gumi 2019年4月期 通期:前四半期比で売上高25.6%減 新作IPタイトルでV字回復を狙う

【Topics】
■ 季節要因や配信権譲渡により前四半期比で売上高25.6%減
■ 足元では乃木坂46を題材とした新作がヒット。収益貢献に期待
■ 今後は『FFBE幻影戦争』など新作のヒットでV字回復を狙う

 

決算概要

 株式会社gumiは、6月7日に2019年4月期 通期の決算を発表した。2019年4月期の連結業績(2018年5月1日~2019年4月30日)は、売上高212億5,758万円(前年同期比21.6%減)、営業損失14億3,068万円の赤字(前年同期は9億9,400万円の黒字)、経常損失16億6,146万円の赤字(前年同期は9億6,200万円の黒字)、当期純損失16億9,568万円(前年同期は5億5,200万円の黒字)となった。

 第4四半期単体では、売上高40億5,700万円(前四半期比25.6%減)、営業損失8億8,300万円の赤字(前四半期は6,300万円の黒字)、経常損失11億7,900万円の赤字(前四半期は3,800万円の黒字)と、前四半期比で大幅な減収と赤字転落となった。

(出典)2019年4月期 通期 決算説明会資料 p6
(出典)2019年4月期 通期 決算説明会資料 p7

 第4四半期は季節要因や『ドールズオーダー』の配信権譲渡などにより売上が減少。また、「劇場版 誰ガ為のアルケミスト」の制作費の計上などにより広告宣伝費が増加し、前四半期比・前期比共に減収減益となった。
 

事業状況

 同社の主な事業は、ネイティブアプリサービスに特化したモバイルオンラインゲームの開発・運営。『クリスタル オブ リユニオン(以下、クリユニ)』をはじめ、『ファントム オブ キル(以下、ファンキル)』や『誰ガ為のアルケミスト(以下、タガタメ)』、スクウェア・エニックスと共同開発した『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス(以下、FFBE)』などを運営している。

 第4四半期連結累計期間のモバイルオンラインゲーム事業は、売上高212億5,659万円(前年同期比21.6%減)、営業損失10億530万円の赤字(前年同期は12億4,986万円の黒字)となった。

 主力タイトルである『ファンキル(日本語版)』、『タガタメ(日本語版)・(海外言語版)』、『クリユニ(日本語版)・(海外言語版)』、『FFBE(日本語版)・(海外言語版)』は堅調に推移したものの、前連結会計年度に配信した新規タイトルの売上寄与は限定的となり、また経営資源の選択と集中を図るべく、一部タイトルの配信停止を行った結果、売上高が減少。

 一部主力タイトルにおけるTVCMの放映や、新規タイトルの配信に伴うプロモーションの実施などの広告投資は行ったものの、その他のタイトルは費用対効果を重視したプロモーション施策を実施したことに伴い広告宣伝費が減少し、販売費および一般管理費が減少した。主に第3四半期と同様の結果となった。

 ここからは国内の各主力タイトルの状況について言及していこう。

 『ファンキル』は、新シリーズのユニット投入やストーリーの追加をはじめ、人気アニメとの復刻コラボの実施により、売上は好調に推移。2020年4月期第1四半期は、新元号及びGW施策、人気アニメとの復刻コラボの実施により、引き続きユーザーベース・売上の拡大を図るとしている。

『ファンキル』で開催されたTVアニメ「カードキャプターさくら クリアカード編」復刻イベント

 『FFBE』は、国内1200万DLキャンペーン施策や有力IPコラボ施策の実施などにより、ユーザーベース・売上は好調に推移。今後は有力IPとのコラボ実施などによりユーザーベース・売上のさらなる拡大を図るとのこと。

 『タガタメ』は、3周年施策の継続や全世界ユーザー数900万人突破記念キャンペーン、人気アニメとのコラボの実施などにより、ユーザーベース・売上の拡大に成功。自社IP創出の一環として、劇場版、舞台版、小説版とゲームが連動する施策「PROJECT タガタメイヤー」を開始し、売上・利益の最大化を図る。

