『フィギュアストーリー』分析。こだわりの表現が目を引く放置系タイトル

 スマートフォン向けアプリゲームの日々の運用とその効果を調査し、ゲーム関連企業へ様々データを提供するSp!cemart(スパイスマート)。世界各国のゲーム事業者に利用されている同社のサービス「LIVEOPSIS (ライブオプシス)」では、ランキング推移とゲーム内施策を一覧で閲覧できる「イベントカレンダー」やTwitterトレンド情報、毎月発行の調査レポートなどが提供されている。

本稿では、「LIVEOPSIS」で確認できるランキング上位タイトルのアプリから、リリース後好調なアプリ『フィギュアストーリー』の運用施策を分析し、紹介する。

    

こだわりの表現が目を引く放置系タイトル

リリース日:6月24日
配信:Nuverse

 『フィギュアストーリー』は、Nuverseが提供するフィギュアを題材としたスマートフォン向けRPG。フィギュアが動き出す世界観で、1/7スケールのキャラクターたちが大冒険へ旅立つ。

 本作のポイントは、キャラクターたちがすべて“フィギュア”として表現されているところ。フィギュアが持つ特有の質感を再現したグラフィックは、本作でしか味わえないものとなっている。

▲フィギュアの質感がリアルに再現されているのがわかる。

 ゲーム内容としては、近年『AFKアリーナ』や『アカシッククロニクル』等、アプリ市場の中でシェアを伸ばし続けている放置系タイトルとなっている。放置している間に経験値が増えている点は、「人の見ていないところでフィギュアたちが勝手に冒険している」という本作の世界観にぴったりで、設定とシステムが噛み合っている印象だ。

▲放置中もフィギュアたちが大冒険を繰り広げている。

 そして、フィギュアのメーカー(属性)やスキル、特性によって組み合わせは多種多様で、戦略性の高い仕組みになっているところも魅力。プレイヤーは「ガラテア」、「天馬」、「シャレッド」、「第九夜」、「スノー・エイ」といったメーカー(属性)と、重装、前衛、支援、火力、術師といった特性の中から5体を選んで編成する。

 キャラクターの配置も重要となる編成は、上手く組み立てれば総合力で上回る相手にも勝てるようになっているため、遊び甲斐がある。

▲戦闘中のカット演出も凝っている。

 そのほか、AR機能を使って撮影などを楽しめるのも魅力的。手元にフィギュアが実在する感覚がゲームへの没入感を高め、自然とキャラクターに愛着がわいてくる。

▲フィギュアたちにダンスを踊ってもらうことも可能。

 ただ、ローカライズの際に翻訳が上手くいっていないのか、ストーリーの内容は理解しにくい。UIやシステムの説明も親切とは言い難く、わかりづらい点が多々あるのは少々もったいないところ。

 

大作のリリースに挟まれながらも好調

 『フィギュアストーリー』はリリース後のセルラン新規ランクインで最高35位、その後も100位台をキープしている。同じく放置系タイトルで2021年6月リリースの作品である『アカシッククロニクル』(最高で19位にランクイン)と比べると控えめな数字ではあるが、前後に大作の『二ノ国:Cross Worlds』、『IDOLY PRIDE』、『ラグナロクオリジン』などが連続的にリリースされていることを含めて考えても、かなり健闘しているといえる。

 そんな本作の、リリース前後の運用施策をおさらいしていきたい。

【リリース前後のトピック】

・2021年3月22日:Twitter公式アカウント開設
・2021年4月21日:クローズドβテスト実施
・2021年4月30日:事前登録受付開始
・2021年6月6日:初の公式生番組
・2021年6月22日:リリース直前生放送
・2021年6月24日:サービス開始

 リリース前は、定番の声優直筆サイン入り色紙や、Amazonギフト券1,000円分×10名などを抽選でプレゼントするTwitterキャンペーンを実施。

 リリースが近づくにつれて報酬の内容を豪華にしていき、開設当初3,000前後だったRT数は、直前期には1万規模のRT数に増加していた。大作アプリに比べると小規模な印象だが、本作の独特の雰囲気がでたWEB広告等で訴求したのか、かなりの注目を集めていることがうかがえる。

 事前登録者数の達成報酬は主にゲーム内通貨とダイヤ(有償石)が用意され、20万人報酬にはキャラクター「レイ」も設定されていた。

【事前登録報酬の一覧】

  • 1万人:コイン50000
  • 3万人:ダイヤ100個
  • 7万人:ダイヤ300個
  • 10万人:ダイヤ500個
  • 15万人:ダイヤ600個
  • 20万人:レイ(最高レアリティ)

