本稿では、「LIVEOPSIS」で確認できるアプリの中から、無料ランキングで上位に位置し続け、セールスランキングでも上昇傾向を見せる『Project Makeover(プロジェクト・メイクオーバー)』の運用施策を分析し、紹介する。
ブラウザ版の名称は『ビビッドアーミー』
リリース日 : 2019年10月14日
配信:Rivergame
『トップウォー』は、兵士や戦車・施設を合成してレベルアップすることで領地を拡大し、世界制覇を目指す戦略シミュレーションゲーム。
同じ施設、ユニット同士を合体させて強化する直感的なシステムが特徴。基本的には画面に表示される任務に従って操作していくだけで、序盤は迷うことなくプレイできる。
日本国内では、本作を元にした『ビビッドアーミー』(配信:G123)がブラウザ向けのゲームとして運営されている。WEB広告を多数出稿していることもあり、日本国内での認知度は『ビビッドアーミー』の方が高いのではないだろうか。
『トップウォー』はRivergameが運営するスマートフォン向けアプリだが、『ビビッドアーミー』とサーバーを同じくしており互換性がある。
両作の違いは主にスキンの違いにあり、『ビビッドアーミー』はこれまでに多数の作品とコラボ施策を展開している。これまでに「ガールズ&パンツァー 最終章」や「マクロスΔ」などのアニメIPとコラボレーションを実施。キャラクターの見た目こそ違うものの、基本的なゲームシステムは共通である。
なお『ビビッドアーミー』側で登場したコラボキャラクターは『トップウォー』にも互換性のある別名の英雄として登場する(イベントも類似のものが開催される)ため、両作の実装英雄には実質的な差はない模様。
お得感のある週パスを販売
本作の主なマネタイズは、ダイヤの販売となる。ダイヤは英雄招集(ガチャ)のチケットと交換できるほか、体力・コイン・アイテム・レベルアップ材料を購入する際など、さまざまな場面で使用する。
【ダイヤのラインナップ】
・60個(120円)<単価:2円/割引率0.0%>
・120個(250円)<単価:約2.08円/割引率-4.0%>
・250個(490円)<単価:1.96円/割引率2.0%>
・300個(610円)<単価:約2.03円/割引率-1.5%>
・600個(1,100円)<単価:約1.83円/割引率8.5%>
・680個(1,220円)<単価:約1.79円/割引率10.5%>
・1280個(2,440円)<単価:約1.91円/割引率4.5%>
・3280個(6,100円)<単価:約1.86円/割引率7.0%>
・6480個(12,000円)<単価:約1.85円/割引率7.5%>
個数によって割引率はまちまちだが、いずれも初回はダイヤ2倍ボーナス付きとなっているため最初の課金はかなりお得。
ガチャは「普通招集」、「高級招集」、「精鋭招集」、「スキル研究」の4種類。「普通招集」はガチャチケットに相当する普通招集券(1枚につきダイヤ30個)で回すことができ、R~SRの英雄が登場する安価なガチャ。1日に5回無料で回すことが可能。
「高級招集」は高級招集券(1枚につきダイヤ150個)で回すことができ、SR~SSRの英雄が登場する。最高レアリティの英雄を狙うときはこちらのガチャを回すことになる。1日に1回無料で回すことが可能。
「精鋭招集」は精鋭招集券(1枚につきダイヤ400個)で回すことができ、SR~SSRの英雄が登場する。「高級招集」よりも排出されるユニットが絞り込まれており、目当ての英雄の排出率が高め。1日に50回までの制限がある。
なお、英雄もしくは英雄の破片が排出されるガチャには経験値アイテムなども含まれており、確実に英雄が手に入るわけではない。ガチャ以外の英雄獲得手段が多めなので、ガチャ自体の仕様は厳しめということだろうか。
「スキル研究」はスキル券(1枚につきダイヤ30個)で回すことができ、英雄のスキルが排出される。10連で特定のユニット専用のスキルが確定する仕様。
また、定期課金システムも複数存在。2種類の「週パス」は通常よりもかなりお得にダイヤが購入できるため、多くのプレイヤーが課金していると考えられる。
- 「週パス」(250円)
- <初日240個/6日間毎日50個:合計540個>
- 「究極週パス」(610円)
- <初日1400個/6日間毎日600個:合計5000個>
また、ゲームの進行をスムーズにしてくれる各種パスも販売。
「精鋭パス」(1,840円)
【精鋭パスの内容】※30日間有効
- パス期間中、進軍ライン+1
- 月パス有効期間中、暗黒軍団(敵)を攻撃するときの進軍速度+100%
- 毎日無料金貨バンバン宝箱+3
- →使用すると大量の金貨が手に入る。金貨は建造に必要になる。
- 毎日無料Lv.1強化宝箱+6
- →ランダムでユニットの強化部品が手に入る。
- 毎日無料の体力(スタミナ)受け取り+50
