バンナムHD 2020年3月期 第1四半期:トイホビー・ゲーム事業好調につき、売上高は1Q過去最高の実績

【Topics】
■ トイホビー・ゲーム事業好調につき、売上高は1Q過去最高の実績
■ ゲームアプリの売上高は442億円。既存IPタイトルが引き続き貢献
■ 2Qは9月に家庭用ゲームの大型タイトル『CODE VEIN』が発売

決算概要

 株式会社バンダイナムコホールディングスは、8月8日に2020年3月期 第1四半期(2019年4月1日~6月30日)の決算を発表した。

 第1四半期の業績は、売上高1,592億5,100万円(前年同期比5.5%増)、営業利益228億3,000万円(前年同期比27.6%増)、経常利益238億2,900万円(前年同期比22.2%増)、当期純利益169億2,400万円(前年同期比15.6%増)と、第1四半期としては、売上高が過去最高の実績となった。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算短信 補足資料

 要因は、国内外でハイターゲット層(大人層)に向けた商品が好調だったトイホビー事業、国内外のネットワークコンテンツや海外の家庭用ゲームソフトのリピート販売が好調だったネットワークエンターテインメント事業等が好調に推移したことが挙げられる。

 

事業状況

 バンダイナムコホールディングスは、大きく分けてトイホビー事業、ネットワークエンターテインメント事業、リアルエンターテインメント事業、映像音楽プロデュース事業、IPクリエイション事業、その他事業の6つからなる。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算短信 補足資料

 

トイホビー事業

 中期計画の重点戦略の1つとして、ハイターゲット層(大人層)に向けた展開を強化しており、具体的には、ガンプラ(ガンダムのプラモデル)や、コレクターズフィギュアなどの商品が国内外で好調に推移し業績に貢献した。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算短信 補足資料

 地域別では、国内において、ハイターゲット層向け商品に加え、「DRAGON BALL」シリーズ、「仮面ライダー」 シリーズ、「スーパー戦隊」シリーズなどの玩具や、食玩、ガシャポンなどの玩具周辺商材が人気となった。

 海外では、アジア地域において、ガンプラをはじめとするハイターゲット層向け商品に加え、子ども向けの「ウルトラマン」シリーズの商品が人気。欧米地域では、従来からの子ども層に向けた展開に加え、ガンプラをはじめとするハイターゲット層向け商品の販売・マーケティングを強化したという。

 この結果、トイホビー事業の売上高は568億4,200万円(前年同期比12.5%増)、セグメント利益は68億700万円 (前年同期比28.5%増)となった。

 

ネットワークエンターテインメント事業

 ネットワークコンテンツにおいて、「DRAGON BALL」や「ワンピース」、「アイドルマスター」などの主力タイトルが、鮮度の高いイベントの開催など、ユーザーの継続率向上に繋がる施策により、好調に推移した。

 なお、ネットワークコンテンツの第1四半期の売上高476億円の内訳は、アプリ:442億円、ソーシャル:16億円、PC向け・その他:18億円、売上高に占める海外比率:30%だった。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算短信 補足資料

 家庭用ゲームでは、大型新作タイトルの発売はなかったが、『JUMP FORCE』や『ACE COMBAT7: SKIES UNKNOWN』、『ドラゴンボールファイターズ』など、既存タイトルのリピート販売が海外を中心に高い水準を記録。

 第1四半期の家庭用ゲームのリピート販売本数は332万本、フルパッケージ販売のダウンロード比率は56%となった。これについて同社は、「質に対する評価を得たこと、ダウンロードコンテンツの追加販売やイベント開催などのユーザーに向けた継続的な施策による効果」と考えている。

 この結果、ネットワークエンターテインメント事業の売上高は712億2,200万円(前年同期比1.8%増)、セグメント利益は144億3,100万円(前年同期比41.4%増)となった。

 

リアルエンターテインメント事業

 アミューズメント施設向け景品の好調などにより、国内既存店売上高が前年同期比 109.8%と好調に推移。また、スポーツアスレチックの「TONDEMI」など、バンダイナムコならではの体験を楽しめるオリジナリティあふれる新業態の展開を強化したという。業務用ゲームについては、今後投入予定の機器開発を推進。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算短信 補足資料

 この結果、リアルエンターテインメント事業の売上高は216億1,300万円(前年同期比7.6%増)、セグメント損失は3,600万円の赤字(前期は4億7,300万円の赤字)となった。

