大手モバイルデータ分析プロバイダーのdata.ai (旧App Annie)は、2023年以降のモバイルアプリの予測レポートを発表した。本レポートでは、次の5つの予測を発表している。
新型コロナウイルスのパンデミック時に急拡大したモバイル消費は、パンデミックの収束とともに鈍化しつつある。しかし、パンデミック前の2019年に比べれば、はるかに高い水準を保っている。
モバイルの利用時間が2028年にはAndroid端末単体で6兆時間を超える
アプリは引き続きモバイルの利用時間増加をけん引し、アプリストアが登場して20年を迎える2028年には、モバイルの利用時間はAndroid端末のみで6兆時間を超える見込み。その増加幅は、2023年の予測利用時間から34%の増加となる。
全世界のモバイル広告支出は3,620億ドルに到達
2022年単独でAndroid端末の合計利用時間が4兆時間に達するなど、モバイルの使用時間が増加し続ける中、モバイル広告は引き続き広告支出の大きなシェアを占め続ける。しかし、世界経済の逆風を受けて、2023年のモバイル広告支出の成長率は2022年の14%から更に減速し、7.5%となる見込み。
モバイルゲームの消費者支出は鈍化傾向に
IDFA(iOSの広告識別子)や、今後予定されているGoogleのプライバシー規制の変更、フィンガープリンティングの取り締まり等が、2023年のモバイルゲームにおけるユーザー獲得に影響を及ぼすことが予測される。2022年には前年比5%減となる1,100億ドルに、更に2023年には前年比3%減となる1,070億ドルに減少する見込み。
新たに7つのアプリが、生涯消費支出30億ドルのアプリ群に加わる
動画配信およびショート動画アプリ群では、新たにHBO MaxやiQIYIなどが生涯消費者支出30億ドルを超え、 Disney+、 Netflix、 YouTube、TikTok等に仲間入りする見込み。生涯消費支出20憶ドルのアプリ群には、『Call of Duty』、『ウマ娘 プリティーダービー』、『Bumble』など、計14のアプリが加わる。
消費者は、旅行、イベント、スポーツ等の体験型消費を求めるようになる
解雇や物価高の影響による可処分所得の減少を受けて、消費者は、モノの消費から体験型の消費を求めるようになるという。そのため、2023年の旅行関連アプリやチケット発券アプリのダウンロード数は、前年比で47%増加することが見込まれる。