アメリカの調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年5月の世界モバイルゲーム市場における中国パブリッシャーのセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。
2022年5月、世界のモバイルゲームパブリッシャーの売上トップ100には中国企業が40社含まれ、合計で約23億ドルの消費を生み出し、トップ100の中で43%を占めた。なお、この数字には中国におけるサードパーティーのAndroid向けストア(TapTapなど)の売上は含まれていない。
全体として、先月のランキングからほとんど変動が見られず、引き続きテンセント、NetEase、miHoYoがトップ3を維持した。
5位にランクインしたLilithGames(莉莉丝)は、5月10日に世界各地の神話を題材にしたターン制RPG『神觉者-Dislyte』をリリースし、初日に米App StoreとGoogle Playにおける無料DLランキングで首位を獲得。このタイトルの好調により、パブリッシャー収入は前年同期比10%増を記録した。
Qingdao Zhenyou(震游科技)のパートナー企業・TOP GAMESによるパズル×ストラテジー『エボニー – 王の帰還』(Evony: The King’s Return)は、2021年下半期以降、高成長を維持。このゲームに牽引され、パブリッシャー収益ランキングでは8位にランクインしている。
12位にランクインしたLong Tech Network(龙创悦动)はゾンビが出現するポストアポカリプス世界を題材にしたストラテジー『Last Fortress: Underground』(日本未サポート)における新キャンペーンが好調となり、前月比33%増の売上を記録。同じくポストアポカリプスがテーマの『ラストシェルター』などほかのストラテジータイトルも堅調に推移し、パブリッシャーの収益は前年同期比2%増となった。
Yostar(悠星网络)は『アズールレーン』、『アークナイツ』、『雀魂 -じゃんたま-』がそれぞれ日本市場で高い収益をあげ、パブリッシャー収入が前年同期比22%増となり2ランクアップの17位に。中でも、世界中の艦船を擬人化したシューティングRPG『アズールレーン』は、5月26日に期間限定イベント「誠閃の剣 搖光の城」を開催し、売上が前年同期比69%増と急増。
なお同期間中、『アズールレーン』を活用したASMR作品の販売数が1万本を突破。ゲーム領域の外でも高い人気を集めている。
ほか、『雀魂 -じゃんたま-』ではTVアニメ「かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-」とのコラボレーション施策を展開。『アークナイツ』は中国本土で3周年を迎えたことにより、開発元(現地では運営・配信も手掛ける)であるHypergryph(鹰角网络)のパブリッシャー収益が前年同期比313%増となった。
ONEMT(龙腾简合)は、中世ヨーロッパの宮廷を舞台にしたシミュレーション『King’s Choice』が安定した収益成長を達成する一方、4月に中国、香港、マカオ、台湾と北米で放置系RPG『少女廻戦』をリリース(日本では2021年7月から配信されている)。これにより、パブリッシャー収益は前年同期比22%増となった。
タイトル別の中国App Storeにおけるセールスランキングでは、テンセントの『王者栄耀』が変わらず首位をキープ。新たにランクインしたタイトルはなかった。
ほか、NetEaseのRPG『陰陽師』とMMORPG『梦幻西游网页版』(梦幻西游のWeb版)は、アップデートや周年施策により、それぞれ前四半期比34%、55%の収益増となった。