NTTドコモ(以下、ドコモ)は、10~40代のeスポーツ動画観戦者400名を対象にした「eスポーツの観戦スタイル動向調査」を実施し、その結果について発表した。
調査によると、eスポーツ動画を視聴する時間が「増えた」と回答した人の割合は7割以上という結果に。家の滞在時間の増加や視聴環境の増加などの環境要因に加え、eスポーツ大会の増加、視聴コンテンツの数や質が向上していることが視聴時間の増加に繋がっているようだ。
1週間の平均視聴時間は「1時間以内」が最も多く、eスポーツ観戦者の79.5%が「切り抜き動画(オリジナルの配信動画から任意のシーンを切り抜き、編集し繋ぎ合わせた動画)を視聴したことがある」と回答。「eスポーツの大会シーンに関する切り抜き動画を視聴したことがありますか」という問いに対して、「視聴したことがある人」は94.1%という結果となった。
eスポーツ大会はYouTubeなどの動画配信サービスにて視聴することができるが、イベントによっては10時間を超えるほどの長尺な内容もある。対して、切り抜き動画では短時間で大会の名シーンやハイライトを効率よく視聴できるため、タイムパフォーマンスを求めるユーザーからの需要が高まっているのだろう。
実際に、ドコモのeスポーツリーグブランド「X-MOMENT(エックスモーメント)」のYouTubeチャネルでは、試合内容を1時間以内にまとめた動画やチーム紹介動画、選手の舞台裏を切り抜いた短編動画が公開されている。
切り抜き動画はまた、大会の盛り上がりを再度体験したいというファンの需要を満たしている側面もあるようだ。「なぜオリジナルの配信動画ではなく、切り抜き動画を視聴しますか?」という質問に対して、調査対象の37.1%が「オリジナルの配信動画での盛り上がりを再体験したいため」と回答。
4割近くの人がオリジナルの配信動画を視聴した上で、さらにその切り抜き動画を視聴していることが分かっている。
「X-MOMENT」がライブ配信した『レインボーシックス シージ』の国内トップリーグ『Rainbow Six Japan League 2022(RJL 2021)』のSeason 1 Day 1の再生数は、92,000回越えを記録(3月28日現在)。再生時間は9時間を超えるほどの長尺だが、大会の模様を生配信で楽しみたいというファンも多い。
ライブ配信と切り抜き動画と、視聴方法が多様化していることもeスポーツファン獲得に繋がっている要因なのだろう。
また、eスポーツ動画と言っても、大会のライブ配信や有名タレント・ストリーマーの実況配信、大会の解説動画、スーパープレイ動画、eスポーツ選手の対談動画など、その種類も多い。eスポーツ市場は今後もファンからの幅広いニーズに対応しつつ、拡大を続けていくことになりそうだ。