
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは8月29日、フィンランド・ヘルシンキおよびドイツ・ベルリンを拠点とするモバイルゲーム開発スタジオSavage Game Studiosの買収について、確定契約を締結したことを発表した。買収額を含む諸条件等については未公開としている。
あわせて現在、同スタジオで新たなモバイル向け大型ライブサービスアクションゲームの開発が進行中であることが明らかになった。ゲームの詳細は不明だが、SIEは今後、保有するPlayStation StudiosのIPを活用してモバイルゲームの開発にも注力していく方針。
Savage Game StudiosはMichail Katkoff(ミヒャイル・カトコフ)氏、Nadjim Adjir(ナジム・アジール)氏、Michael McManus(ミヒャエル・マクマヌス)氏を共同創設者とするモバイルゲームスタジオ。彼らはロビオ・エンターテインメント、ジンガゲームネットワーク、Fanplus、supercell、Wargaming、グリー、インソムニアック、Kabamなど様々なモバイル企業に長年在籍したのち、経験豊富なクリエイターを集結してモバイルゲームの開発・運用に取り組んでいる。
同スタジオは買収後、コンソール向けタイトルの開発部門とは独立して新たに設立するPlayStation Studiosのモバイル部門にて運営される予定。なお、現在のSavage Game Studiosのマネジメントチームは今後も継続して経営を担う。
ゲーム分野での伸び悩みが報告されていたソニーグループでは現在、PS5の供給台数の増加や、PS Plusの新サービス訴求などでゲーム市場へのアプローチを行っていくとしている(関連記事)。
その一方、PC向けゲーミングギアの新ブランド「INZONE」立ち上げ(関連記事)や、今回のモバイル部門新設などによって、コンソールのみに頼らない(プラットフォームの垣根がない)施策を展開していくようだ。
以下、買収に際して公開された関係者のコメントを掲載。
SIE PlayStation Studios 統括責任者 ハーマン・ハルスト氏
「PlayStation Studiosはこれまで以上に多くの方々に新たなゲーム体験をお届けするため、コンソールの壁を超えてタイトルを拡充し、多様化し続ける必要があります。Savage Game Studiosの優秀なチームがスタジオの一員となることは、私たちの目標達成に向けた戦略的なステップの1つです。私は彼らが高品質なゲーム体験を提供してくれることを確信しており、開発中のタイトルをお届けできることをとても楽しみにしています。PCプラットフォームやライブサービスゲームへの展開とともに、モバイルへの拡大を通じてプレイステーションの可能性とコミュニティはより強固なものとなり、最高のゲームを作るという PlayStation Studiosの目標達成の一助となることでしょう。」
Savage Game Studios CEO兼共同創設者 ミヒャイル・カトコフ氏
「Savage Game Studiosは、長年モバイル業界に革新を起こすために挑戦してきた経験豊富なメンバーによって設立されました。SIEは、リスクを恐れず挑戦を続けるこの私たちの信念と情熱に共感してくれています。同時に私たちは、継続的に作品を生み出し続けることが非常に難しい業界において一貫して高品質なファースト・パーティタイトルを創出してきたPlayStation Studiosへ敬意を表します。今後私たちがその歴史の一員となり、世界中にあるPlayStation Studiosの才能溢れる開発チームへ加わることを光栄に思います。私たちは現在新作プロジェクトの開発の初期段階にありますが、今後詳細をお見せできることが大変待ち遠しいです。」