アメリカの調査会社Sensor Towerは、2021年7月の世界のApp StoreとGoogle Playにおける中国のスマホ向けゲームアプリのパブリッシャーにおけるセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。
2021年7月、世界のアプリ別データについては既報の通り。
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Sensor Towerによると、2021年7月は中国の36社が世界のスマホゲームパブリッシャーTOP100に入り、合計で約23億9,000万米ドル(約2,613億円)を売り上げた。
これはTOP100にランクインしたパブリッシャーのうち、総売上の39.1%を占める割合。なお、本データはパブリッシャーの収益のみをカウントしており、中国におけるサードパーティのAndroidチャネルは含まれていない。
また、中国におけるパブリッシャー別のセールスランキングは以下の通り。
NetEaseの売上高は、『夢幻西遊』、『荒野行動』、『率土之滨』といったタイトルが収益を伸ばしたことにより、前年同期比10%増となった。 その中でも、日本でもリリースされ、大ヒットしているバトロワ『荒野行動』は、22%増を記録している。
アプリ分析ツール「LIVEOPSIS」のイベントカレンダーで確認すると、国内では7月上旬にApp Storeのセールスランキングで首位を獲得しているのがわかった。増収にはこの時期(6月末~7月中旬)に開催されていた「エヴァンゲリオン」コラボが大きく寄与したと考えられる。
『原神』は7月21日に大型アップデートVer.2.0を配信し、すぐにアジア、ヨーロッパ、アメリカの多くの国でセールスランキングのトップを獲得。これに牽引されて、miHoYoの売上高は前年同期比56%増となり、今期3位に返り咲いた。
『パズル&サバイバル』の海外での好成績や、新作の3DRPG『斗羅大陸:魂師対決』※などにより、37GAMESの7月売上高は前年同期比13%増の6位にランクイン。
※『斗羅大陸:魂師対決』……中国で人気の小説「斗羅大陸」を基とし、アニメーションなどを手掛けるテンセントから許諾を得て制作されているIPタイトル。
Elexは、今年4月に新作ストラテジーゲーム『ウォーキングデッド:サバイバー』のサービスを開始(日本では2021年Android版が6月23日、iOS版が7月5日)。 リリース以降、着実に収益を伸ばしており、7月の収益は前年同月比17%増となり、24位にランクインした。 このゲームの収益のTOP3は、アメリカ、ドイツ、日本で、それぞれ34.7%、7.2%、7%の割合を占める。
TOP30のパブリッシャーにおける7月の総売上高は、前年同月比21.4%増。このうち、海外市場からの収入は27.7%増加し、その割合は前年同月の48.7%から今期は51.3%に増加した。中国メーカーにとって主要な市場である米国、日本、韓国は、海外売上高のそれぞれ29.4%、26%、7.3%の割合となる。また、東南アジアやトルコなどの新興国市場からの収益も昨年に引き続き高い成長を維持。
Sensor Towerはこれらのデータから「企業の規模を問わず、中国にとっての海外市場は会社が成長を遂げるための重要な収入源となっており、スマホアプリ市場の収益の半分以上を占めている。」と分析。
現在、『原神』がグローバルで成功し、テンセントが『白夜極光』をリリースしたことで本格的に日本で人気の2D表現(アニメ調)タイトルに力を入れ始めたことに加え、37GAMESの『パズル&サバイバル』やMagic Tavernの『Project Makeover(プロジェクト・メイクオーバー)』など、マッチ3ゲーム等ほかの分野に関しても中国メーカーが目覚ましい成果を上げている。
これらのように、アメリカや日本、韓国といった市場を見据えたタイトルがリリースされ、海外進出のプロセスが深まるにつれて、中国企業の海外での影響力はさらに高まっていくと考えられる。
なお、中国国内では、夏のイベントを多数開催し、電気自動車メーカー「Tesla」とのコラボを実施したテンセントの『PUBG MOBILE』が7月の収益を80%増加とし、サービス開始以来、昨年3月に次いで歴代2番目に高いセールスを記録した。
37GAMESの『斗羅大陸:魂師対決』は、7月22日にパブリックベータ版をリリースした後、一時中国のセルランTOP10に入り、最終的に18位に位置している。
また、この期間に大きく成長したタイトルは、『Call of Duty Mobile』となった。 期間中、『少女前線』(日本版タイトル:ドールズフロントライン)とのコラボイベントを開催(日本未開催)したことにより、7月の売上が前月比53%増を記録した。