 リリース直前生放送では、人気バーチャルタレントの「キズナアイ」が登場。ゲーム内でのコラボレーション情報も公開され、直前期を盛り上げた。

▲もちろん、ゲーム内ではフィギュア化して登場。なお、リリースのタイミングで「キズナアイ」による実況動画も投稿されている。

     

マネタイズはシンプル

 本作の主なマネタイズはダイヤの販売となる。ダイヤはガチャやアイテムの購入、キャラクターの育成状態をリセットする際などさまざまな場面で使用する。

 そして、始めたばかりのユーザーが重宝するのは「初心者限定パック」だろうか。初心者パックは1回限定で購入できるパックで、通常のダイヤパックの内容に加えて豪華なアイテムが付いてくる。

 リリース直後の「キズナアイ」コラボイベント開催中は、「アイちゃん登場パック」(1,220円)も人気。中身はダイヤ680個、限定高級注文券(ガチャチケット)×10、スキンコイン×60、特注ブローチ(VIP経験値)×680といった内容。

 また、ダイヤがお得になる定額課金のVIPパスも存在。

【VIPパスの一覧】

  • ゴールド(1,840円)<購入時:ダイヤ×980、特注ブローチ×980/30日間:ダイヤ×400、FULIスーパーパック、FULIプレミアムパック×1>
  • スーパー(250円)<購入時:ダイヤ×120、特注ブローチ×120/7日間:ダイヤ×200、FULIコレクション×1>

 合計すると通常よりお得なダイヤに加え、フィギュアを入手できる「ピース」や強化素材を獲得できるため、育成や攻略を進めたい場合に役立つものとなっている。

 そのほか人気があるのは定番の「成長基金」(2,440円)だろう。ゲーム進行に応じて還元されるタイプのパッケージとなり、合計でダイヤ41400個が獲得できるため非常にお得。

 累計課金額に応じて特典があるVIPランクも用意されている。VIPランクがあがるとフィギュアの所持上限上昇や経験値アイテム、ゲーム内通貨のドロップ量UP、一部戦闘の挑戦回数増加などさまざまな恩恵を受けられる。全体的に、中国発のタイトルで定番の課金要素はだいたい採用されているという印象。

 ガチャは1回につきダイヤ300個、10連で2700個(1回分お得)が必要になり、10連は1枚スーパー(紫)以上が確定する。

 最高レアリティはプレミア(橙)で、排出確率はプレミア(4.22%)>スーパー(34.00%)>通常(30.00%)>量産(31.78%)となる。

 最高レアリティの排出確率が高めとなっているが、本作はキャラ被りで強化することが前提のつくりになっているため、キャラクターを強くしようとすると、自然と多くガチャを引く必要がある。

 なおフィギュアのメーカーごとに出されるキャラクターを5体に絞ることができる「ウィッシュリスト」機能があるため、狙いのキャラクターを引くことはある程度可能。

 また、本作のスキンはステータスの上昇効果もあるので、見た目の好みに限らず、強いキャラクターにしようとしたときに選択肢に入ってくるものになっている。スキンの購入にはスキンコインを使用する。スキンコインはイベントパックや月間数量限定パック等を購入すると入手できる。スキンは各衣装100~300枚が必要になる。【参考:スキンコイン100枚≒1,220円相当】

    

こだわりぬかれた世界観が魅力

 リリース後は本作ならではの施策として、メインキャラクター「優紀」の実体フィギュアプレゼントキャンペーンを実施していた。

 ゲーム内では現実世界と同じように、各フィギュアに「原作」「製造・販売メーカー」「商品名」「対象年齢」「発売日」などの細かな設定が存在している。その中で「優紀」が販売20周年を迎えたことを記念したキャンペーンだったようだ。ちなみに、「優紀」は、“漫画から火が付き、他のプラットフォームにも派生した作品「ミラクルガール Yuki!」のヒロイン”という設定。実在性が高まる非常に作り込まれた設定は、本作の魅力のひとつとなっている。

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モバイルゲームアプリを専門とする分析会社。モバイルゲーム内運用に関する調査・分析を行うリサーチ事業とコンサルティング事業を展開して、「LIVEOPSIS(ライブオプシス)」というサービス名称で各種ソリューションを提供。サービスに関するお問い合わせは info@spicemart.jp まで。

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