カプコン 2022年3月期 通期、国内人気IPのグローバル化に成功し過去最高の売上高及び9期連続の営業増益に

 カプコンは5月11日、2022年3月期(2021年4月1日~2022年3月31日)の連結決算を発表した。デジタルコンテンツ事業の好調により売上高は過去最高となり、全ての利益項目で5期連続の最高益を達成すると共に9期連続の営業増益となった。

 2022年3月期の連結業績は、売上高が1,100億5,400万円(前期比15.5%増)、営業利益が429億900万円(前期比24.0%増)、経常利益が443億3,000万円(前期比27.2%増)、純利益が325億5,300万円(前期比30.6%増)となった。

 2023年3月期の連結業績予想は、売上高1,200億円、営業利益480億円となり10期連続の営業増益、ならびに全ての利益項目で6期連続の過去最高益を見込む。

  

国内人気IPのグローバル化に成功した
デジタルコンテンツ事業

 同期間、カプコンは中核となるデジタルコンテンツ事業において『バイオハザード ヴィレッジ』や『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』など主力シリーズの新作を投入した。また、デジタル販売を主軸とした事業戦略のもと、販売地域の拡大と既存タイトルの長期販売を実現し、家庭用ゲームソフトの年間販売本数が過去最多となる3,260万本を達成。

 その結果、売上高は875億3,400万円(前期比16.2%増)、営業利益は453億5,900万円(前期比22.6%増)を記録した。

デジタルコンテンツ事業
 2021年3月期2022年3月期増減率
売上高75,30087,53416.2%
営業利益37,00245,35922.6%
営業利益率49.1%51.8%
▲単位:百万円

 『バイオハザード ヴィレッジ』の販売本数は610万本となり、第3四半期決算発表から40万本を追加で売り上げた。『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』も150万本を売り上げ、新作が順調に推移。

 また、2017年発売の『バイオハザード7 レジデント イービル』、2019年3月発売の『デビル メイ クライ 5』をはじめ、既存タイトルも堅調となった。

【関連記事】
『デビル メイ クライ 5』世界累計販売本数が500万本を突破
『バイオハザード7』が全世界で1,000万本を突破
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 同社が打ち出すデジタル販売を主軸とした事業戦略は、国内市場が中心だった人気IPをワールドワイドに売れるIPへと飛躍させていることが特筆すべき点だろう。

 2021年3月26日にNintendo Switch向けに発売された『モンスターハンターライズ』は、今年1月にPC(Steam)版が発売。これにより更にユーザー層を拡大し、同月には全世界累計800万本を突破した(関連記事)。

 次年度は超大型拡張コンテンツ『モンスターハンターライズ:サンブレイク』が2022年6月30日に発売を予定しており、更なる弾みにも期待ができる状況だ。

 「モンスターハンター」シリーズはもともと国内で絶大な人気を誇っていたが、2018年1月に発売した『モンスターハンター:ワールド』および、2019年9月発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』以降、グローバルでの展開を強化。結果、同作は2021年10月時点で全世界累計2,000万本以上を販売しており、ワールドワイドに売れるIPへと成長している。

 同じように、『大逆転裁判1&2』が海外人気の高まりを受けて全世界累計50万本を突破(関連記事)。グローバル展開に成功したタイトルに数えられる成長を遂げた。

  

アミューズメント施設事業は規制緩和で上向きに

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言により、一部店舗での休業および時短営業など苦境に立たされていたアミューズメント施設事業は、宣言の解除以降、来店客数が回復傾向にある。

 同期間中、新たに2店舗を出店するとともに、1店舗を閉鎖し、スクラップ・アンド・ビルドによる施設展開を行った。施設数は42店舗となり、売上高は124億400万円(前期比25.7%増)、営業利益は6億5,200万円(前期比336.8%増)と大幅は増益を記録した。

アミューズメント施設事業
 2021年3月期2022年3月期増減率
売上高9,87112,40425.7%
営業利益149652336.8%
営業利益率1.5%5.3%
▲単位:百万円

 2021年7月19日には新たな集客展開としてフィジカルアクティビティやe-SPORTS施設、カプコンのIPを使用したオリジナルVRコンテンツなどを併設した新業態の複合アミューズメント施設「MIRAINO イオンモール白山店」(石川県)をグランドオープン。地域密着型の店舗戦略に努めた。

 一方のアミューズメント機器事業(主にパチスロ機器)は、『モンスターハンター: ワールド 黄金狩猟』および『パチスロ デビル メイ クライ 5』が堅調に推移したほか、『百花繚乱 サムライガールズ』を投入した。また『バイオハザード7 レジデント イービル』は、市場での長期稼働を受け、リピート販売が増加。ただ、前期の水準には届かず、売上高57億4,900万円(前期比18.9%減)、営業利益は23億4,800万円(前期比2.5%減)となった。

アミューズメント機器事業
 2021年3月期2022年3月期増減率
売上高7,0905,749△18.9%
営業利益2,4072,348△2.5%
営業利益率33.9%40.8%
▲単位:百万円

     

映像化でブランド価値向上を図る

 映像化やキャラクターグッズ展開、eスポーツ関連事業を含む「その他事業」では、売上高43億6,600万円(前期比43.4%増)、営業利益は15億1,700万円(前期比53.7%増)と前期を上回る結果に。

その他事業
 2021年3月期2022年3月期増減率
売上高3,0454,36643.4%
営業利益9871,51753.7%
営業利益率32.4%34.7%
▲単位:百万円

 ブランド価値向上に向けた取り組みとして、映画『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』の公開をはじめ、NetflixにおけるCGアニメが配信。「バイオハザード」と「モンスターハンター」といった同社の主力IPが数多く映像化された。

 eスポーツにおいては、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向け、「CAPCOM Pro Tour Online 2021」を世界19地域にオンラインで実施したほか、チームオーナー制を導入したリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021」や、「ストリートファイターリーグ: Pro-US 2021」を実施。

 次年度は夏に対戦格闘ゲーム新作『ストリートファイター6』の情報が公開される予定であり、eスポーツ業界の盛り上がりに繋がるか注目だ。

 またカプコンは2022年度、報酬制度を一部改定し、正社員を対象として平均基本年収の30%増額するなど、人材投資にも力を注ぐ。モチベーションの向上による新たなヒットタイトル創出にも期待がかかる。

【関連記事】
カプコンが正社員の平均基本年収を3割増額 CHO(最高人事責任者)新設&人事機能再編など人材投資戦略を強化

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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