
円谷フィールズホールディングスは11月8日、2023年3⽉期 第2四半期の連結決算を発表し、売上高422億3,000万円(前年同期比13.1%増)、純利益25億3,600万円(同702.7%増)を報告した。
発表によると、中核となる円谷プロダクションの事業収入において、国内外でのマーチャンダイジング(MD)やライセンス販売が好調に推移したという。特に、中国を中心とするアジア地域では、トレーディングカードゲーム(TCG)などの商品売上が大幅に増加。個別に開示された数字では、MD事業全体の売上高23億円のうち、中国での売上は10億2,000万円にのぼり、前年同期比で129.5%増となっている。
もともと、前期の決算報告でもMD事業における収入は中国売上が約8割を占め、配信プラットフォームによる作品の継続的な露出とライセンシーの拡大で2020年度~2024年度のCAGR(年平均成長率)が55%と推計されていた。
特に、主要配信プラットフォームを通じて配信される約60タイトルの視聴回数がのべ1,200億回以上にのぼったことが明らかになっており、ライセンシーについては、低単価で購入可能なカード等の玩具やアパレル関連が増加傾向。提携した企業は前期に50社も増加している。
中でも大きな収益源となっているのは、2019年より中国市場で投入しているTCG商品「卡游奥特曼英雄对决卡片」(ウルトラマン・ヒーロー 対戦型カード)。これまで中国全土に約70万店に及ぶ流通拠点を構築しており、更なる成長が期待できる環境が整ったという。
なお中国で人気の「卡游奥特曼英雄对决卡片」は現地企業の浙江卡游より制作され、ベーシックデッキセット(カード50枚)が20元(約410円)、補充パック(カード10枚)が10元(約206円)で販売されている。

そのほか、フィジカルなものとして中国・上海のオーシャンパーク(年間来場者数500万人以上)内に常設のウルトラマンエリアが2022年7月にオープン。こちらも予想を超える反響があったとしている。
円谷プロは今後、中国での成功をもとにアジア市場を開拓。北米市場においても映像制作を担うデジタル・フロンティアや、配信元のNetflixなど協業強化を図ることで認知を拡大し、映像とMDの二軸で「ウルトラマン」をグローバル・ブランドへと戦略的に強化する狙い。