ミクシィ 2020年3月期 第1四半期:モンスト低迷で大幅な減収減益 セガゲームスからコトダマンを譲受

【Topics】
■ 『モンスト』のアクティブユーザー数とARPU低下により大幅な減収減益
■ 足元の『モンスト』リバイブ施策は功を奏し、MAUが昨年水準を上回る
■ セガゲームスの『コトダマン』を譲受。自社ノウハウを活かし成長加速へ

 

決算概要

 株式会社ミクシィは、8月9日に2020年3月期 第1四半期(2019年4月1日~6月30日)を発表した。

 第1四半期の累計連結業績は、売上高207億8,000万円(前年同期比39.9%減)、営業利益は16億3,700万円(前年同期比85.2%減)、経常利益は16億8,300万円(前年同期比84.7%減)、純利益は11億3,400万円(前年同期比84.4%減)と大幅な減収減益となった。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 p5

 販管費の推移では、外注費が前年同期比で増加している。これは主に、『モバイルボール』及びその他新規事業の開発中止に伴い、BS(貸借対照表)の「その他資産」に計上していた開発費などを⼀括で費用に振替えたことによるものとのこと。また、チャリロト社の連結に伴い、「のれん償却費」が発生している。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 p7

 

事業状況
エンターテインメント事業

 『モンスターストライク(以下、モンスト)』を主力とするエンターテインメント事業は、第1四半期累計でセグメント売上199億7,000万円(前年同期比38.9%減)、セグメント利益41億7,200万円(前年同期比68.4%減)となった。

 国民的IP化を掲げている『モンスト』では、引き続き、他社IP や異業種とのコラボレーション、「XFLAG PARK」などのイベントや関連グッズの製作、オリジナルアニメの配信や劇場版公開など、IPを活用した事業も運営している。

 前年同期と比較してアクティブユーザー数とARPU(1ユーザーあたりの平均収益)が低下したことにより売上高が減少。

 現在、運営5年目を歩んでいる『モンスト』では、新プロデューサー主導で短期及び中長期の戦略を作成し、改革に繋がる施策を進めているという。こうしたリバイブ施策は短期でのV字回復(収益復調)を狙うが、中長期的には「モンストブランド」の提供価値最大化を目指している。

 ちなみに第1四半期では、新キャラクターに連動したサスペンスコンテンツを企画し、「超・獣神祭」の新限定キャラクター「シャー ロック・ホームズ」の魅力を引き出すための施策を展開したところ、キャラクターの売上にも寄与したという。そのほか、引き続き人気IPとのコラボや、特定の場所に訪れるとアイテムが貰える「モンスポット」を活用した企業コラボなどを実施。

 スポーツ領域では、プロスポーツチーム経営、公営競技関連事業への投資を行っている。プロスポーツチーム経営では、2017年8月にパートナーシップ契約を締結したB.LEAGUE所属「千葉ジェッツ」と2019年4月に戦略的資本業務提携を行い、株式取得に向けクロージング作業を推進している。また、「FC東京」や「東京ヤクルトスワローズ」に対してマーケティングパートナーシップを締結し、両社のマーケティング支援を行っている。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 p16

 公営競技関連事業では、2019年2月にインターネットで競輪およびオートレースに投票するサービス「チャリロト.com」を提供する株式会社チャリ・ロトの全株式を取得し、共同で新たなサービスの開発を進めている。

 そして、アニメーションスタジオTRIGGER社と共同製作の長編アニメーション作品「プロメア」を2019年5月24日に公開。国内観客動員数は50万人を超え、世界62の国と地域での配給も決定した。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 p20

 

ライフスタイル事業

 ライフスタイル事業では、家族向け写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」が、2019年6月に利用者数500万人を突破。同アプリでは、2019年4月に機能を充実化させた月額課金制のプレミアムサービスを開始するなど、マネタイズの強化を行っている。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 p22

 また、2019年6月にはスマホフォトプリント事業などを手掛け、年賀状アプリサービスの領域においてトップクラスの注文枚数を誇る株式会社スフィダンテを子会社化した。「家族アルバム みてね」と株式会社スフィダンテの年賀状アプリの双方の事業アセットを活かし、共同で事業開発を推進していくとしている。