 

映像音楽プロデュース事業

 「ガールズ&パンツァー」の新作映像の劇場公開を行ったほか、「アイドルマスター」や「ラブライブ!サンシャイン!!」などのパッケージソフト販売、ライブイベント開催などのIPプロデュース展開により、話題喚起をはかり、各IPともに人気となった。しかし、パッケージソフト販売全体では、複数の高付加価値商品の発売があった前年同期とのプロダクトミックスの違いにより、前年同期に及ばなかった。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算短信 補足資料

 この結果、映像音楽プロデュース事業の売上高は91億9,100万円(前年同期比4.1%減)、セグメント利益は13億2,300万円(前年同期比50.6%減)となった。

 

IPクリエイション事業

 映像制作については、40周年を迎えた「機動戦士ガンダム」シリーズなどの第2四半期以降に公開予定の新作映像の制作や、様々な話題の発信によりIPの話題喚起をはかったという。また、IP創出強化に向け、グループ横断での取り組みや、アニメ制作の体制強化などの施策を推進。ライセンス収入については、好調だった前年とほぼ同水準となった。

 この結果、IPクリエイション事業の売上高は32億6,300万円(前年同期比10.7%減)、セグメント利益は11億4,100万円(前年同期比4.9%減)となった。

 

その他事業

 グループ各社へ向けた物流事業、印刷事業、その他管理業務などを行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいるという。その他事業の売上高は73億100万円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益は3億700万円(前年同期比159.0%増)となった。

 

見通し

 2020年3月期の連結業績予想(2019年4月1日~2020年3月31日)は、売上高7,200億円(前年同期比1.7%減)、営業利益700億円(前年同期比16.7%減)、経常利益710億円(前年同期比18.3%減)、当期純利益500億円(前年同期比21.1%減)としている。

 足元の事業は好調だが、世界規模で環境が激変する中、市場や顧客の動向を慎重に見る必要があると考えているという。また、複数の家庭用ゲームの新作大型タイトルを第4四半期の発売で見込んでいる(後述)。さらには、中長期での成長に向けたIP開発や技術研究などの投資については、引き続き積極的に行いたいという。

 ここからは事業ごとの取り組みについて言及している。

 トイホビー事業では、今年が「機動戦士ガンダム 40周年」、2020年が「ガンプラ 40周年」ということで、国内外でガンプラの拡販に取り組んでいるとのこと。7月からは、日本を除く世界23の国と地域で新作アニメ「SD ガンダムワールド三国創傑伝」の配信が開始。三国志をモチーフにした本作は、アジアを強く意識した作品で、ガンプラの拡販もはかっていくとしている。

 また、今後、海外で増えるであろう需要に対応すべく、生産体制も強化。ガンプラは、これまでも静岡の生産拠点バンダイホビーセンターに加え、国内グループ会社での生産や、一部商品においては中国協力工場での生産を行ってきた。

 今回はこれに加え、バンダイホビーセンターの増床と設備増強も実施。増床部分となる新館は2020年秋以降に稼働開始予定で、これによりバンダイホビーセンターにおける生産能力は、現在の1.4倍となる予定だ。

 ネットワークエンターテインメント事業では、家庭用ゲームのワールドワイド向け大型タイトルとして、9月発売予定の『CODE VEIN』に続き、2020年に大型タイトル『ドラゴンボールZ KAKAROT』『ONE PIECE 海賊無双4』の発売を予定している。

▲『CODE VEIN』ゲームシーン

 タイトル開発にあたっては、クオリティにこだわった開発を行い、ダウンロードコンテンツの販売など、ユーザーに向けた施策で、長く楽しんでもらうことを目指すとのこと。

 また、現在、様々な新プラットフォームの投入が表明されている。バンダイナムコの基本的なスタンスとしては、顧客起点で考えるということ、その結果として、ニーズがあれば、あらゆるウインドウにマルチプラットフォームで展開していく旨を語っている。

 同社グループでは、従来のビジネスモデルや常識にこだわることなく、次のステージに向けあらゆる面でCHANGEするという思いをこめた中期(計画)ビジョン「CHANGE for the NEXT 挑戦・成長・進化」を2018年4月より3ヵ年を見据えて推進している。

 中期計画は、中国をグループの重点地域として位置付けているが、その中国におけるグループ全体の第1四半期売上高は、前年同期の35億円に対し、約70億円となっている。

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