アメリカの調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、米国の「テーブルゲーム(以下、テーブル – 米国ではtabletopの表記)」ジャンルのアプリに関するデータを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。
データによると、米国で「テーブル」ジャンルのアプリにおける売上額が、前年比で約40%増の7億380万ドル(約777億円)に達したことがわかった。
2020年8月1日から2021年7月31日の間に米国で発売された売上額No.1の「テーブル」ジャンルのアプリは、Supertreatの『Solitaire Grand Harvest』で、1億1530万ドルの売上を記録した。第2位はGSNの『Solitaire TriPeaks』、第3位はScopelyの『Yahtzee with Buddies Dice』となった。
ダウンロード数を見ると、「テーブル」ジャンルはこの1年間(2020年8月~2021年7月)で2億270万DLとなったが、その以前(2019年8月~2020年7月)と比較して約12%の減少となった。ダウンロード数のトップは、X-Flowの『Happy Color』で830万DLで。第2位は、Mattel163社の『UNO!』、第3位はChess.com社の『Chess』。
Sensor Towerは、「テーブル」ジャンルのアプリを4つのサブカテゴリ(「ソリティア/麻雀」、「カードゲーム」、「ボードゲーム」、「ぬり絵/お絵かき」)に分け、 ダウンロード数とRPD(=累積収益額/累積ダウンロード数)のグラフに表したデータも公開。
『Solitaire Grand Harvest』が属する「ソリティア/麻雀」カテゴリは期間中、4つの中でもNo.1の収益をあげ、売上高は前年比で44%以上増加の約3億1,000万ドル(約340億円)となった。
DL数では、「ソリティア/麻雀」が7,680万で第1位。全サブカテゴリでDL数は前年比で減少したが、Jelly Button Gamesの『Chess』や『Board Kings』などのタイトルを含む「ボードゲーム」カテゴリは最も緩やかな減少となり、1%減の約3,900万に抑えた。
DLあたりの収益を分析すると、「ボードゲーム」は昨年1年間で1DLあたり約6.3ドルを生み出し、第1位となった。2位は「カードゲーム」、3位には「ソリティア/麻雀」が続く。なお、この指標は生涯RPDを考慮しておらず、過去のダウンロード数は使用されていない。
そのほか、売上高が最も急速に増加したジャンルは「カードゲーム」で、Mattel163の『Phase 10: World Tour』やジンガの『Spades Plus』などのタイトルが含まれており、前年比83.6%増の1億130万ドル(約112億円)となった。ただしこれらのデータは、それぞれのサブカテゴリにおいて、リリースされたタイトル数が異なることに留意する必要があるだろう。
Sensor Towerは、「「テーブル」ジャンルのゲームは、アプリ市場で最も急速に成長しているジャンルであると同時に、長年にわたってM&Aの対象となってきた。昨年1年間の米国における「テーブル」の収益トップタイトルである『Solitaire Grand Harvest』はSupertreat社が開発したものだが、2019年にPlaytika社が買収。一方、ソニーは同年中に、同ジャンル第2位の『Solitaire TriPeaks』を開発したGSNの株式を過半数保有している」と振り返った。
「テーブル」ゲームの分野は、有名IPやクラシックなボードゲームを活用することで参入しやすいため、アプリ市場の中でも急速に成長していると推測できる。