data.aiは11月7日、同社のブログにおいて、モバイルゲームIPについて調査したデータを公開した。モバイルにおいて過去10年間、ダウンロード数や月間アクティブユーザー数(MAU)などから、最もユーザーベースを拡大したIPタイトルは「マイ・トーキング・トム」(MY TALKING TOM)だと結論付けている。
スロベニアのゲーム開発会社Outfit7の「マイ・トーキング・トム」は、バーチャルペットアプリとして世界で人気を博しているフランチャイズ。一作目は2010年に『おしゃべり猫のトーキング・トム』(TALKING TOM CAT)がリリースされている。この作品では、プレイヤーがモバイル端末のマイクに向かって話しかけると、トムがその言葉を返してくれるという機能を備えており、ヒット作となった。
その後、新しいキャラクターや新しいゲーム体験を生み出しフランチャイズを拡大させ、『マイ・トーキング・アンジェラ』や『マイ・トーキング・トム フレンズ』など現在は20以上のタイトルがリリースされている。
data.aiによると、これらのポートフォリオにより、Outfit7は100億以上のアプリダウンロードを記録。『アングリーバード』、『キャンディークラッシュ』、『PUBG MOBILE』といった他の著名タイトルを抑え、過去10年間(2013年~2022年)で最もダウンロードされたモバイルゲームのIPになったという。
2022年における現時点(1月~9月)では、『マイ・トーキング・トム2』は世界で最もダウンロードされたゲームの第9位、『マイ・トーキング・トム フレンズ』は第12位にランクインしており、フランチャイズの根強い人気が見て取れる。上記の2タイトルはそれぞれ2018年と2020年にリリースされたことを考えると、かなりのロングヒットと言える。
また、「マイ・トーキング・トム」IPは、MAUの数値においてもトップ100に複数のタイトルがランクイン。パブリッシャーごとに見ると、Outfit7が上位100タイトルに最も多くタイトルを保有している。
データによると「マイ・トーキング・トム」IPのMAUは順調に伸びており、2021年に7本のゲームでピークに到達している(最大値は4億7000万人)。特徴として、新作を投入しても過去作のMAUが落ち込まず、むしろ各タイトルのヒットによって全体的なユーザーベースが拡大しているという。
なおOutfit7はdata.aiと長年提携しており、CEOであるXinyu Qian氏は同社のツールを「モバイルゲームの改善と、より広い市場の把握に役立つ」と評している。