ケイブ 2019年5月期 通期:新作が不振に終わり売上減・赤字幅拡大 今後は自社IPの活用に活路を見出す

【Topics】
■ 新作が軒並み不振に終わり売上減・赤字幅拡大
■ 主力『ゴ魔乙』はリリース4周年にして売上・MAUが上昇
■ 今後は自社タイトルのライセンス展開を強化

 

決算概要

 株式会社ケイブは 7月11日に2019年5月期 通期の決算を発表した。通期(2018年6月1日~2019年5月31日)の実績は、売上高18億9,000万円(前年同期比20.1%減)、営業損失6億9,600万円の赤字(前年同期は6,900万円の赤字)、経常損失7億3,900万円の赤字(前年同期は8,800万円の赤字)、純損失12億4,000万円の赤字(前年同期は7,000万円の赤字)と、減収・赤字幅拡大となった。

(出典)2019年5月期 通期 決算説明会資料 p6

 主力タイトルの売上減少を新作リリースがカバー、さらに上乗せすることを想定していたものの、結果が出ず、減価償却費や研究開発費の負担により営業損失が拡大した。

 なお、第4四半期単体では、売上高4億1,500万円(前四半期は4億5,200万円)、営業損失1億2,100万円(前四半期は1億3,200万円の赤字)と、前四半期比でも売上減・赤字幅は拡大した。

(出典)2019年5月期 通期 決算説明会資料 p8
(出典)2019年5月期 通期 決算説明会資料 p10

 

事業状況

 既報の通り、ケイブの業績は主力タイトル『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい~(以下、ゴ魔乙)』1タイトルが売上高の70%以上を占めており、同作の動向によって会社業績が大きく左右される状況となっている。

 そのため、2019年5月期は新たな収益の柱を作るべく、新作スマートフォンゲーム『三極ジャスティス』を2018年6月にリリースした。しかし、ユーザーのプレイ継続率が低く、アップデートを重ねたものの、収益を見込める水準まで改善することができなかったため、2019年2月末でサービスを終了した。

 また、2017年11月リリースの海外ゲームの輸入パブリッシングタイトル第1弾『ロード・オブ・ダンジョン』、及び2019年1月リリースの第2弾『デビルブック』について、双方ともリリース直後の売上は好調だったものの、海外開発会社とケイブとの連携の難しさから発生した、運営方針の違いや機能の不具合によりユーザーの離脱を招いたという。

 このことにより収益を継続することができず、『ロード・オブ・ダンジョン』については2019年5月30日をもって開発会社のEK GAMESに運営を移管し、『デビルブック』についても2019年8月7日をもってサービスを終了することとなった。

 なお、前述したタイトル、及び採算が取れなくなったブラウザゲーム『しろつく』を終了したことで、主力の『ゴ魔乙』や新たな事業に経営資源を配分するとしている。

 さて、一方で2019年4月に4周年を迎えた主力の『ゴ魔乙』は、ユーザーを飽きさせない継続的なアップデートにより着実に固定ファンを獲得している。定期的なイベントや他社IPコラボなどのプロモーション効果により、新規ユーザーも獲得することで一定の規模を維持。しかし、経年とともに売上高は減少傾向にあるとのことだ。

 『ゴ魔乙』に限らず、長期運営化に伴い、売上・継続率は厳しい状況に陥るもの。周年のタイミングで大幅な刷新を図るタイトルも多くいるなかで、『ゴ魔乙』では女性ユーザーに向けて美男子キャラを豪華声優のボイス付きで楽しめる新シリーズ 「ゴシックは魔法男子(ごまめん)」を2019年5月より開始した。

(出典)2019年5月期 通期 決算説明会資料 p23

 そのほか、ユーザーを定着させるイベントの開催、初心者ユーザーに向けたUI変更、新規・復帰ユーザー獲得に向けたプロモーション手法の見直しにより、リリース4周年にして5月の売上・MAUが上昇している。

(出典)2019年5月期 通期 決算説明会資料 p24

 

見通し

 2020年5月期の業績予想は非開示。前述した通り、『ゴ魔乙』1タイトルの動向によって会社業績が大きく左右される状況となっており、今後の推移を予測することは困難としている。

 複数の新作タイトルが不発に終わったケイブでは、「資産の活用」「オンラインクレーンゲーム」に活路を見出している。

 ケイブには、『怒首領蜂』シリーズや『虫姫さま』シリーズなど、数々のオリジナルシューティングゲームを世に送り出してきた。決して大衆向けにヒットしたわけではないが、美麗かつ個性的なキャラクターや世界観には多くのゲームファンからも定評があり、ライセンス事業の展開により業績を伸ばしていくのは想像に難しくない。

(出典)2019年5月期 通期 決算説明会資料 p26

 オンラインクレーンゲーム事業は、サービス開始時期が未定なものの、個から多人数で楽しめる今までにない提供を考えているとのこと。

(出典)2019年5月期 通期 決算説明会資料 p27

 ゲーム開発においては、他社がパブリッシュ予定の有名版権ゲームの受託制作を開始している。受託制作の背景には、「開発費の高騰とともにリスクが高くなってきた」を理由としている。そのほか、自社の新規ゲーム開発、新規事業の立ち上げも進行中とのことだ。

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