日経BPより、ビジネス書『カワイイエコノミー』が1月6日に発売された。著書はスマホ向けアプリや家庭用ゲーム事業などで知られるフリューの「ガールズトレンド研究所」所長・稲垣涼子氏。
稲垣氏は2006年に『姫と小悪魔』、2007年に『美人-プレミアム-』、2009年に『Lumi』などのプリントシール機のヒット商品を次々と企画。特に『美人-プレミアム-』は被写体の目を大きく、可愛らしく盛ってくれる“デカ目”にする機能を搭載した先駆けとなった作品とも言われている。
2012年に「ガールズトレンド研究所」を立ち上げた稲垣氏は、女子高生・女子大生についての調査・研究を本格化。そんな稲垣氏の10年近くに渡る知見が、本書『カワイイエコノミー』にたっぷりと詰まっているというわけだ。
本書によると、キャラクターグッズや洋服、雑貨、動画などあらゆる商品・サービスで「カワイイ」は一大マーケットとなっており、ヒット商品のほとんどに女性の心をとらえる仕掛けが含まれているという。現代人にとって「カワイイ」はマーケットとしても、現象としてもビジネスをする上で知っておくべき要素だと続けられている。
第1章では、ヒット商品は軒並み「自己肯定感」を感じさせるものであるとし、「他者から評価されることも含めた自己肯定感」についてまとめられている。第2章では「流行」を把握する力を持つ方法として、少々過激な表現ながら「流行が終わった合図は、おじさんが参入したら」だと説明。そして第3章にて、具体的な商品のつくり方について言及されている。
どこまでが可愛く、どこからが可愛くないのか。曖昧で定義が難しい「カワイイ」という概念。カワイイを商品やサービスに取り入れることでどのような効果があるのか、そして利益を生むのかを知りたい方は、本書を手に取ってみてはいかがだろうか。