ゲーマーのライフスタイル調査、約1/4のゲーマーが「ゲームのダウンロード購入」の利用経験ありと回答 

 ゲームエイジ総研は6月23日、ゲーマーのライフスタイルに関する分析として、「ゲームのダウンロード購入」や「ゲームのサブスクリプションサービス」「クラウドゲームサービス」の利用状況についての調査結果を公開した。

 近年、定額課金で多数のタイトルが遊び放題になるマイクロソフトの「XBOX Game Pass」をはじめ、SIEが6月にリニューアルした「PlayStation Plus」、任天堂の「Nintendo Switch Online」における「追加パック」サービスなど、ゲームのプレイ環境はますます多様化。

 そこで、全国10~50代のゲーマー2906人を対象に、「ゲームのダウンロード購入」や「ゲームのサブスクリプションサービス」「クラウドゲームサービス」の利用状況についてインターネット調査が行ったという。調査結果は以下の通り。

 

約1/4のゲーマーが「ゲームのダウンロード購入」の利用経験ありと回答

 ゲーマーに「ゲームのダウンロード購入」「ゲームのサブスクリプションサービス」「クラウドゲームの利用経験」について聞いてみたところ、「いずれも利用したことがない」と回答したユーザーが7割を超えた。日頃ゲームをプレイしているゲーマーは、無料ダウンロードができるゲームアプリやパッケージ購入でのプレイが多く、ゲームソフトのダウンロード販売やサブスク購入などはあまり利用していないという結果に。

 3つのサービス形態のうち、「ゲームのダウンロード購入」の利用経験者は25.3%で、全体の約1/4という規模。

 続いて「ゲームのサブスクリプションサービス」の利用経験、「クラウドゲームのサービス」の利用経験の利用経験を聞くと、いずれも4.3%と低い数値で、ダウンロード購入などに比べると、まだまだ利用率が低いという現状がわかった。【グラフ①】

 

「ゲームのダウンロード購入」の利用満足度は89.2%

 ゲームのダウンロード購入経験者は全体の約1/4と、まだまだ多数派とは言えないものの、利用満足度を聞いてみると「とても満足」と回答したのは17.0%、「満足」と答えたのは72.2%で、合計89.2%と、9割近いゲーマーが満足していることが明らかになった。【グラフ②】

 理由について見ていくと、「簡単で楽」という意見が多数を占め、「店頭にいく手間、探す手間が省けること」(18歳/女性)や、「自宅にいながらいつでも購入できること」(36歳/男性)という意見が挙げられました。また関連して「実店舗のように売り切れ、未入荷がない」(41歳/男性)、「いつでも買える 売り切れがない」(29歳/男性)など、ダウンロード版の優位性である、欠品・売り切れがないというメリットをあげるゲーマーが多く見られた。

 その他、目立ったのが「現物がない」というメリット。具体的には「ソフトのケースなどの場所を取らない。」(15歳/女性)や、「ディスクが邪魔にならない」(48歳/女性)のような意見で、「ディスクの入れ替えが不要」といったメリットも見られた。

 一方、デメリットには「ゲームをしなくなったときに売却出来ない」(32歳/女性)、「飽きた後に売れない」(13歳/女性)など、「中古で売れない」という意見が目立った。パッケージ版のゲームを購入し、クリアしたり飽きてしまったりした場合は中古として売却し、次のゲームの購入費にあてるというゲームリサイクルは、長年続いてきたゲーム業界独特の消費スタイルと言える。そのため中古販売が出来ないことをデメリットに感じているゲーマーが多いものと見られる。

 また、「購入したあとすぐにセールが始まって、かなり損をした」(44歳/男性)という、セールを頻繁に行うことが多いダウンロード販売だからこそ、それをデメリットと感じる意見や、「パッケージがないからコレクション出来ない」(40歳/男性)という、コレクターとしての所有心理を満たすことができないという意見も挙げられた。

 

「ゲームのサブスクリプションサービス」の利用満足度は80.0%

 続いてゲームの「サブスクリプションサービス」について。利用したことがあるのは4.3%とこちらも少数派だが、利用満足度を見ると「とても満足」と答えたのは12.0%、「満足」と答えたのは68.0%で、合計すると利用者の満足度は8割に達する高い数値になった。【グラフ③】

 メリットとして挙げられたのは「気軽に様々なゲームが遊べる」という点。「いろいろなゲームをやり放題」(37歳/男性)、「安価で沢山のソフトが遊べる」(41歳/男性)のように、定額料金さえ支払えば様々なゲームが自由に遊べる点をメリットと感じているようだ。

 一方でデメリットとしては「遊びたいゲームが少ない」(49歳/男性)、「気になるタイトルが少ないとただ割高だと思う」(29歳/男性)のように、タイトルラインナップに対する不満意見が見られた。今後きめ細かくニーズに対応し、ラインナップが充実していけば、サブスクリプションサービスに対するこのような意見も改善されると思われる。

 

「クラウドゲーム」の利用満足度は76.6%

 次に「クラウドゲーム」について。先ほどの「サブスクリプションサービス」と同様、利用経験は4.3%と少数でしたが、利用満足度は「とても満足」と答えたのが10 .5%、「満足」と答えたのが66.1%となった。「ゲームのサブスク」と比較すると満足度はやや下がる傾向ではあるものの、それでも利用者の7割以上が満足と回答している。【グラフ④】

 メリットとして挙げられたのは「ダウンロードが不要で手軽」という点。「手軽に利用できる」(19歳/男性)、「起動が楽」(32歳/男性)といった意見が多く挙げられた。この点はデバイスの性能に依存することが少ない、クラウドゲームの仕組みのメリットが生かされている点と言える。

 一方で、「回線に起因する問題」がデメリットとして挙げられ、「プレイ中遅延を感じた」(43歳/男性)、「画質が安定しなかったりラグが発生した」(51歳/男性)という意見が多く見られた。これらは回線環境が改善されることが必要となるため、今後のさらなる技術革新に伴う通信品質の向上と通信価格の低下により改善される可能性が高い。

 このように、「ゲームのダウンロード購入」「ゲームのサブスクリプションサービス」「クラウドゲーム」など新形態のサービス利用者は、先進性が高いと思われているゲームユーザーの中でもまだまだ少数派ではあるが、利用したゲーマーの満足度は総じて高いということがわかった。

 昨今では、多様なサービスが提供されることによりゲームの消費行動やプレイ環境も日々変化している。パッケージ販売からダウンロード販売への移行など、この流れは今後もさらに一般化し定着していくものと見られる。ゲームマーケットやビジネス形態の変化に伴い、一昔前のパッケージという、言わば「工業製品」に対する支出から、「デジタルデータの価値」に対する消費へ、さらに「ゲームデータの置き場所」や「ゲームの所有」というゲームユーザーの意識や概念の変化も進んでいくと考えられる。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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