エイチーム 2019年7月期 第3四半期:純利益54.6%減の下方修正を発表 新作・既存主力が伸び悩む

【Topics】
■ 2019年7月期の下方修正を発表。純利益は前期比54.6%減に
■ 新作『三国BASSA!!』は改修からの立ち上げが期待に及ばず
■ 主力『スタリラ』も伸び悩む。今後ゲーム事業は海外売上比率50%を目指す

 

決算概要

 株式会社エイチームは 6月14日に2019年7月期第3四半期の決算を発表した。第3四半期連結累計期間(2018年8月1日~2019年4月30日)の実績は、売上高280億2,800万円(前年同期比1.1%減)、営業利益21億7,500万円(前年同期比42.9%減)、経常利益21億7,700万円(前年同期比43.5%減)、当期純利益11億円(前年同期比58.5%減)の減収減益となった。

(出典)2019年7月期 第3四半期 決算説明会資料 p12
(出典)2019年7月期 第3四半期 決算説明会資料 p13

 

事業状況
エンターテインメント事業

 スマートフォン向けゲームを展開するエンターテインメント事業は、セグメント売上101億1,400万円(前年同期比19.2%減)、セグメント利益12億5,700万円(前年同期比57.3%減)と減収減益に。

(出典)2019年7月期 第3四半期 決算説明会資料 p22

 既存ゲームアプリが減収傾向にあるなか、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-(以下、スタリラ)』の国内版を2018年10月にリリースし、さらにグローバル版を4月24日にリリース。しかし、国内外で収益寄与が限定的だった。また、第3四半期単体のエンターテインメント事業の売上高は、年末年始からの反動減により前四半期比28.5%減の28億6,500万円に。

 原作はミュージカルをはじまりとし、2018年7月よりTBS系列にてアニメが放送されたメディアミックス作品の『スタリラ』。ミュージカルとアニメーションで紡ぐ二層展開式少女歌劇と銘打ち、双方を同じキャストが演じるというコンセプトのもと、2017年9月にプロジェクト第一弾となるミュージカル公演を開催。キャストたちの全身全霊の歌、ダンス、殺陣によるパフォーマンスが話題を呼び、2018年1月に早くもリバイバル公演を開催した人気IPだ。

 リリース当初は、無料ダウンロードランキング1位、セールスランキング10位にランクインするほどの好調なスタートダッシュを切ったものの、現在はその推移も下火になってきた。メディアミックス作品として、様々なチャネルの動向に合わせて、『スタリラ』も巻き返しを図りたいところだ。

 

ライフスタイルサポート事業

 引越し比較・予約サイト「引越し侍」、自動車査定・買取サイト「ナビクル」のほか、ブライダル関連サービス「ハナユメ」、金融サービスなど生活に密着したWebサービスを運営するライフスタイルサポート事業は、セグメント売上163億7,700万(前年同期比18.3%増)、セグメント利益23億5,100万(前年同期比1.6%増)と、増収増益となった。

(出典)2019年7月期 第3四半期 決算説明会資料 p19

 第3四半期は、ブライダル関連事業を筆頭に好調に推移。ブライダル関連事業は、サービス名称変更後の認知度及びサービス信頼度向上に伴い送客件数が順調に増加し、売上高が大幅に増加したという。なお、各サブセグメントは既存事業の育成に加え、引き続き周辺サービスを拡充。また、立ち上げ段階にある複数の新規サービスへの先行投資を計画通り行ったため、セグメント利益は前年同期比で横ばいとなった。

 

EC事業

 自転車専門のECサイト「cyma(サイマ)」を運営するEC事業は、セグメント売上15億3,500万円(前年同期比22.4%減)、セグメント損失1億6,600万円(前期は1億9,000万円の損失)となった。

(出典)2019年7月期 第3四半期 決算説明会資料 p24

 第3四半期は、売上高が前年同期比で減少となり、セグメント損失は前年同期比でやや縮小となった。引き続き事業の黒字化に向けて、出荷効率の向上など、物流オペレーションを見直した結果、3月の繁忙期では単月黒字化を達成するなどの改善がみられたとのこと。

 

見通し

 2019年7月通期の業績予測は、今回の決算に合わせて、下方修正を発表した。修正後の売上高は370億円(前年同期比1.8%減)、営業利益28億5,000万円(前年同期比39.4%減)、経常利益28億5,000万円(前年同期比39.7%減)、当期純利益15億円(前年同期比54.6%減)を見込んでいる。

(出典)2019年7月期 第3四半期 決算説明会資料 p6

 売上高は、ライフスタイルサポート事業の売上が期初予想をやや上回り推移しているものの、エンターテインメント事業及びEC事業が期初予想を下回る推移となり、全体では売上が未達で着地する見込みという。

 エンターテインメント事業は既存・新規ゲーム共に売上が期初予想を下回り、新規は主に『三国BASSA!!』が改修からの立ち上げが期待に及ばず、期初計画から乖離が広がった。EC事業は、物流オペレーション再構築を優先した結果、売上が期初予想を下回る着地となる見込みとのこと。

 なお、営業利益、経常利益については、主にエンターテインメント事業の売上の減少に伴う利益の減少に加え、新規ゲームの開発に向けた人員の増加による利益寄与の減少及びEC事業の黒字化未達に伴い、期初の予想を下回る着地に。さらに、第3四半期では『三国BASSA!!』に係る開発費などのソフトウェア資産を中心に4億3,200万 円の特別損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益が予想を大幅に下回る見込みとなった。

 足元の第4四半期では、主力タイトルの『スタリラ』で人気IPとのコラボ施策を展開し、既存タイトルの『ダービーインパクト』や『ヴァルキリーコネクト』では周年キャンペーンを開催。セールスランキングを覗いてみると、飛躍的な売上寄与は見込めていない。中長期的な展望としては、全世界に向けて月商10億円規模のアプリを複数創出し、海外売上比率50%を目指すとしている。

(出典)2019年7月期 第3四半期 決算説明会資料 p28

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