スクエニHD 2019年3月期 通期:KH3の全世界大ヒットで増収 スマホゲーム事業等は低迷、見直し図る

【Topics】
■ 2019年3月期 通期は売上高2710億円の増収減益
■ KINGDOM HEARTS IIIの世界販売本数が500万本突破
■ スマホゲーム事業等は新作不振、ライセンス収入が減少

 

決算概要

 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスは5月13日に2019年3月期 通期(2018年4月1日~2019年3月31日)の決算を発表した。連結業績は売上高2,710億4,800万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は245億3,100万円(前年同期比35.7%減)、経常利益は283億1,200万円(前年同期比21.6%減)、純利益は184億6,300万円(前年同期比28.5%減)となり増収減益となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p4

 セグメント別の売上高と営業利益は以下の通り。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p5
 
事業状況
デジタルエンタテインメント事業

 デジタルエンタテインメント事業の売上高は2,045億9,000万(前年同期比6.9%増)、セグメント利益は290億6,200万円(前値同期比33.1%減)となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p8

 家庭用ゲーム機向けタイトルにおいては、『KINGDOM HEARTS III』、『SHADOW OF THE TOMB RAIDER』、『JUST CAUSE 4』などの新作を発売したことから、前期比で増収。一方で、新作タイトル投入に伴う各種費用の増加により、前期比で減益に。

 なかでも業績に貢献した『KINGDOM HEARTS III』は、世界でのパッケージ出荷とダウンロード販売本数の合計が500万本を突破。これは歴代シリーズの中でも最速の記録となる。

 同作は、2019年1月25日の日本版(対応言語:日本語)発売を皮切りに、2019年1月29日に欧米版(対応字幕:英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語)が発売。ピクサーなどの新たなワールドが加わったことでより壮大に発展した世界観や、爽快なアクション、アトラクションの様な演出やディズニーのキャラクターたちとの連携技などのバトル展開が好評を博した。同社は、今後も販売数をさらに伸ばしていくとともに、香港・台湾およびアジア諸国向け繁体字幕版(2019年5月23日発売予定)や、ハングル字幕版(発売日未定)も含めて展開していくという。

 そのほか、トピックスとしては、直近5年のデジタル販売が年平均で約40%成⻑し、収益率の改善に寄与している。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p9

 スマートデバイス・PCブラウザなどをプラットフォームとしたコンテンツにおいては、前期及び上期にサービスを開始したタイトルの多くが同社の想定を下回り、既存有力タイトルの売上高に上乗せをするに至らなかったという。さらに、ライセンス収入の減少により、売上高838億円と前期比で減収減益となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p12

 MMORPG(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)領域では、前期に『ファイナルファンタジーXIV』と『ドラゴンクエストX』の拡張パッケージの発売があった反動により、前期比で減収減益となったが、当期の継続課金収入は好調を維持し、売上高は271億円となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p10

 

アミューズメント事業

 アミューズメント施設の運営およびア業務用ゲーム機器の開発・販売を行うアミューズメント事業は、店舗運営が堅調に推移したことに加えて、アミューズメント機器の新作を発売したことにより、前期比で増収となった一方、店舗での新機種導入に伴う償却費の増加などにより、売上高は462億4,300万円(前年同期比10.8%増)、セグメント利益は19億5,800万円(前年同期比18.5%減)と、増収減益となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p14
 
出版事業

 コミック(雑誌・単行本)およびゲーム関連書籍等を取り扱う出版事業は、売上高140億3,100万円(前年同期比27.0%増)、セグメント利益は39億7,000万円(前年同期比60.7%増)となった。コミック単行本は紙媒体での販売が前期と同じ水準だったものの、電子書籍形式での販売が大幅に増加。さらに、マンガアプリ「マンガUP!」が好調だったことから、前期比で増収増益となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p15
 
ライツ・プロパティ等事業

 ライツ・プロパティ等事業では、同社のコンテンツに関する二次的著作物の企画・制作・販売およびライセンス許諾を行っている。前期において有力コンテンツの新規キャラクターグッズなどの投入があった反動や、新規事業への展開を目的とした先行投資などにより、売上高73億9,700万円(前年同期比2.3%減)、セグメント利益は9億3,200万円(前年同期比50.6%減)と、減収減益となった。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p16
 
見通し

 2020年3月期の業績予測は、売上高2,700億円(前年同期比0.4%減)、営業利益240億円(前年同期比2.2%減)、経常利益240億円(前年同期比15.2%減)、当期純利益168億円(前年同期比9.0%減)を見込んでいる。主に中期業績⽬標の達成に向けた⾜固めと、ポスト中期業績⽬標への準備に注⼒する格好だ。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p21

 同社における中期業績目標は、2021年3⽉期より売上⾼3,000〜4,000億円、営業利益400〜500億円を⽬指す内容だ。主にデジタルエンタテインメント事業を中心に増収増益を図る。

(出典)2019年3月期 通期 決算説明会資料 p28

 目標達成に向けて、2020年3月期のデジタルエンタテインメント事業はどのように舵を切るのか。

 まずHDゲーム領域では、複数の新作タイトルを投⼊予定も、前期⽐で販売本数は減少する見込みという。ただ、デジタル販売によるカタログタイトルからの安定的継続収益の獲得に期待し、持続的な成⻑を可能とする新規IPの創出に注⼒していくとのことだ。

 MMO領域は、拡張パッケージの投⼊により、前期⽐で増収増益の⾒込み。スマートデバイス・ PCブラウザゲーム領域は、開発体制・運営体制の⾒直しにより、HDゲーム同様で新しいヒット作の創造に注⼒していくという。

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