マーベラスは5月12日、2022年3月期(2021年4月1日~2022年3月31日)の連結決算を発表した。オンライン事業が苦戦するも、アミューズメントを含むコンシューマ事業が堅調に推移し、増収増益となった。
2022年3月期の連結業績は、売上高257億2,800万円(前期比0.8%増)、営業利益46億円(同4.2%増)、経常利益50億5,400万円(同10.9%増)、純利益38億1,700万円(同16.9%増)。
なお、2023年3月期の業績予想は「新型コロナウイルスの収束が不透明」との理由により非開示としている。
長期運営タイトルが売上減少 新作も振るわず
セグメントごとの業績では、ライブサービスを展開するオンライン事業が売上高62億2,100万円(前期比17.0%減)、セグメント利益6億100万円(同55.7%減)と減収減益に。
主力タイトルである『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』や『剣と魔法のログレス いにしえの女神』、『ブラウザ三国志』など長期運営タイトルが売上減少したことが大きく影響した。
また、新規タイトル『千銃士:Rhodoknight(ロードナイト)』は期待値を大きく下回ったとして、ソフトウェア資産の一部評価減を実施している。
コンシューマは複数タイトルがミリオン達成
ゲームソフト販売部門とアミューズメント部門を含むコンシューマ事業では、売上高154億9,000万円(前期比7.0%増)、セグメント利益は50億9,600万円(同22.6% 増)となり増収増益。売上構成の大部分である59.4%を占めている。
ゲームソフト販売部門では、「ルーンファクトリー」シリーズの最新作『ルーンファクトリー5』が発売され、全世界累計で出荷本数が50万本を超えるヒットを記録(2022年3月末時点)。
また、「ノーモア ★ヒーローズ」シリーズ最新作となる『No More Heroes 3』、Steam版『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』、PS4/Xbox版『牧場物語 再会のミネラルタウン』それぞれ累計出荷本数100万本を突破した。さらに、前期発売の『天穂のサクナヒメ』も累計出荷本数が100万本を超えるロングセラーとなっている。
アミューズメント部門では、キッズアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』が、2021年12月に累計プレイ回数1億回を突破するなど好調に。加えて、新コンセプトによる小型プライズマシン『TRYDECK』(トライデッキ)を11月に投入(関連記事)し、売上に貢献した。
新規オリジナルIPの創出を目指す
マーベラスは長期運営タイトルの売上減少に関して、「経年や競争激化」を理由として挙げている。新たなる主力タイトルの投入が急務となる中、新規オリジナルIPのゲームアプリを2022年度配信開始に向けて鋭意開発中とのこと。
今後、コンシューマ向けにはゾンビサバイバルアクションゲーム『DEADCRAFT』(デッドクラフト)を5月に、ジュブナイル(青春)RPG『LOOP8』(ループエイト)を2022年に発売予定。また、PS4版『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』の7月発売を予定している。
そして『ポケモンメザスタ』は4月より新弾を稼動開始。『ポケモンガオーレ』(日本では稼働終了)は、コロナ収束後を見据え今後も海外展開を継続する方針としている。