給収入や映像配信による収入が計上されている。今期は『名探偵コナン ゼロの執行人』が最終興収91.8億円を記録し、その人気ぶりは玩具(グッズ)販売の追い風にもなった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p21

リゾート事業

 リゾート事業は、セグメント売上高105億8,900万円(前期比6.6%増)、セグメント損失24億1,200万円の赤字(前期は営業損失25億200万円の赤字)となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p22

 宮崎県にあるリゾート施設「フェニックス・シーガイア・リゾート」の宿泊利用が伸び、利用者数は前期比で33.8%増加した。また、海外では、PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.(同社持分法適用関連会社)が運営する韓国初のIR(統合型リゾート)「パラダイスシティ」が、日本人のVIP層から人気を集めている。

見通し

 2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)の連結業績予想は、売上高3,900億円(前年同期比17.6%増)、営業利益270億円(前年同期比106.4%増)、経常利益230億円(前年同期比206.8%増)、当期純利益150億円(前年同期比467.6%増)を見込んでいる。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p26

2期連続の不振を挽回すべく、遊技機事業とエンタテインメントコンテンツ事業の立て直しを図るとしている。

 遊技機事業では、6号機への入れ替え需要に合わせて、新作の準備を進めている。また、リユース率の向上、原価率の改善にも注力し、大幅な収益改善に取り組むことを明らかにした。

 エンタテインメントコンテンツ事業では、デジタルゲームの収益性改善と、パッケージゲームの新作投入が今後の柱となる。

 デジタルゲーム分野では、まず既存タイトルを見直し、投資の適正化を図る。新作は『けものフレンズ3』など、収益性の高いIPタイトルが中心となるようだ。

 パッケージゲームでは、『チームソニックレーシング』『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』『新サクラ大戦』など、人気IPタイトルでグローバル展開を目指す。同時に、既存IPのリピート販売、休眠IPの掘り起こし等で収益性も強化する。今期はパッケージゲームが好調だったことから、優先的に投資すべき重点領域として扱われるとのことだ。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p39

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