サイバーエージェント 2019年9月期 第3四半期:構造改革を遂行 営業利益200億円から290億円の上方修正へ

【Topics】
■ 構造改革を遂行。営業利益200億円から290億円の上方修正へ
■ ゲーム事業は周年施策の反動はあったものの既存タイトルがカバー
■ 2019年はオリジナルIPタイトルが合計5本リリース予定

 

決算概要

 株式会社サイバーエージェントは7月24日に2019年9月期 第3四半期の連結業績(2018年10月1日~2019年6月30日)を発表した。

 第3四半期の累計実績は、売上高3,418億5,200万円(前年同期比9.6%増)、営業利益233億9,300万円(前年同期比11.9%減)、経常利益231億7,400万円(前年同期比7.8%減)、当期純利益17億7,600万円(前年同期比64.5%減)となった。

(出典)2019年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p3
(出典)2019年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p6

 

事業状況
ゲーム事業

 スマートフォン向けゲームの開発・運営を行うゲーム事業は、セグメント売上1,144億9,900万円(前年同期比4.4%増)、セグメント利益は190億3,700万円(前年同期比9.2%減)となった。第3四半期単体で見ると、売上高は前四半期比7.5%増の382億円を記録。

(出典)2019年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p20

 第2四半期は『グランブルーファンタジー』(開発・提供元:Cygames)や、『バンドリ!ガールズバンドパーティー!』(開発・提供元:Craft Egg)など、主力タイトルの周年施策で業績を伸ばした。一方、第3四半期はその反動が不安視されていたものの、好調な既存タイトルがカバーし、前四半期比の売上高は微減で済んだ。

 既存タイトルに関して決算資料では明言していないが、前述した主力タイトルはもとより、4月に6周年を迎えた『戦国炎舞 -KIZNA-』(開発・提供元:サムザップ)、6月に3周年を迎えた『シャドウバース』(開発・提供元:Cygames)など、第3四半期も漏れなく周年施策で業績に貢献したタイトルが存在している。

 なお、第3四半期の営業利益は、広告宣伝費などを適正化し、前年同期比で23.7%増となる83億円と大幅増益を果たした。

(出典)2019年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p21

 

インターネット広告事業

 インターネット広告事業は、セグメント売上高1,956億200万円(前年同期比9.0%増)、セグメント利益153億5,800万円(前年同期比8.7%減)と、前四半期比で季節要因はあるものの、堅調に推移している。現在は広告運用力を強みに新規開拓を強化し、第4四半期以降は開拓した広告主の取扱高拡大を狙うとしている。

(出典)2019年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p16

 

メディア事業

 Ameba、AbemaTV、マッチングサービス『タップル誕生』などを展開するメディア事業は、セグメント売上281億9,800万円(前年同期比24.1%増)、セグメント損失138億7,500万円の赤字(前期は123億9,200万円の赤字)となった。赤字は前年に引き続き、AbemaTVへの先行投資が行われたため。

(出典)2019年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p24

 AbemaTVは開局から3年2ヵ月で累計4,200万ダウンロードに達し、WAU(Weekly Active Users –週間アクティブユーザー数)、総視聴時間ともに堅調に伸びている。なかでも直近では、緊急会見の生中継や特別番組でWAU1,000万越えを果たし、順調にベースアップしている。また、地上波との連携により、視聴習慣化を促進している。

(出典)2019年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p26

 

投資育成事業

 グループ会社のサイバーエージェント・ベンチャーズによるファンド運営等を含む投資育成事業では、セグメント売上63億1,800万円(前年同期比9.0%増)、セグメント利益は153億5,800万円(前年同期比8.7%減)となった。

 

その他事業

 モバイル向け広告サービスのシーエー・モバイル、結婚式場情報サイト運営のウエディングパークなどによる事業で、セグメント売上は140億4,000万円(前年同期比8.7%増)、セグメント利益は5億4,400万円(前年同期比64.8%減)となった。

 

見通し

 同社は、2019年1月30日に広告事業及びゲーム事業における売上高の動向が想定よりも下回ったため、期初の予想から下方修正したが、全社的にコスト構造の見直しを実施したことにより、営業利益、経常利益を上方修正した。

(出典)2019年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p13

 修正した2019年9月期の連結業績予想は、通期累計で売上高4,400億円(前年同期比4.9%増)、営業利益290億円(前年同期比3.9%減)、経常利益285億円(前年同期比0.2%減)、当期純利益20億円(前年同期比58.8%減)を見込んでいる。

 なお、当期純利益は、第3四半期のゲーム事業、広告事業、メディア事業における終了予定サービスなどの減損損失57.4億円、また本社移転などの費用15.3億円 を特別損失に計上したため、予想を据え置いている。

(出典)2019年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p14

 今期もゲーム事業とインターネット広告事業を基盤として、AbemaTVへ大胆な投資を行う。「AbemaTVをマスメディアに」という目標を達成するには、既存の放送網に引けを取らない、良質な番組作りができるかどうかがポイントだ。

 そしてゲーム事業では、2019年中にグループ会社のサムザップ(代表作『戦国炎舞-KIZNA-』)、グレンジ(代表作『ポコロンダンジョンズ』)、アプリボット(代表作『神式一閃 カムライトライブ』)、ジークレスト(代表作『夢王国と眠れる100人の王子様』)からオリジナルIPタイトルが合計5本リリース予定。Cygamesは、昨年のTVアニメ放送でも話題を呼んだ『ウマ娘 プリティーダービー』のリリースを控えている。

(出典)2019年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p22

 すでに、マルチ対戦の陣取りアクションゲーム『リンクスリングス』(開発・提供元:サムザップ)が2019年5月30日にリリースされている。事前登録100万人、リリース後も早々に100万ダウンロードを突破した同作だが、セールスランキングは最高77位止まり。評価は★4以上と一定の支持があるなか、今後のゲーム内改修やプロモーション施策による巻き返しが注目される。

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