KADOKAWA第2四半期決算、ゲーム事業は前年同期比255.1%増の171億3,700万円 『ELDEN RING』とスパチュン新作が寄与

 KADOKAWAは11月2日、2023年3月期 第2四半期(7~9月)の連結業績を発表した。同期間中、ゲーム事業の売上高は171億3,700万円(前年同期比255.1%増)、セグメント利益(営業利益)は75億92百万円(同1,116.8%増)を記録している。

 

 ゲーム事業では、記録的大ヒットとなった『ELDEN RING』の海外向け出荷関連収益などが大きく貢献しているほか、共同・受託開発事業やスパイク・チュンソフトの『AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナイニシアチブ』、『メイドインアビス 闇を目指した連星』といった新作も寄与したという。

 第3四半期以降については、売上高は好進捗、通期営業利益は前倒し達成の見通し。現在、オリジナルゲームIPやKADOKAWA発アニメIPのゲーム化を含め、複数パイプラインを開発中とのこと。

 また、今後のさらなる成長加速に向けて、人材採用を含めたゲームIPの創出力強化、出版・アニメ・ゲーム間のメディアミックス展開拡大、自社パブリッシングの範囲拡大に取り組むとしている。

 直近の動きとしては、今年8月末に『ELDEN RING』開発元であるKADOKAWA傘下フロム・ソフトウェアがテンセント傘下Sixjoy及びSIEより約364億円の資金調達を実施(関連記事)。

 加えて、10月28日発売の『Call of Duty: Modern Warfare II』の国内流通代理店として、PlayStation用ソフトウェアの販売をもって、ゲーム流通事業に参入。KADOKAWAグループ全体で更なるゲーム事業領域の拡大を目指す方針を明らかにしていた(関連記事)。

 ただし、ゲーム事業などの好調により上半期の全体業績が前年同期比で売上高17.0%増、営業利益33.2%増となっている現況だが、全体の通期では東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件の影響で数億円規模の利益が失われるとの見通し。角川歴彦元会長をはじめとする上層部の逮捕を受けて、受託する地方自治体のイベント運営などでキャンセルが出るなどの影響があるという。

2023年3月期第2四半期連結業績ハイライト

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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