ネクソン 2019年12月期 第2四半期:メイプルMヒット等、各国の事業成長で増収 主力のアラド戦記(中国版)に陰り

【Topics】
■ 売上は日本や韓国等の事業成長により前期比で増加
■ 日本は新作『メイプルストーリーM』等が収益貢献
■ 主力の中国『アラド戦記』に陰り。ユーザー指標改善を講じる

 

決算概要

 株式会社ネクソンは、8月8日に2019年12月期 第2四半期(2019年1月1日~6月30日)の連結業績を発表した。

 第2四半期の連結業績は、売上高1,469億4,200万円(前年同期比6.2%増)、営業利益655億8,800万円(前年同期比7.3%減)、税引前利益838億9,500万円(前年同期比3.5%減)、当期純利益725億4,500万円(前年同期比8.0%減)となった。

(出典)2019年12月期 第2四半期 決算説明会資料 p8

 主要外貨に対する円高が進行したことで為替のマイナス影響を受けたものの、韓国、日本、北米、その他地域事業の成長により売上収益は前年同期比で増加した。

 第2四半期の地域別売上構成比では、中国が39%、韓国が36%、日本が9%、北米が7%、欧州及びその他の地域が9%となった。また、プラットフォーム別の売上構成比率では、PCが71%、モバイルが29%と、変わらずPCオンラインゲーム事業が好調だ。

 

事業状況

 ネクソングループの事業セグメントは、大きく分けてPCオンライン事業、モバイル事業のふたつからなる。さらにグローバルでタイトルを展開していることから、本稿では各主要国にフォーカスをあてて事業を振り返っていこう。

(出典)2019年12月期 第2四半期 決算説明会資料 p10

 中国では、主力PCオンラインゲーム『アラド戦記(海外名:Dungeon&Fighter)』に対して労働節アップデート及び11周年アップデートを実施。為替によるマイナス影響を受け、売上収益は前年同期比で減少したが、為替の影響を除くと、高い水準値の前年同期との比較でも微減となった。

 韓国では、『EA SPORTS™ FIFA ONLINE 4』(以下、FIFA ONLINE 4)がサービス移行のマイナス影響を受けた前年同期との比較で大きく成長したことに加えて、主力PCオンラインゲーム『メイプルストーリー』が成長したことから、PCオンライン事業の売上収益は前年同期比で増加した。

 モバイル事業は、『OVERHIT』及び『AxE』などが前年同期比で減収した一方で、『EA SPORTS ™ FIFA ONLINE 4M』(以下、FIFA ONLINE 4M)や、第2四半期連結会計期間に配信を開始した『TRAHA』及び第1四半期連結会計期間に配信を開始した『Lyn:The Lightbringer』などからの増収寄与により、モバイル事業の売上収益は前年同期比で増加。

(出典)2019年12月期 第2四半期 決算説明会資料 p11

 北米は、『Choices:Stories You Play』(以下、Choices)が前年同期比で減収した一方で、『OVERHIT』、『Darkness Rises』、『メイプルストーリーM』、『AxE』からの増収寄与により、売上収益は前年同期比で増加した。

 そして日本では、『OVERHIT』及びモバイルブラウザゲームからの売上収益が前年同期比で減少した一方で、第2四半期連結会計期間に配信を開始した『メイプルストーリーM』及び『メイプルストーリー2(PC向けタイトル)』、また前第3四半期連結会計期間以降に配信を開始した『真・三國無双斬』、『FAITH(海外名:AxE)』及び『DarkAvenger X』からの寄与により、売上収益は前年同期比で増加。

 ここからは全体の費用面について言及していこう。

 費用面では、主に『FIFA ONLINE 4』及び『FIFA ONLINE 4M』などに係るロイヤリティ費用及びモバイルゲームのラインナップ増加に伴いクラウドサービス費用が増加した結果、売上原価は前年同期比で増加した。販売費及び一般管理費は、前第2四半期連結会計期間に新たに連結子会社となったNAT GAMESに係る研究開発費の増加、モバイル事業の成長に伴うプラットフォーム費用の増加などにより、前年同期比で増加。