- 毎日の商店金貨購入回数+20
- 無料ダイヤ入手の際に広告をスキップできる
「究極永久パス」(2,440円)
【究極永久パスの内容】※購入すると永久に有効
- 進軍ライン+1
- 相性研究ライン+1
- 天賦研究ライン+1
- 高級招集券(ガチャチケット)+50
- 永久パス専用フレーム
- アイコンカスタム機能が解禁
上記のパスは基地の高速発展に有用であるため、早く強くなりたいプレイヤーに訴求していると考えられる。
さらに、プレイヤーのレベルに応じてダイヤをお得に獲得できる仕組みも用意されているなど、継続してログインすることを促す課金コンテンツが多くなっている。
成長基金(2,440円)
【成長基金でもらえるダイヤの内訳】合計14000個
- レベル5:2000個
- レベル10:1000個
- レベル15:1000個
- レベル20:3000個
- レベル25:1000個
- レベル30:1000個
- レベル35:1000個
- レベル40:1000個
- レベル45:1000個
- レベル50:2000個
プレイヤーの最初の課金先として多いと考えられるのは、SSR「ダイアナ」を含むセールパック(120円)だろうか。7,889円相当とされるアイテムが120円で購入できる(ゲーム内でも90%オフと宣伝されている)ため、非常にお得感の高いパックとなっている。最高レアリティの英雄が手に入るほか、大量のリソースを得られるので始めたばかりのプレイヤーに訴求している。
また、本作にはVIPシステムも存在することから、120円のセールパックと併せて課金へのハードルを下げる役割を果たしている。ちなみに、VIPレベル1は120円の課金で解禁できる。
VIPレベルが上昇するとVIP商店が利用可能になるほか、さまざまな恩恵が受けられる。以下、一部を抜粋して紹介する。
【VIPレベル特典の一部】
<VIP1~>
- 金貨生産増加
- 採集速度UP
- 採集積載量増加
→金貨の収集効率が上昇する。上昇率はVIPレベルに応じて上がる。
<VIP2>
- 初級VIPフレーム
→プロフィールで自身の周りに表示する枠のデザインを変更できる。
<VIP3>
- 金貨収集機の高速収穫回数+2
→6時間分の金貨収益を即時で獲得できる機能。VIPレベルに応じて増加
<VIP4>
- 体力(スタミナ)上限増加
- 暗黒軍団(敵)への攻撃力を加算
<VIP5>
- 進軍速度UP
<VIP6>
- 中級VIPフレーム
- 全ユニットの訓練速度加算
- 修理速度UP
<VIP8>
- 体力回復速度UP
<VIP10>
- 高級VIPフレーム
過去には、共通のサーバーでプレイする同じゲームながら、『トップウォー』と『ビビッドアーミー』の間で課金アイテムの値段設定が異なっていた時期あり、一部プレイヤーからは不評を買っていた。簡単に言えば、『トップウォー』の方が一部課金コンテンツの値段が安く、有利だとされていた。だが、2021年5月現在はその値段の違いもなくなっており(ストア手数料程度の差異)、両作の違いはキャラクターデザインの違いだけとなった。
独自のコラボで『ビビッドアーミー』との差別化を図るか
2021年5月には、『トップウォー』初のTVCM及びコラボ施策が実施された。TVCMでは、出川哲朗さん・ほしのディスコさんが出演。
【関連記事】
中国発の人気戦略SLG『トップウォー』新TVCMを放映開始
コラボイベントの内容も、英雄になった出川哲朗さんがゲーム内に実装されるといったもの。『トップウォー』にコラボ英雄が実装されるのは初の事例となる。コラボ期間中、ログインしたらSR「出川哲朗(切れたナイフ)」が手に入った。
また、SSR「スーパーDEGAWA」が手に入るパッケージも販売。
【コラボイベントギフトパックの内容】
- 「スーパーDEGAWAギフト」(2,440円)
- <スーパーDEGAWAの破片×10/紫色経験書×10/レアスキル宝箱×5>
- 「スーパーDEGAWAスキルギフト」(250円)
- <スーパーDEGAWA専用スキル/ダイヤ60個>
この初TVCMおよびコラボイベントを開催したタイミングで、大きくセールスランキングを伸ばす結果となった同作。
多数のコラボ施策展開による認知度向上の前例は『ビビッドアーミー』が示しているところ。ただ、『ビビッドアーミー』がアニメ、漫画、ゲーム作品などをメインにコラボしている(過去に「エガちゃんねる」とコラボしているが)のに対し、『トップウォー』はリアル調のデザインを生かしたコラボを展開する方針なのかもしれない。
今後、本作独自のコラボ施策を展開することで、『ビビッドアーミー』とは別の方向性で住み分けが進むことはもちろん、異なるターゲット層にリーチできる可能性がある。これからの『トップウォー』が展開する施策に注目だ。
©2020 Rivergame Limited .All rights reserved.