南アフリカのモバイルゲームパブリッシャーCarry1stが2,000万ドルの資金調達に成功

 Carry1stは、アメリカのベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzが主導する2,000万ドルの資金調達に成功した。アメリカの経済誌「Forbes」が報じている。調達した資金は今後、コンテンツポートフォリオの拡充などに使用される。

 Carry1stは2018年に3人の共同創業者(CEOのCordel Robbin-Coker氏、オペレーションを担当する副社長のLucy Parry氏、技術戦略を担うエンジニアTinotenda Mundangepfupfu氏)によって設立された、南アフリカ共和国・西ケープ州に本社を置くソーシャルゲームのスタートアップ企業。

▲左からTinotenda-Mundangepfupfu氏、Lucy Hoffman氏、Cordel Robbin-Coker氏。画像は「Forbes」より

 同社は社是に「Play. Learn. Earn.」(遊ぶ。学ぶ。稼ぐ。)を掲げており、代表的なタイトルであるクイズゲーム『Carry1st Trivia』では、オンライン開催される大会で現金を賞金として獲得できる仕組みが用意されている。

 

 Carry1stの公式サイトによると、アフリカは13億人の人口と平均年齢19歳を背景に、世界で最も急速に成長している新興市場。わずか5年で、アフリカのゲーマー数は現在の北米の2倍(推定3億人)となる見込み。

 一方、アフリカではゲーマーの人口に対して、決済システムなどの面で十分なサポートが行われておらず、市場にギャップが生じていた。そこで、Carry1stは2021年5月にゲームパブリッシングプラットフォームを立ち上げることで前月比90%以上の成長を遂げたという。

 PayPalChipper Cash※と提携し、ユーザーが自分の好きな方法で購入できる決済方法を提供したことに加え、世界各国のゲームスタジオと連携してアフリカでのローカライズ、流通、広告、マネタイズなどの役割を担うことで、ゲーム開発スタジオとしてだけではなく、ゲームパブリッシャーとしての地位を確立した形だ。

※Chipper Cashはアフリカの7カ国(ケニア、ガーナ、ルワンダ、ナイジェリア、タンザニア、ウガンダ、南アフリカ)とイギリス、アメリカでサービスしている400万人規模の決済アプリ。

 これまでの提携によりCarry1stが現地でパブリッシングを行ったタイトルとしては、Tilting Pointの『スポンジ・ボブ : カニカーニ・クックオフ』など。

 フィンテックを活用したモバイルゲームのパブリッシャーとして成功している事例は、東南アジアにおけるGarenaに近いものがある。

 Garenaが所属しているSEA Groupは、東南アジアで最大規模のeコマースECプラットフォームやフィンテックSeaMoneyなどの事業を展開。オンラインゲームとソーシャルゲームのプラットフォーム「Garena+」で、テンセントを始めとした有力パブリッシャーと提携したタイトルを配信している。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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