2022年4月、中国モバイルゲーム企業のグローバル収益ランキング テンセントが新作RTS『重返帝国』により好調

 アメリカの調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年4月の世界モバイルゲーム市場における中国パブリッシャーのセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。

 2022年4月、世界のモバイルゲームパブリッシャーの売上トップ100には中国企業が38社含まれ、合計で23億ドル(約2,996億円)の消費を生み出し、トップ100の中で41.8%近くを占めた。これは中国モバイルゲーム市場(iOS)として過去最高の数値。なお、この数字には中国におけるサードパーティーのAndroid向けストア(TapTapなど)の売上は含まれていない。

▲2022年4月、世界モバイルゲーム市場における中国モバイルゲームパブリッシャーランキング
 画像はSensor Tower「2022年4月中国手游发行商全球收入排行榜」より

 中国モバイルゲームパブリッシャーのTOP3は先月(関連記事)までと変わらず。

 テンセントから3月29日にリリースされた中世を舞台にしたリアルタイムストラテジー『重返帝国』は、4月に中国App Storeセールスランキングで上位にランクイン。ほか『Game for Peace』(中国版『PUBG Mobile』)の好調もあわさって、テンセントのモバイルゲーム収益はこの期間、前年同期比4%増となった。

 『重返帝国』をアプリ分析ソリューション「LIVEOPSIS」で確認すると、中国モバイルゲーム市場において4月の最高順位は6位となり、10位前後を維持し続けていた。

▲画像はアプリ分析ソリューション「LIVEOPSIS」より

 NetEase Gamesの『ライフアフター』は4月28日に開幕したシーズン4新章「死の花、狂い咲き」により、1日で過去最高のフローを記録。『Fantasy Westward Journey』などの根強い人気も支えとなり、収益は前年同期比15%増となった。

 LINGXIGAMES(灵犀互娱)は4月9日に日本で『オリエントアルカディア』(日本語版『三国志幻想大陆』)をリリースしたことや、『三國志 真戦』(現地タイトル『三国志・战略版』)が世界市場で好調に推移したことにより、今期売上高が前年同期比11%増となり、順位を一つ上げて6位となった。

 Long Tech Network(龙创悦动)のストラテジー3タイトル『ラストシェルター』(守望黎明)『ライズオブエンパイアズ: 氷と炎』、『ラスト エンパイア ウォー Z』が軒並み増収となり、前年同期比12%増を記録。結果、5ランクアップの10位に浮上している。

 Moonton(沐瞳科技)の『モバイル·レジェンド: Bang Bang』は、今年最大のイベントを開催し、「Zilong」の新スキンやライブ配信アプリ「BIGO LIVE」との連動など、多数の施策を展開。期間中の収益は前年同期比19%増となった。Sensor Towerの統計によると、TikTokプラットフォームからのトラフィックも増加しているため、5月のパブリッシャー収益はさらに増加すると見られている。

4399 Gamesは多文明の戦争をテーマにした4Xストラテジー『文明与征服』に続き、4月中旬に中国の台湾、香港、マカオ地域でRPG『秘境傳說:神木遺跡』をリリース。それに伴い、収益は前年同期比で11%増加している。

 Yostar(悠星网络)の『アークナイツ』は日本で生放送「2022春の大感謝祭スペシャル」の配信や、サイドストーリー「ニアーライト」の開催を記念した施策を実施。4月28日の実施直後、日本市場でのセールスランキングでは3位にまで浮上していた。この期間、売上は前年同期比67%増となり、ランキングは8位アップの19位となった。

▲画像はアプリ分析ソリューション「LIVEOPSIS」より
▲なお、同月にはアニメ作品のPVも公開されている。

 そのほか、Tap4Funはマージ+タワーディフェンスのストラテジー『Kingdom Guard』が欧米市場を中心に好調となり、前年同期比10%増という過去最高の売上成長を達成。

 Mattel163も欧米市場においてカードゲーム『Phase 10』や『UNO!™』により堅調な収益を上げ、パブリッシャーランキングのトップ100内にランクインしている。

▲2022年4月、中国App Storeにおけるセールスランキング

 タイトル別の中国App Storeにおけるセールスランキングでは、テンセントの『王者栄耀』が変わらず首位をキープ。

 新規ランクインタイトルには前述の『重返帝国』が入ったほか、ドラゴンハンターとして冒険するファンタジー世界を舞台にしたMMORPG『龙之国物语』がランクイン。

 この作品に牽引され、ZlonGame(紫龙游戏)は前年同期比171%増の収益をあげ、パブリッシャーランキングで17位に上昇した。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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