
アメリカの調査会社Sensor Towerは、同社のブログにおいて「【2021年8月】海外進出に成功した中国のモバイルゲームTOP30」を公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。
スマホ向けゲームアプリの世界市場における中国タイトルのセールスランキングは以下の通り。

なお、上記ランキングにおいて中国市場での売上は含まれず、本記事の数字は”中国以外の市場”を対象としたもの。『原神』と『PUBG MOBILE』は、中国を含まない市場だけでも1億ドル(約109億円)超えを記録。
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首位を獲得したmiHoYoの『原神』は、8月10日に「宵宮」などのキャラクターが登場したことでセールスを大きく伸ばし、売上は1億1,000万ドル(約120億円)超えを記録。
そして、Ver2.1のアプデが実施された9月現在さらなるペースで収益を伸ばし、すでに8月の売上を上回る快進撃を見せている。
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次いで、1億ドルを突破したテンセントの『PUBG MOBILE』は2018年のローンチ以来、史上4番目に売上が大きな月に。ポセイドンテーマのレベルアップ衣装スキンなど、複数のスキンが実装されたことが売上につながったと考えられる。
『PUBG MOBILE』の8月売上高に占める米国市場の割合は23.2%、トルコとサウジアラビアからの売上高はそれぞれ17%と6%となった。中東とトルコの収益を合わせたシェアは28.7%にのぼり、近年の新興国におけるゲーム市場の成長が反映された形だ。
37GAMESのゾンビ×マッチ3パズル×ストラテジーの『パズル&サバイバル(中国名:末日喧嚣)』は、毎月好調な収益を維持。7月の前年同月比17.5%増に加え、8月はさらに19%増となり、順位を1つ上げて6位にランクインした。
特に日本での伸びが大きく、リリース時期は海外と比べて遅かったにも関わらず、8月の日本市場の売上は45.4%を占めるなど、米国市場の30%を大きく上回る結果に。

実際にアプリ分析ツール「LIVEOPSIS」で『パズル&サバイバル』の8月のApp Storeセールスランキング推移を確認すると、期間限定セールを矢継ぎ早に展開し、8月中はほとんど20位以内を維持していたことがわかった。
よくも悪くも、広告によって目にする機会の多い同作。日本市場での好調は国内でのストラテジー人気に加え、広告を含めたローカライズに力を入れ、話題づくりに努めた結果ともいえる。直近では、なんと「動画広告の脚本募集コンテスト」といったキャンペーンまで行っている。

同じくストラテジーであるQookka Entertainmentの『三國志 真戦(中国名:三国志·战略版)』は、8月の売上が前年同月比47.1%増となり、ランキング10位にランクイン。こちらも日本市場で上位に位置している。『云上城之歌」の売上高は前年同月比23.2%増で、12ランクアップの18位に。同作は韓国で人気を博し、8月の売上では52.5%を占めている。

DLランキングでは、インド市場に復帰した『PUBG MOBILE』(インドでの名称は『BATTLEGROUNDS MOBILE INDIA』)がトップに。8月のダウンロード数が1,650万件を超え、インド版リリースから2ヶ月連続の首位となった。
TOP30の中でランキングに入った2つの新作は、どちらも昆虫をモチーフにしているタイトル。 11位はStarUnionの『ザ・アンツ:アンダーグラウンド キングダム(中国名:小小蚁国)』で、アリを率いるリーダーとしてアリ塚を建設するストラテジーとなっている。

Infinite light yearsの『Insect Evolution』は自身より小さい昆虫を捕食し、大きくなっていく(レベルを上げる)カジュアルなゲームで、26位にランクインした。