ソニー 2019年3月期 通期:ゲームソフト及び「PSプラス」加入者増加が寄与 見通しではスマホゲームの減収も

【Topics】
■ ゲーム&ネットワークサービス分野の貢献により増収増益
■ 有料会員サービス「PSプラス」の加入者数の増加などが奏功
■ 見通しでは『FGO』ほかスマホゲームの減収を見込む

 

【決算概要】

 ソニー株式会社は4月26日に2019年3月期の連結業績(2018年4月1日~2019年3月31日)を発表した。業績は、売上高8兆6,656億8,700万円(前年同期比1.4%増)、営業利益8,942億3,500万円(前年同期比21.7%増)、当期純利益9,162億7,100万円(前年同期比86.7%増)となった。

 売上高は、主にモバイル・コミュニケーション分野の大幅な減収があったものの、ゲーム&ネットワークサービス分野の大幅な増収が補った。なお、前年度の為替レートを適用した場合、売上高は約2%の増加となる。営業利益の大幅な増益は、同様にゲーム&ネットワークサービス分野分野及び音楽分野における大幅な増益があったため。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p1
 

【事業状況】

 ソニーの主な事業分野は、下記の9つからなる。

ソニーの主な事業分野
ゲーム&ネットワークサービス分野
 →ネットワークサービス事業、家庭用ゲーム機の製造・販売、ソフトウェアの制作・販売
音楽分野
 →音楽制作、音楽出版、映像メディア・プラットフォーム事業
映画分野
 →映画製作、テレビ番組制作、メディアネットワーク事業
ホームエンタテインメント&サウンド分野
 →テレビ事業、オーディオ・ビデオ事業
イメージング・プロダクツ&ソリューション分野
 →静止画・動画カメラ事業
モバイル・コミュニケーション分野
 →携帯電話の製造・販売、インターネット関連サービス事業
半導体分野
 →イメージセンサー事業
金融分野
 →日本市場の個人向け生命保険及び損害保険を主とする保険事業、銀行業
その他分野
 →海外のディスク製造事業、記録メディア事業などの様々な事業活動

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p10

 本稿では、主にゲーム市場に関わる分野にフォーカスしていく。

 ゲーム&ネットワークサービス分野は、前年度比で3,671億円(19%)増加し、2兆3,109億円となった(前年度の為替レートを適用した場合、19%の増収)。営業利益は、主に前述の増収の影響により、前年度比で1,336億円増加し、3,111億円に。なお、当年度の為替の悪影響は48億円だった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p16

 要因はプレイステーション4のハードウェアの減収の影響はあったものの、ゲームソフトウェアの増収、有料会員サービス「プレイステーションプラス」の加入者数の増加などが奏功。2019年3月期に該当するゲームソフトウェアは、49万9765本を記録した『コール オブ デューティ ブラックオプス 4』(ソニー・インタラクティブエンタテインメント/2018年10月12日発売)、サードパーティーでは、72万2201本を記録した『キングダム ハーツIII』(スクウェア・エニックス/2019年1月25日発売)などが挙げられるだろう。

 その他、売上に貢献した「プレイステーションプラス」とは、月々476円(+税)でプレミアムな特典を受けられる有料会員サービスだ。主な特典では、人気タイトルを追加料金無しで回数や時間の制限なく遊べる「フリープレイ」、世界のプレイヤーと対戦・協力プレイを楽しめる「オンラインマルチプレイ」など。また、定期的に加入者限定に向けた人気タイトルのセール販売を行うなど、その価値を高めている。ハードウェアの増加に伴い、加入者は引き続き増えていくが、サービス内の施策の企画力も問われていくことだろう。

 音楽分野には、ソニー・ミュージックエンタテインメントの子会社であるアニプレックスの業績が含まれる。なお、アニプレックスが提供する主なスマートフォン向けゲームは下記の通り。

アニプレックスが提供する主なスマートフォン向けゲーム
・『Fate/Grand Order』(開発:ディライトワークス)
・『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』(開発:f4samurai)
・『きららファンタジア』(開発:ドリコム)
・『〈物語〉シリーズ ぷくぷく』(開発:NHN PlayArt) ほか

 さて、音楽分野の売上高は、主に顧客との契約から生じる収益に関する会計基準の変更の影響により音楽制作におけるパッケージメディアが減収となったものの、ストリーミング配信の売上が増加したことや2018年11月14日以降EMIを連結したことで音楽出版において売上が増加したことなどにより、ほぼ前年度並みの8,075億円となった(前年度の為替レートを適用した場合、1%の増収)。

 営業利益は、前年度比1,047億円増加し、2,325億円に。この大幅な増益は、EMIの持分約60%の取得に伴い持分法投資損益が116億円悪化したものの、主に前述のEMIの連結子会社化により再評価益1,169 億円を計上したことによるもの。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p17
 

【見通し】

 2020年3月期の連結業績予想(2019年4月1日~2020年3月31日)は、売上高8兆8,000億円(前年同期比1.5%増)、営業利益8,100億円(前年同期比9.4%減)、当期純利益5,000億円(前年同期比45.4%減)としている。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p12

 ゲーム&ネットワークサービス分野の売上高は、ゲームソフトウェア販売の増加を見込むものの、PS4ハードウェアの販売台数減を見込むこと、及び為替の影響などにより、ほぼ2018年度並みを見込んでいる。営業利益は、PS4ハードウェアのコスト改善を見込むものの、主に次世代機の開発にかかる費用の増加や、収益性が高い自社制作ゲームソフトウェアの貢献が減少する影響、及び為替の悪影響により、減益を見込んでいる。

 他方、音楽分野の売上高は、スマートフォン向けゲームの減収に加え、音楽制作におけるパッケージ及びデジタルダウンロード売上の減少を見込むものの、EMIの期初からの連結による音楽出版における増収や音楽制作及び音楽出版においてストリーミング配信売上の増加を見込むことから、分野全体で増収を見込んでいる。営業利益は、EMIの連結子会社化による増益を見込むものの、2018年度に前述の再評価益を計上したことなどにより、大幅な減益を見込んでいるという。

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