基本プレイ無料のモバイルゲーム、アクティブユーザーはリリース2ヵ月で6割以上が離脱 2週目の離脱が最も大きい

 ゲームエイジ総研は8月30日、「新作アプリのサービスローンチからユーザー規模が安定化するまでのモデル検証」の調査結果を公開した。調査には、同社のアプリログ自動集計/分析システム「iGage」(アイゲージ)が活用されている。

 基本プレイ無料のゲームアプリにおいて、サービスがローンチした最初の週にどれだけ多くのユーザーを取り込み、ベースとなるプレーヤー数を確保するのかがマーケティング課題となる。また、サービスがローンチした後に「継続ユーザー」の維持、および「新規ユーザー」の流入、そして「離脱ユーザー」をどうやって防ぐのか、一旦離脱したユーザーを再度「復帰ユーザー」として活性化するのかということが次のマーケティング課題として考えられる。

 そこでゲームエイジ総研は2022年6月にリリースされた新作2タイトル『魔法科高校の劣等生 リローテッド・メモリ』と『最強でんでん』のプレイステータス/デモグラ属性の変化を分析。

 その結果、ゲームアプリのアクティブユーザーはリリース2ヵ月で6割以上が離脱しており、2週目の離脱が最も大きいことが明らかに。

 以下、調査結果を掲載。

 

『魔法科高校の劣等生 リローテッド・メモリ』は2週目で9.7万人が離脱

 『魔法科高校の劣等生 リローテッド・メモリ』は、サービス開始の6月27日週に26万人近いウィークリーアクティブユーザー(以下WAU)を獲得したが、その後6週経過した8月第一週には約10万人と、ローンチ時の約40%にまで減少したことが分かる。【グラフ①】

 特に2週目には9.7万人と約38%の離脱者が発生。その後の3週間でも約10万人が離脱している。性/年齢別で確認すると10代、20代男性の減少が大きく、10代男性の数は40代男性と同じ規模まで減少している。【グラフ②】

※セグメントの定義:[継続]は、前週から続けてプレイしているユーザー。[新規]は、今週初めてプレイしたユーザー。[復帰]は、前週はプレイしていなかったが、前々週以前にプレイしており、今週はプレイしているユーザー。[離脱]は、前週はプレイしていたが、今週はプレイしていないユーザーを指す。

 

『最強でんでん』は2週目で20万人が離脱

 次に、その独特な世界観と、大規模な広告施策が話題になった『最強でんでん』は、配信週である6月6日週に約34万人のユーザーを獲得したが、2週目の6月13日週には約20万人の離脱者が発生。その後、4週目以降は離脱者を抑制できているようだが、残念ながら新規ユーザーの獲得が進まず、結果的に9週目にあたる8月第1週のWAUは8万人弱と、配信週の23%にまで縮小している【グラフ③】。

 性/年代別にみると、配信週は10代男性が最も多く、約9万人を獲得したが、逆に減少率も最も大きく、8月1週には1.2万人に減少し、30代男性が約2万人と最も多くなっている。【グラフ④】

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 今回は、6月の新作アプリから2タイトルをピックアップし、ファクトデータに基づいた約2ヵ月間のアクティブユーザーの変化を紹介するに留めるが、多くのゲームアプリで、ローンチ2週目には[離脱]が[新規]を上回り、アクティブユーザー数は減少トレンドに向かい、概ね8週~12週あたりで[継続ユーザー]数が安定するという傾向がみられる。

 サービス提供者/運営元にとって重要なのは、この変化の要因は何なのか、その背景でユーザーはどのように[継続][離脱][復帰]の意思決定をおこなっているのかを理解することだろう。

 過去にゲームエイジ総研が行ったいくつかのタイトルの離脱要因分析でも、「原作と乖離している」「最初思っていたゲームと違っていた」といった失望型や、類似ジャンルのゲームとの差別化、ゲームシステムの斬新さ不足、エンゲージメント施策が不発など、様々な要因が重なり、SNSやインフルエンサーが不活性のまま、結果的にダウンロード数を大きく左右する[ストアレビュー]も低迷するといったループに陥ったケースが見られた。

 最後に、ゲームエイジ総研は「長期運営型のモバイルゲームのビジネスにおいて、サービス開始前の受容性、ターゲティングの確認だけではなく、継続動機や離脱要因を分析し、ユーザーにきちんと向き合うことが重要ではないでしょうか」とまとめた。同社は今後も「ゲームがローンチした後、アクティブユーザーの規模が減衰する傾向と理由」を、デモグラ/プレイステータスデータに基づいて科学していくとのこと。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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