米市場調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年上半期のメタバース関連モバイルゲームに関する市場調査データを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計である。
同社の分類による「メタバース」アプリは、2020年に世界のダウンロード数が2億を超え成長率43.5%で推移し、2021年には前年比71.7%増の3億5000万に達した。
売上についても2020年から急増しており、2019年から112%以上増加した12億6,000万ドル(約1,733億円※)を記録。2021年に入っても成長傾向は続き、15億1,000万ドル(約2,766億円)と過去最高を記録した。
※執筆時点での最新取引レートで計算
そして2022年上半期、世界のメタバースアプリは1億7000万ダウンロードを記録し、そのうちゲームは67.3%を占める1億1000万ダウンロード。売上は6億5000万ドルで、その94%をゲームアプリが占めている状況となっている。
メタバースアプリのダウンロード数と売上高をリードしている地域は、2019年以降変わらず米国である。2022年上半期、米国市場でダウンロードされたメタバースゲームアプリは約1400万で、これは2位のブラジルよりも250万本多い数字。
上記の米国、ブラジルに加え、アジアでもメタバースゲームの人気が急上昇しており、ベトナム、インドネシア、インドなど複数の国で同期間に500万ダウンロードを突破し、次の成長へのカギとなることが予測されている。
また、米国市場は2022年上半期、3億ドル(約413億円)近い収益を上げ、市場シェアは48%超に達している。
アジア市場の中では、韓国が最も好調に。Sensor Towerの分析によると、韓国の好調は主に「メタバースゲームが持つ強い社会的属性と、韓国人プレイヤーとの高い適合性によるもの」だという。
タイトル別では、2020年のコロナ禍以降、『Roblox』が最大の市場である米国でダウンロード数と収益を大きく伸ばしている。2022年上半期、『Roblox』は米国、韓国、日本、東南アジアでメタバースのゲームアプリにおけるダウンロード数とセールスランキングの上位を席巻。
特筆すべきは、そのグローバルリーチが、メタバースゲーム全体のユーザー消費額のうち70%を生み出している点である。
次いで、韓国のパブリッシャーであるHAEGINのシミュレーションサンドボックスゲーム『Play Together』 (日本では『一緒に遊ぼう』)がアジア市場で好調に推移し、ダウンロード数で「Roblox」に次ぐ2位を獲得した。
2022年上半期、メタバースに分類されているゲームの多くはサンドボックス型のタイトルで、アートスタイル別では『Roblox』に代表される低多面体3Dスタイルが最も高いシェアとなった。次いで3Dカートゥーン、2Dカートゥーンが多く採用されている。