
バンダイナムコエンターテインメントは、スタートアップ投資ファンド「Bandai Namco Entertainment 021 Fund」(バンダイナムコエンターテインメント ゼロトゥワン ファンド)を新たに立ち上げたことを発表した。
「IP(キャラクターなどの知的財産)メタバース」の構築、および新たなエンターテインメントの創出を目指し、それらの実現に向けた意思決定のスピードを加速させることが目的のファンドとなる。
なお、投資規模は年間10億円。3年間で30億円程度の出資を想定しているとのこと。
バンダイナムコエンターテインメントではこれまでも、Web3.0の到来とメタバースの進展を見据え、さまざまな分野のスタートアップ企業との資本業務提携を積極的に実施。また、バンダイナムコグループは、2022年4月からグループの最上位概念となるパーパス「Fun for All into the Future」を制定し、同月から中期計画を始動。IPでファンとつながるための新しい仕組みとして、IPごとのメタバース開発に着手していた。
IPごとのメタバースとは、例えば同社の代表的なコンテンツのひとつである「ガンダム」であれば、「ガンダムの情報のみが集約されたメタバース」として、ファン自らがアバターに扮した状態で、メタバース内の情報にアクセスできる仕組み。
メタバース内のコンテンツには、フィジカルな商品や場(公式ガンプラ総合施設である「THE GUNDAM BASE」やその商品など)とデジタルが融合するバンダイナムコならではの仕組みも想定され、そのIPの総合的なプラットフォームの役割を果たすものと見られる。また、ファンやパートナーがつながるオープンなコミュニティとしての側面も併せ持つ。
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前述の「IPごとのメタバース」開発を先導する同社は、その実現に向け、あらゆるパートナーとオープンに協業していく方針。今回設立した「Bandai Namco Entertainment 021 Fund」を通じて、これまで培ってきたIP軸戦略やそのノウハウと、スタートアップ企業の強みを掛け合わせることで、「IPメタバース」の構築および新たなエンターテインメントの創出を目指していくとのことだ。
以下、発表された投資戦略を掲載。
「Bandai Namco Entertainment 021 Fund」3つの投資戦略
【創り出す ~エンターテインメントを創り出す~】
新しい時代には新しい形のエンターテインメントが生まれ、人々も新たなエンターテインメントを求めるようになります。その中で新しい技術を活用し、既存のエンターテインメントの強化・拡張を行う取り組みへ、または全く新しいエンターテインメントを生み出す取り組みへ、それらを加速するための投資を行います。
【届ける ~エンターテインメントを届けて、人々をつなげる~】
エンターテインメントが新たに生まれても、適切に世の中の人々に届けなければ、エンターテインメントと人々のつながりを創り出すことができません。エンターテインメントを生み出す人々と、楽しむ人々を適切につなぐために、エンターテインメントを届ける技術・活動に投資を行います。
【つながる ~エンターテインメントとのつながりをより熱く、より強くする~】
近い将来、個人の活動領域は、メタバースなどの普及によってバーチャル空間でより活発化していくと考えられます。その中で、エンターテインメントと人々のつながりをより熱く強くするための活動に投資を行います。
「Bandai Namco Entertainment 021 Fund」概要
- 主な投資対象:国内外のブロックチェーン、VR/AR/xR、AIなどの技術を活用したエンターテインメントに関連するプロダクトやサービスの提供、また、メタバース、Web3.0関連の事業を行うスタートアップ企業など
- 投資対象ステージ :プレシードからレイターステージまでの幅広い成長ステージの企業を対象とする
- 投資規模:年間10億円(3年間で30億円)程度の出資を想定
- チケットサイズ:数千万円~5億円