DeNA 2020年3月期 第1四半期:減収減益も足元では新作ポケマスが売上Rank1位に 新たな収益の柱に期待

【Topics】
■ ゲーム事業の減収や成長事業の投資で1Qは減収減益
■ 足元では新作『ポケモス』が売上ランキング1位を獲得
■ 任天堂IP『マリカーツアー』は9/25配信。増える新たな柱

 

決算概要

 株式会社ディー・エヌ・エーは、8月8日に2020年3月期 第1四半期(2019年4月1日~6月30日)の連結業績を発表した。

 第1四半期の業績は、売上高313億8,300万円(前年同期比7.5%減)、営業利益23億1,900万円(前年同期比54.6%減)、税引前利益38億6,300万円(前年同期比48.4%減)、当期利益24億4,700万円(前年同期比53.2%減)となり、減収減益となった。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 P.1

 減収の背景は、前連結会計年度中に譲渡を行った株式会社ペイジェントや株式会社DeNAトラベルが連結の範囲外になったことや、ゲーム事業の減収などが原因。一方、50%にも及ぶ減益の背景は、同じくゲーム事業の減益のほか、オートモーティブ事業での成長投資を積極化したことが挙げられる。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 P.3

 

事業状況
(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 P.2

 

ゲーム事業

 ゲーム事業は、セグメント売上高196億9,500万円(前年同期比8.4%減)、セグメント利益は34億400万円(前年同期比27.2%減)となり、ユーザー消費額は、日本国内のブラウザ・アプリ、海外アプリの合算値で396億円だった。

 第1四半期はゲーム事業全体が低調で、売上高は前四半期比でも7%の減少となった。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 P.4

 任天堂との協業タイトルは、イベントやアップデートを継続的に実施し、堅調に推移。なかでも『どうぶつの森 ポケットキャンプ』は直近TOP30を維持しており、『ファイアーエムブレム ヒーローズ』に次ぐ主力タイトルとして数えられる。

▲『ポケ森』2019年8月のApp Storeセールスランキング(出典:App Annie)

 あくまでもApp Storeセールスランキングにおける感触だが、カジュアルユーザー向けにもかかわらず、ガチャ施策やコラボイベントなどを積極的に展開し、マネタイズの機会を設けているようだ。コラボでは、親和性の高いサンリオキャラクターとの施策を段階的に展開したことで、7月~8月のランキング推移にも寄与したようだ。

 とはいえ、新作タイトルの積み上げ、いわば直近リリースされたタイトルにヒットが出なかったため、既存タイトルだけでは補えず、今回のゲーム事業の減収減益となった。

 

スポーツ事業

 スポーツ事業は、セグメント売上高79億5,100万円(前年同期比17.8%増)、セグメント利益26億5,700万円(前年同期比10.6%増)となった。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 P.7

 横浜スタジアムでは、増築・改修が進捗し、2019年シーズンよりその一部の稼働を開始。横浜DeNAベイスターズの主要試合の観客動員数は、球団史上最速で100万に到達した。なお、前連結会計年度においては、バスケットボールチームの運営事業を、2018年7月1日に承継している。

 

オートモーティブ事業

 オートモーティブ事業の売上高は2億9,700万円(前年同期比1074.7%増)、セグメント損失は12億9,700万円(前期は7億400万円の赤字)となった。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 P.9

 タクシー配車サービス「MOV(モブ)」(旧名称:タクベル)は、提供地域や利用の拡大に向けた取り組みを中心に、前年同期比で投資を積極化。現在は、東京都及び神奈川県での実車回数が順調に伸長したほか、2019年7月より大阪府、京都府でもサービスを開始した。なお、兵庫県は秋頃にサービスを開始予定としている。

 

ヘルスケア事業

 ヘルスケア事業の売上高は4億1,500万円(前年同期比21.0%減)、セグメント損失は4億5,400万円の赤字(前期は2億9,300万円の赤字)となった。

(出典)2020年3月期 第1四半期 決算説明会資料 P.10

 ヘルスケア事業では、健康増進や病気予防を目的としたヘルスケア型保険と、AI技術を活用した医療サービス等の開発を行っている。本格的な収益化は数年先となるが、将来の事業展開を見据えた先行投資が行われた。

 

新規事業・その他

 EC事業、ソーシャルLIVEアプリ「Pococha(ポコチャ)」、ライブ配信サービス「SHOWROOM」などを含む新規事業・その他のセグメント売上高は30億6,500万円(前年同期比42.1%減)、セグメント損失は5億3,400万円の赤字(前期は5億2,600万円の赤字)となった。

 

見通し

 2020年3月期通期の業績予想は非開示。

 ゲーム事業では、ポケモンと協業し、DeNAが開発・運営・配信を担当する『ポケモンマスターズ』を、2019年8月29日に日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、韓国語、中国語(繁体字)の8言語で配信を開始した。そして、リリースから翌日のApp Storeセールスランキングで一時1位を獲得。

 本作は、スマートフォンで楽しめるポケモンの新作ゲームだ。主人公であるプレイヤーは、人工島「パシオ」を舞台に、相棒のポケモンとともに冒険に出る。パシオでは、ポケモンとそのトレーナーのコンビは、「バディーズ」と呼ばれており、主人公は様々なバディーズと出会い、彼らを仲間にしてパシオで開催される大会のチャンピオンを目指していく。

 これまでのシリーズと異なるのは、ポケモンはもとより、人物キャラクターであるトレーナーに主軸を置いていること。ガチャから排出されるキャラクターも、ポケモン+トレーナーの組み合わせで手に入るのが、シリーズファンに訴求した形となっている。

▲『ポケマス』リリース日から2019年9月8日までの
App Storeセールスランキング(出典:App Annie)

 最初の話題性、スタートダッシュをかけた育成、コンテンツ消化など、リリース後の垂直立ち上がりは予想を上回る成果だったが、現在はその反動でセールスランキングの順位を落としている。とはいえ、今後ゲーム内イベント、新コンテンツの拡充をきっかけに、DeNAの新たな柱として担うタイトルに十分なりえるだろう。

 なお、売上収益の計上方法は、ユーザーの消費額をすべて売上収益に計上するグロス計上となる。また、IPに関する手数料などを費用で計上している。

 そして、もうひとつの任天堂IPタイトルである『Mario Kart Tour(マリオカート ツアー)』は、リリース日が2019年9月25日に決定。現在は、App StoreとGoogle Playでの事前登録受付を開始している。

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