アメリカの調査会社Sensor Towerは、2021年10月の世界のApp StoreとGoogle Playにおける中国のスマホ向けゲームアプリパブリッシャーのセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。
2021年10月、世界のアプリ別データについては既報の通り。
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21年10月、世界のモバイルゲーム売上高TOPは『Honor of Kings(王者栄耀)』。6周年施策が寄与
Sensor Towerによると今期、世界のモバイルゲームパブリッシャーの売上トップ100社には、合計36社の中国企業が含まれており、合計で23億8,000万米ドル以上を売り上げ、世界のモバイルゲームメーカーの売上トップ100社の40%を占めている(詳細は後述)。
これらのデータはパブリッシャーの収益のみをカウントしており、中国におけるサードパーティのAndroidチャネルは含まれていない。中国パブリッシャーTOP30は以下の通り。

中国のモバイルゲーム会社の売上高上位30社
テンセントは中国における『League of Legends:Wild Rift』のリリースや『Honor of Kings』(王者栄耀)の6周年などにより、2021年10月の収益が前四半期比32%増、昨年同月比23.3%増となり、過去最高を記録した。
『League of Legends:Wild Rift』(リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト)は、世界的な人気を誇るPC向けMOBA『League of Legends』のモバイル版(CS向けの発売も予定)。オンラインで5対5の戦略的なバトルが楽しめる。
灵犀互娱(LINGXIGAMES)は『三国志・战略版』のヒットにより、10月の売上高が前四半期比16%増加した。日本では『三國志 真戦』としてリリースされ好調。そのため、売上高に占める中国以外の売上割合は35.5%と高め。
雷霆遊戯(ライトニングゲームス)が10月20日にリリースした『地下城堡3: 魂之诗』は、発売直後に中国のセルランTOP5にランクイン。同社の放置系RPG『一念逍遥』、経営シミュ『摩尔庄园』(Mole’s World)などに続く3回目のヒット作となる。これにより、同パブリッシャーの収益は前四半期比44%増になり、本ランキングのTOP10に返り咲いた。
沐瞳科技(Moonton)の放置系『Mobile Legends: Adventure』は、日本での6月リリースに続き、10月中旬に韓国市場でリリース。10月末には韓国のセルランTOP5に入った。日本リリースの6月に次ぐ、2番目に高い収益を記録した月となった。
悠星网络(Yostar)は、10月に『アズールレーン』や『アークナイツ』、『ブルーアーカイブ』など多くのタイトルでアップデートを実施。日本市場で売上高を伸ばし、80%増となり、ランキングを7つ上げて16位に上昇。
直近でリリースされたタイトルは、終末期がテーマの『Last Fortress』、アニメ調が売りの『Infinity Kingdom』、中世ヨーロッパの宮廷が舞台の『King’s Choice』など、中国企業が海外進出しやすいシミュレーション系のタイトルが続々と登場しているようだ。
今期、中国のモバイルゲーム企業は売上高において、世界上位100社のうち36社がランクイン。4割弱を中国企業が占める結果となった。

中国のApp Storeにおけるセルランに目を向けると、「2021年10月、世界のモバイルゲーム売上高」でも触れた通り、6周年施策を行う『Honor of Kings(王者栄耀)』と10月8日に中国でもリリースされた『League of Legends:Wild Rift』の2タイトルが好調で、国内ワンツーを飾っている。
『Honor of Kings(王者栄耀)』の中国における売上高は3億2,000万ドル(約367億円)となり発売以来の新記録を達成している。
『League of Legends:Wild Rift』は中国でリリースされるやいなや、全世界の売上高1億800万ドル(約124億円)を記録し、中国リリース前の9月売上の約17倍にのぼる数字を叩き出している。中国における売上の割合は、リリースが他地域より1年遅れたにも関わらず全体の53%を占める結果となっているのだから驚きだ。