 前年同期と比較して、前期の株式会社Diverseの全株式譲渡等の影響により売上高が減少している。この結果、当事業の売上高は8億1,000万円(前年同四半期比56.2%減)、セグメント損失は2億7,200万円の赤字(前年同四半期はセグメント損失4億2,400万円の赤字)となった。

 

見通し

 2020年3月通期の業績予測は、売上高1,000億円(前年同期比30.6%減)、営業利益500億円(前年同期比87.8%減)、経常利益500億円(前年同期比87.8%減)、当期純利益300億円(前年同期比88.7%減)を見込んでいる。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 p8

 エンターテインメント事業では、前述しているように、主力『モンスト』のリバイブ施策(短期的戦略)と中長期戦略の軸で改革を進めている。

 リバイブ施策では、周年カウントダウン(7-9月)、6周年(10月)、年末年始(12-1月)というキータイミングに合わせて、本質的な提供価値(みんなで集まってワイワイ楽しめる体験)を体現し、業績のV字回復を目指しているとのこと。

 すでに第2四半期では、10月の6周年イベントに向けて、7月より周年カウントダウンキャンペーンを開始している。TVCMでは、瑛太さん、成田凌さん、クロちゃんを起用し、大々的に展開。

「モンスト6周年カウントダウン」特設サイト

 キャンペーン内容は、クロちゃんが演じる“モンストプリズン 黒川所長”からゲーム内通貨のオーブが配布されたり、ギフトカードが抽選で当たるTwitter施策を展開したり、10連で初獲得の★6キャラが1体確定となる「1回限り!初ゲ確定ガチャ」など、新規獲得及び休眠復帰を促すものを行っている。こうした施策が功を奏してか、直近のMAUは昨年の⽔準を上回るところまで回復しているようだ。

 そのほか、2019年7月13日・14日に千葉・幕張メッセで開催されたリアルイベント「XFLAG PARK2019」において、人気キャラクターの獣神化発表で「ファンの熱量UP」、さらに入場した一部のユーザーに「オラフラッグ」というゲーム内の特典を付与し、そのユーザーとマルチプレイをすることでオラフラッグが拡散するイベントを実施し、「アクティブユーザーが増加」するなど、具体的に寄与した施策も決算説明資料で言及している。

 新規ゲームでは、モンストIPを使った『モンストドリームカンパニー』を近日配信予定だ。同作は、『モンスト』でお馴染みのキャラクターたちが、それぞれの特徴や能力を活かした職業に就いた姿で活躍する“ひっぱりすごろくゲーム”。

 プレイヤーは、引っ張り操作でライバル企業との「ダイスバトル」などでゴールドを稼ぎ、キャラクターを採用し、最高の企業「ドリームカンパニー」を目指していく。最大4人まで同時に遊べる協力プレイも採用しており、同社では「モンストよりもカジュアルに遊べるゲーム」とコメントしている。

 モンストIPを使った新規ゲームの狙いは、新たなファンを獲得する一方で、『モンスト』の休眠ユーザーの受け皿となることも期待しているとのことだ。

 新しい取り組みとしては、セガゲームスの『共闘ことばRPG コトダマン』を譲受したことだろう。『コトダマン』は、2019年10月末(予定)よりミクシィのXFLAGTMへパブリッシャー変更する。

 『コトダマン』は、2018年4月にセガゲームスがリリースした、文字を組み合わせて「ことば」を作り、敵を攻撃しステージをクリアしていく、「ことば」で闘う新感覚RPG。配信開始から3ヵ月で800万ダウンロードを突破している人気タイトルだ。

 ミクシィの狙いとしては、『モンスト』で培ったノウハウを活かし、機能追加やマーケティングを掛け合わせ、きちんと投資を行っていくことで、より多くのユーザーに同作の魅力を届け、コンテンツとしてさらに発展させることを目的としている。

 今後も魅力的なゲーム素材やIPに対しては、『モンスト』のアセット・ノウハウを活用し、タイトルの成長加速及び事業ポートフォリオの拡充を進めていくようだ。

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