CRESTのチューニング・検証事業を担う猿楽庁は、2021年~2022年のコンシューマゲーム市場におけるプレイ状況及びプレイ環境にまつわるユーザー調査レポートを公開した。
調査対象となるのは、2021年9月~2022年8月に家庭用ゲーム機またはPCにてコンシューマゲーム及びサブスクリプションでゲームを1本以上入手した全国10代から60代までの男女。2022年9月に実施されたインターネット調査の1,000件をサンプルとした。
猿楽庁は今回の調査から得られたポイントとして下記の3点を挙げている。
・「1年間あたりの購入本数及びサブスクリプションでの入手本数」においてライト層/ミドル層ともに1~3本の回答が最多
・「ゲームに期待する要素」において「世界観/ストーリー」が多くの回答を集め、ゲーム開発やPRにおいては重要視すべきクオリティポイントに
・「直近1年間にプレイした中で最も楽しめたタイトルTOP15」において、シリーズものではないタイトルとして『ELDEN RING』が上位に食い込んでいる
回答者属性について
「2021年9月~2022年8月に家庭用ゲーム機(プレイステーション/ニンテンドースイッチ/Xboxなど)またはパソコン(Windows/Mac)で、コンシューマーゲーム及びサブスクリプションでゲームを1本以上入手している」
上記の条件に該当する10代から60代の全国1,000人の男女をモニターとして抽出し、アンケートを実施。
本調査では1年間あたりのゲーム購入/サブスクリプション費用の金額において、10,000円以下を「ライト層」、10,001円〜50,000円を「ミドル層」、50,001円以上を「コア層」と3つの層に分類。
その結果、最も割合が多い層はライト層で全回答者の54%を占める結果となった。
1年間あたりの購入本数及びサブスクリプションでの入手本数と好んでプレイするゲームジャンル
1年間あたりのゲーム購入本数ではライト層、ミドル層共に1~3本という回答が圧倒的多い結果に。ミドル層では4~6本という回答もやや増加しており、コア層では7~10本が最多。次点で4~6本の回答が多かった。
好んでプレイするゲームジャンルではライト層とミドル層で「アクション」、「アクションRPG」、「RPG」の割合が多く、次いで「シミュレーション」に回答が集まる結果に。一方のコア層では若干「アクションRPG」に偏りがみられるものの、どのジャンルも満遍なくプレイする傾向がみられた。
猿楽庁はこの調査結果に対し、ユーザーの大半を占めるライト層およびミドル層は年間の購入本数が控えめであることから、「しっかりと厳選し購入しているのではないか」と推察。続けて、アクションやRPGに偏った結果についても、上記のことから長くプレイできるようなものが選ばれているのではないかと推察した。
また、比較的購入金額の高いミドル層がライト層とほぼ同じ購入本数になった背景には、いわゆる限定版のような高額商品の影響を示唆した。コア層の傾向では、ほぼ半数が2か月に1本以上を購入しており、ジャンルの偏りも大きくないことから、さまざまなジャンルに興味を持ち手を出しているとした。
ゲームに期待している要素
ライト層/ミドル層では「世界観/ストーリー」や「ゲームシステム」の割合が高く、「ビジュアルのクオリティ」、「キャラクター性の魅力」が続いた。
ライト層は「長期間楽しめそうなもの」の回答が多いことも特徴であり、先の購入タイトルを厳選しているという推察の信ぴょう性を高める結果となった。コア層では僅かに「ゲームシステム」の回答が多いものの、他の回答の割合もほぼ横ばいの結果となっている。
猿楽庁はこの調査結果からゲーム開発やPRにおいては重要視すべきクオリティポイントは「世界観/ストーリー」であり、「ビジュアル」についても個人の好みを超えて、見た目のクオリティの高さが求められているのと推察。また、「ゲームシステム」への期待の高さについては、ゲームジャンルだけでなく、ゲームシステム自体の面白さや遊びやすさが注目されているのではと推察している。
一方、比較的回答率が低かった「オリジナリティ」については、近年求められる傾向にある「定番化」や「安定感」が顕在化してきた様子だという。
直近1年間にプレイしたタイトルで最も楽しめたタイトルTOP15
直近1年間で最も楽しんだタイトルでは「モンスターハンター」シリーズを筆頭に、定番シリーズものが多く選ばれる結果に。
国内外で大きな注目を集めた『ELDEN RING』はシリーズもの以外では最上位となる6位にランクインしたほか、『Ghost of Tsushima』、『Apex Legend』、『リングフィットアドベンチャー』なども単発作品として15位以内にランクイン。
ランキング上位にはNintendo Switchのリリースタイトル/シリーズが多く、広いユーザー層に普及している同ハードの強さを再確認させれる。
この調査結果に対し猿楽庁はシリーズタイトルはまとめて集計しており、内訳としてはほぼすべての回答が直近でリリースされたシリーズ最新作だったという。また、集計結果全体では1票のみのタイトルが大半を占め、シリーズもの以外でも非常に多くのタイトルが上がる結果だったとした。
15位以内にランクインした『Ghost of Tsushima』などについては『オリジナリティの強さ』『運営型対戦ゲームとしての魅力』『日々続ける面白さ』それぞれのクオリティの高さが、現在でも楽しまれている結果だと推察した。