カプコン 2020年3月期 第1四半期:好採算のDL販売が伸長し利益項目が過去最高を達成

【Topics】
■ すべての利益項目で四半期開示以来の過去最高を達成
■ 既存タイトルが売れ続けたほか、好採算のDL販売が伸長
■ 『戦国BASARA』の新作アプリは一時TOP30入りに

 

決算概要

 株式会社カプコンは、8月1日に2020年3月期 第1四半期の連結業績(2019年4月1日~6月30日)を発表した。

 第1四半期の累計業績は、売上高179億3,800万円(前年同期比4.3%増)、営業利益77億300万円(前年同期比50.8%増)、経常利益76億9,900万円(前年同期比40.2%増)、当期純利益54億2,000万円(前年同期比38.9%増)となった。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算補足資料 p3

 第1四半期は、安定した成長を続けるデジタルコンテンツ事業において、前年度にヒットした既存タイトルが売れ続けたほか、好採算のダウンロード販売が伸長し、利益を大きく押し上げた。

 この結果、第1四半期決算としては、すべての利益項目で四半期開示以来の過去最高を達成した。

 

事業状況

 カプコンは、大きく分けてデジタルコンテンツ事業、アミューズメント施設事業、アミューズメント機器事業、その他事業の4つからなる。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算補足資料 p4

 

デジタルコンテンツ事業

 主力のデジタルコンテンツ事業は、売上高139億7,700万円(前年同期比1.4%増)、営業利益はリピートタイトルの寄与などにより77億3,300万円(前年同期比34.8%増)となった。

 有力タイトルの投入サイクルが端境期となったことにより新作ソフトの発売が移植版タイトルなどの少数にとどまったものの、前期にヒットした『バイオハザード RE:2』や『デビルメイクライ5』がユーザー層の拡大により続伸したほか、同じく旗艦タイトル『モンスターハンター:ワールド』も根強い人気に支えられ息が長い売行きを示した。

 これらのリピートタイトルが利幅の大きいダウンロード販売の伸長により利益を大きく押し上げたようだ。また、海外比率は87.4%、DL比率は73.6%だった。なかでもDL比率の上昇が顕著で、2017年度の第1四半期が56.0%に対して、20%も上がっている。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算補足資料 p7

 モバイルコンテンツは、2019年6月24日に『戦国BASARA バトルパーティー』がリリース。一時App StoreセールスランキングでTOP30入りを果たしたが、その後は緩やかに下降。人気IPかつ積極的なメディアミックス展開を打ち出しているシリーズのため、今後の改修と施策次第で持ち直しの可能性もあるだろう。

▲『戦国BASARA』の世界観をもとにした、スマートフォン向け“戦国英雄(HERO)育成チームバトル”。シリーズ通して爽快感抜群のアクションゲームだが、今作に関しては育成要素を兼ね備えたRPGタイトルになっている。マネタイズと手軽なバトルシーンは中華系アプリを彷彿とさせる。
▲『戦国BASARA バトルパーティー』のリリースから1ヵ月後のApp Storeセールスランキングの推移。リリースと同時にTOP30入りを果たしたが、その後は緩やかに下降。定期的にガチャ施策を展開しているが、あまり上昇は見られない。(出展:AppAnnie)

 

アミューズメント施設事業

 アミューズメント施設事業は、売上高27億1,000万円(前年同期比13.8%増)、営業利益2億9,900万円(前年同期比108.2%増)となった。

地域間競争が激化する状況のもと、多様な顧客に対応したゲーム機の設置やサービスデーの実施、各種イベントの開催などによりリピーターや中高年齢者、女性、親子連れに加え、訪日外国人(インバウンド)など幅広い客層の取り込みに努めてきたという。

 なお、当核期間の出退店はなかったため、施設数は前期末と同じく37店舗となっている。

 

アミューズメント機器事業

 アミューズメント機器事業は、売上高2億2,500万円(前年同期比40.1%減)と減収になったが、営業利益は1億3,300万円(前期は営業損失1億5,400万円の赤字)と小幅ながら黒字に転換した。

 遊技機市場は、市況回復の足取りが鈍い環境のもと、パチスロ機部門は新機種の投入がなかったため、主にライセンスアウトによる事業展開を行っていたとのこと。

 

その他事業

 最後にその他事業。主なものはライセンス許諾によるロイヤリティ収入やキャラクターグッズ等の物品販売で、売上高は10億2,500万円(前年同期比54.4%増)、営業利益6億4,000万円(前年同期比55.6%増)となった。

 

見通し

 2020年3月期の連結業績予想(2019年4月1日~2020年3月31日)は、売上高850億円(前年同期比15.0%減)、営業利益200億円(前年同期比10.2%増)、経常利益195億円(前年同期比7.2%増)、当期純利益140億円(前年同期比11.5%増)としている。

 今後の見通しとしては、ダウンロード販売の強化やリピートタイトルの拡販などにより、デジタルコンテンツ事業の継続的な成長を図るという。

 そして、第2四半期には、全世界で大ヒットを記録した『モンスターハンター:ワールド』の大型拡張コンテンツ、『モンスターハンターワールド:アイスボーン』 が2019年9月6日に発売予定だ。新たな舞台となる「渡りの凍て地」と、そこに生息する新モンスター、新アクション「クラッチクロー」など、続編と呼んでも過言ではないほどのボリュームを備えている。

 なお、本コンテンツをプレイするには『モンスターハンター:ワールド』ゲーム本編(製品版)が必要のため、既存プレイヤーによる購入が予想される。DL本数比率が高いのは、そのためであろう。

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