任天堂は8月3日、2023年3月期第1四半期(2022年4月1日~2022年6⽉30⽇)の連結業績概要を発表した。第1四半期の売上高は3,074億円(前年同期比4.7%減)、営業利益は1,016億円、(前年同期比15.1%減)となった。
売上高と営業利益が減少する一方で、経常利益では大幅増益。これは第1四半期期末の為替レートが前期末に比べ円安に推移したことによるもの。
この推移の影響を受け、為替差益が517億円発生したほか、受取利息が増加し、経常利益は前年同期比29.6%増の1,667億円に。
また、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比28.3%増の1,189億円となった。
Switch販売台数は減少も、ソフト販売本数は6年目にして2番目と好調
今年で6年目となるNintendo Switchの販売状況については、半導体部品の不足による生産への影響もあり、本体の販売台数は前年同期比22.9%減の343万台に。
ソフトウェアの販売状況については、『Nintendo SwitchSports』と『マリオストライカーズ バトルリーグ』が好調のスタートを記録したものの、前年同期比8.6%減の4,141万本となった。
セルスルーでは、やはり半導体部品の不足が影響し、ハードウェアの販売が減少しているものの、自社ソフトウェアの販売は好調。
爆発的なヒットを記録した『あつまれ どうぶつの森』が好調であった2021年3月期には及ばなかったものの、前年同期を上回りNintendo Switch発売以来2番目の水準であるという。
第1四半期で特にセルスルーを伸ばしたのは、発売から10週間で世界累計セルスルー400万本以上を記録した『Nintendo Switch Sports』。任天堂は発売後も安定したセルスルーを維持する同作に対し、今後も長期に渡って販売を伸ばしていけるのではないかと期待している。
そのほか、3月に発売された『星のカービィ ディスカバリー』についても発売から15週間で、世界累計セルスルー400万本以上を記録。これは、今年4月に30周年を迎えた「星のカービィ」シリーズでは最大のセルスルーになるという。
また、Nintendo Switchを遊ぶ年間プレイユーザー数も増加を続けている様子。
任天堂は7月から翌年6月までの期間にNintendo Switchのソフトを1度以上起動したアカウントを集計しており、2021年7月から2022年6月までの1年では1億400万のユーザーがNintendo Switchを楽しんでいるようだ。
自社ソフトウェア販売では好調の伸びを見せた一方で、半導体部品の不足に悩まされた任天堂だが、今回の発表によれば夏の終わりから秋にかけて徐々に状況が改善する見込みとのこと。
すでに年内の生産見通しが立ちつつあり、年末商戦に向けて、世界各地により多くのハードウェアを出荷するように努めるとしている。
なお、今回の発表では2023年3月期の連結事業予想について5月時点のものから変更はなかった。
半導体部品の供給改善により、生産ペースの復帰を目指す任天堂。7月からの第2四半期では7月29日に発売を迎えた『ゼノブレイド3』をはじめ、『マリオカート8 デラックス コース追加パス』第2弾、『スプラトゥーン3』、『カービィのグルメフェス』など注目タイトルが並んでおり、年末商戦に向けたハードウェア生産だけでなく、ソフトウェア販売の勢いにも注目したい。