アメリカの調査会社Sensor Towerは、同社のブログにおいて、『Royal Match』の総売上高が全世界のApp StoreおよびGoogle Playで1億ドル(約110億円)を突破したことを発表した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。
トルコのゲーム会社であるDream Gamesの『Royal Match』は、過去6ヶ月間の収益において最も急速に成長しているパズルゲームのひとつ。内容は定番のマッチ3パズルゲームとなっているが、王国の城を再建する建築要素が取り入れられているのが特徴。パズルステージをクリアすることで星が獲得でき、王城を発展させることができる。
筆者がプレイした感想としては、ゲーム性はありふれているものの、動作が軽快で洗練されたデザインとサウンドも良く、ストレスなく遊べるのが魅力に感じた。また、徐々に王城が発展していく様はモチベーションにもつながり(自動で装飾が選ばれるため自由度は低いが)、やめ時を見失う要素として機能していた。
イメージするなら、ストーリー要素の強い『Project Makeover』や『ホームスケイプ』などと、ひたすらステージをクリアしていく『キャンディークラッシュ』といったタイトルの中間あたりに位置する作品だろうか。
そして、コンテニューに使用するコインや、一定時間ステージ開始時に有利になるパック、ライフ上限が上がり、報酬も増える「ロイヤルパス」など、課金コンテンツも豊富。他プレイヤーとライフを送り合える「チーム」機能のほか、ステージクリア数やスコアで競い合う「ランキング」といったオンライン要素もあるため、攻略のために課金も視野に入ってくる仕様。
閑話休題。本作は昨年末にイギリスとカナダで小規模なベータテストを行った後、今年2月末にリリース。8月の時点で、世界で1億200万ドル(約112億円)を売り上げている。
収益が最も高い市場はアメリカで6,700万ドル(約74億円)となり、全体の65.6%を占めた。 第2位はイギリス、第3位は日本で、それぞれ8%、6%の割合。 プラットフォーム別では、App Storeからの収益が63%、Google Playからの収益が37%となる。
また、DL数は累計1,600万ダウンロードを突破。最大の市場であるアメリカでは450万DL(28%)を記録。 2位はイギリス、3位はドイツで、それぞれ7.7%、7%となった。 DL数は、App Storeが47%、Google Playが53%と、収益と比べて両プラットフォーム間であまり差がなかった。
そして、過去6ヶ月間(2021年3月~8月)で本作の収益は9,910万ドル(約109億円)増加し、最も急速に成長しているパズルゲームとなっている。
なお欧米のモバイルゲーム市場でトップクラスに売れているカテゴリーである「パズル」は、過去12ヶ月間に全世界で66億ドル(約7,246億円)を売り上げている。
中でもマッチ3パズルといえば、これまでKingの『キャンディークラッシュ』や Playrix の『ガーデンスケイプ』など、ヒットタイトルを有するメーカーが売上の多くを占めていた。
しかし、今回取り上げたDream Gamesの『Royal Match』は、洗練されたビジュアル面、ゲーム設計、そしてソーシャル要素などが取り入れられたことで、垂直市場となっているマッチ3パズルの中でも頭ひとつ抜け出した形だ。