中国スマホゲーム企業の売上TOP30。テンセント、NetEase、miHoYoが引き続き上位にランクイン

 アメリカの調査会社Sensor Towerは、2021年8月の世界のApp StoreとGoogle Playにおける中国のスマホ向けゲームアプリパブリッシャーのセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。

  2021年8月、世界のアプリ別データについては既報の通り。

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 Sensor Towerによると、2021年8月は中国の39社が世界のスマホ向けゲームパブリッシャーTOP100に入り、合計で約24億3,000万ドル(約2,653億円)を売り上げた。この数値は全体の39.4%を占める割合。ChangyouとStarUnionは新作でリスト入りを果たした。

 なお、本データはパブリッシャーの収益のみをカウントしており、中国におけるサードパーティのAndroidチャネルは含まれていない。中国パブリッシャーTOP30は以下の通り。

▲画像は「2021年8月中国手游发行商全球收入排行榜」より

 ランキングではTOP3が安定しており、先月から引き続きテンセント、NetEase、miHoYoがランクインしている。

 注目は、9月1日にVer2.1アップデートが実施された後の『原神』の動きだろう。アップデート実施後、miHoYoの1日あたりのモバイル収益がそれまでのピーク時の1.66倍に達しており、9月末には1周年記念イベントが開催されることからも、ますます目が離せない状況になっている。

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 『斗羅大陸:魂師対決』※、『パズル&サバイバル』、『雲上城之歌』など複数のタイトルが国内外の市場でヒットした37GAMESは、8月の収益が前四半期比45.6%増、前年同期比349.2%増という過去最高記録を打ち立て、世界のスマホ向けゲームパブリッシャーの中でも10位、中国国内で4位という位置にランクイン。

※『斗羅大陸:魂師対決』……中国で人気の小説「斗羅大陸」を基とし、アニメーションなどを手掛けるテンセントから許諾を得て制作されているIPタイトル。

 日本市場から見ると、やはり『パズル&サバイバル』の存在感は無視できない。ゾンビ×マッチ3パズル×ストラテジーの同作は、売上において8月の日本が占める割合は45.4%と大きく、セールスランキングにおいて上位を維持し続けている。

 また、この期間の37GAMES全体の収益のうち、中国のiOSからは33.6%、世界市場からは66.4%と、中国にとっての海外市場が非常に高い割合となった。 そのうち、日本、米国、韓国は、世界市場のトップ3であり、それぞれ25%、12%、10.5%を占める。

 『アークナイツ』は8月に大型イベントを国内外で開催したことで、同作に関連する企業が大幅な増収に。デベロッパーであるHyperGryphの売上は前四半期比73.5%増となり、日本などで配信するYostarは1.5周年記念の施策に伴い、前四半期比33%増となった。

 一方、中国の香港・マカオ・台湾市場におけるパブリッシャーであるX.D. Networkは、24.2%の増収で首位に返り咲いた。『アークナイツ』は8月、PC/コンシューマ向けのFPS『レインボーシックス シージ』とのコラボイベントなども開催した。

 日本では6周年を迎え、中国では5周年を控える『Fate/Grand Order』は、bilibili(ビリビリ)の売上高を前年同期比74%増とし、ランキングで24位に。なお同作は現在、中国にゆかりのあるキャラクターの一部名称が暫定的に変更され、イラストやボイス等に規制が入るなどの動きが見られている。

 Changyouは、8月初旬にカードゲーム『小浣熊百将伝』をリリース。 このゲームが好スタートを切り、パブリッシャー収益が前年比でなんと76倍に増加し、27位にランクインしたとのこと。

▲新作カードゲーム 『小浣熊百将伝』

 今年4月にサービスを開始したStarUnionのストラテジー『ザ・アンツ:アンダーグラウンド キングダム』は、同期間の売上高が前年同期比73%増の1,300万ドル(約14億円)を記録。

 これによりStarUnionは中国パブリッシャーTOP30に入り、全世界の中でも80位にランクインした。同作はアリを率いるリーダーとしてアリ塚を建設するという斬新な要素をオーソドックスなストラテジーに落とし込み、世界市場で新たに受け入れられるタイトルとなった。

   

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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