 『クリユニ』は、3周年記念キャンペーンの開催や人気アニメ「鋼の錬金術師FA」 とのコラボ実施により、ユーザーベース・売上は堅調に推移。

 他方、VR/AR事業は、引き続き国内外の有力企業への投資を実行。戦略的投資を通じた高品質なコンテンツの開発も順調に進捗しているという。

 第4四半期では、引き続き、Tokyo XR Startups株式会社及びNordic VR Startups Oyなどにおけるインキュベーションプログラムを通じ、世界を代表する企業の育成と輩出を目指して国内外のVR/AR市場におけるスタートアップ企業に対し様々な支援を提供。

 また、同社グループがジェネラル・パートナーとして参画しているVenture Reality Fundを通じたグローバル投資を実行し、有力な技術・コンテンツ・人材を保有する企業との戦略的な連携を図ってきた。この結果、売上高99万円(前年同期比38.0%減)、営業損失4億2,538万円の赤字(前年同期は2億5,554万円の赤字)となった。
 

見通し

 2020年4月期の連結業績予想は、第1四半期のみ開示。第1四半期の売上高は、『ファンキル』『タガタメ』の増収に加え、5月15日にリリースされた『乙女神楽 ~ザンビへの鎮魂歌~』の収益貢献などを想定し、前四半期比で約10億円上乗せの50億円と大幅な増収を見込む。営業利益・経常利益に関しては、売上の増加に加え、広告宣伝費の減少を想定し、赤字幅が縮小し、黒字転換に努めていくとしている。

(出典)2019年4月期 通期 決算説明会資料 p17

 新作『乙女神楽~ザンビへの鎮魂歌~』は、リリースから1日で無料ダウンロードランキング1位、セールスランキングTOP30入りを果たすなど好調な出足を記録。ダウンロード数はリリース1週間で100万件突破。人気アイドルグループ「乃木坂46」を題材としたIPタイトルのため、引き続き収益貢献が見込まれる。

(出典)2019年4月期 通期 決算説明会資料 p24

 自社タイトルのIP化に向けた取り組みとして、「劇場版 誰ガ為のアルケミスト」を6月14日に劇場公開を予定。数々のヒット作品を手掛けた河森正治氏が総監督を務め、5月24日には完成披露プレミアム上映会も実施。モバイルオンラインゲームのみならず多様なチャネルへの展開により、既存ユーザーのエンゲージメント強化を図るとともに、自社有力タイトルのIP化を目指すとのことだ。

 今後のパイプラインでは、リリース済みの『乙女神楽 ~ザンビへの鎮魂歌~』を含め3本のオリジナルタイトルの開発を継続。他社IP系タイトルでは、『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争(以下、FFBE幻影戦争)』(スクウェア・エニックス配信)の共同開発、他1本を開発中。

 『FFBE幻影戦争』は、プレイステーションで人気を博した『ファイナルファンタジー タクティクス』を彷彿とさせる、FFシリーズのタクティカルRPG最新作。高低差のあるタクティカルバトルやジョブシステムは健在で、そのほかオートモードや倍速モードなどスマートフォンならではの機能も搭載している。

 6月10日より事前登録を開始し、50万人突破すると『ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ』より参戦する「ヤ・シュトラ」のユニットがプレゼントされる。

 過去gumiでは、子会社エイリムが手掛けた『FFBE』が大ヒットを記録している。『FFBE幻影戦争』では、『ファンキル』や『タガタメ』などスマートフォン向けシミュレーションRPGで実績多数の子会社FgGの強みが活かされ、また根強いファンの多い『ファイナルファンタジー タクティクス』を彷彿とさせるゲーム性・世界観も相まって、ヒットが期待される。

 新規事業は投資フェーズから収益化のシフトが始まっている。VR/AR事業は、『ソード・オブ・ガルガンチュア』(2019年6月7日リリース)、『Wasteland : Frost Point』(2019年リリース予定)のグローバル配信を経て、収益貢献の実現を目指している。

(出典)2019年4月期 通期 決算説明会資料 p31

 ブロックチェーン事業は、株式会社gumi Cryptosを設立し、ブロックチェーンに係る事業を吸収分割により承継。有力企業への出資及びコンテンツの開発を通じ、将来の収益基盤の構築を図るとのこと。

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