 その他の収益は、NAT GAMESの連結子会社化に伴う段階取得に係る差益を計上した前第2四半期連結会計期間との比較であったことから、前年同期比で減少した。その他の費用については、当第2四半期連結会計期間において使用権資産や前払ロイヤリティなどに係る減損損失を計上した影響により前年同期比で増加。

 また、外貨建ての現金預金などについて為替差益が発生したが、前年同期で計上した為替差益の金額を下回ったことから、金融収益は前年同期比で減少した。

 

見通し

 見通しでは、通期の連結業績予想を算出することが困難とし、翌四半期(2019年12月期 第3四半期)の連結業績予想をレンジ形式により開示している。

(出典)2019年12月期 第2四半期 決算説明会資料 p13

 第3四半期の連結業績予想は、売上収益1,985億3,800万円~2,029億1,000万円(前年同期比4.4%減~2.3%減)、営業利益861億7,400万円~899億9,400万円(前年同期比8.8%減~4.7%減)、税引前利益1,076億4,400万円~1,114億6,400万円(前年同期比3.5%減~0.1%減)、四半期利益943億6,900万円~975億2,800万円(前年同期比6.7%減~3.6%減)としている。

 韓国では、サービス移行のマイナス影響を受けた前年同期との比較による『FIFA ONLINE 4』及び『FIFA ONLINE 4M』の増収や『TRAHA』及び『Lyn:The Lightbringer』からの寄与を見込むものの、過去最大規模のアップデートの好影響により過去最高の四半期売上収益を記録した前第3四半期連結会計期間との比較となる『メイプルストーリー』や『KAISER』、『OVERHIT』及び『AxE』などの減収により、売上収益は前年同期比で減少を見込んでいる。

 中国では、7月2日の大型アップデート実施後、好調に推移しているモバイルゲーム『KartRider Rush Plus』からの寄与を見込む一方で、主力PCタイトル『アラド戦記』の売上収益が減少することが見込まれるという。

 昨年の『アラド戦記』は、6月の10周年アップデートの好影響を受け、とりわけ好調な状態で第3四半期を迎え、国慶節アップデートも好調に推移した。

 一方で、今年はユーザートラフィックなどに重要性のある6月の11周年アップデートにおいて期待していた効果が得られなかったこと、また同様に、7月に開始した夏季アップデートでも期待の効果を得ることができていないことなどから、対前年同期で課金ユーザー数及び課金ユーザー1人あたりの平均月間売上高(ARPPU)の減少や国慶節アップデートにおける売上収益の減少などが予想され、前年同期比で売上収益の減少を見込んでいるようだ。

 現在は、同社が持つオンラインゲーム運用のノウハウを活かして、ユーザー指標改善のための施策を講じることで、ユーザー指標の回復を行っていく計画を進行している。オンラインゲ―ム事業は長期運用計画に基づいたコンテンツアップデートの内容や性質、またアップデートの効果に応じて売上収益をはじめとするユーザー指標が上下する。

 当第3四半期連結会計期間の売上収益は、前年同期比で減少を見込んでいるが、今後も長期安定運用を基本方針として『アラド戦記』の運用を行っていくようだ。

(出典)2019年12月期 第2四半期 決算説明会資料 p16

 日本では、『メイプルストーリーM』、『メイプルストーリー2』、『FAITH』などからの寄与を見込む一方で、『OVERHIT』、『真・三國無双 斬』、モバイルブラウザゲームの減収により、売上収益は前年同期比で減少することを見込んでいるようだ。

 費用面では、『メイプルストーリーM』や『Darkness Rises』のグローバルサービスなど、新作タイトルに係る広告宣伝費が発生した前第3四半期連結会計期間との比較で広告宣伝費の減少を見込んでいる。

 また『FIFA ONLINE 4』、『FIFA ONLINE 4M』、『TRAHA』などのパブリッシングタイトルの増収に伴うロイヤリティ費用などの増加を見込む一方で、モバイル売上収益の減少に伴い支払手数料の減少が見込まれることから、変動費の減少を見込んでいるようだ。

 ネクソンが現在リリースを予定しているパイプラインは下記の通り。

(出典)2019年12月期 第2四半期 決算説明会資料 p20

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