米Youtuber、MrBeastの「イカゲーム」再現動画が1億2,000万再生超。協賛の『ブロスタ』は米国でのDL数が4.5倍に増加

 アメリカのYoutuber、MrBeast(ミスター・ビースト)は11月25日、自身のYoutubeチャンネルにNetflixの人気ドラマ「イカゲーム」を再現した動画を投稿した。

 MrBeastは記事執筆時点でチャンネル登録者数8,240万人の大物Youtuber。「○○できたら賞金獲得」のようなチャレンジ系の企画を多く撮影しているほか、慈善活動も数多く行う姿勢が支持を集めている。今回の動画は瞬く間に再生数を伸ばし、なんと1週間足らずで1億2,000万回を超える再生数を記録した。

 元となったドラマの「イカゲーム」は、賞金456億ウォン(約44億円)をかけ、456名の参加者がデスゲームに挑む作品で、配信元のNetflix史上最大のヒットを記録している。

 Youtuber、MrBeastの動画では作中に登場した「だるまさんがころんだ」や「型抜き」、「綱引き」などを題材にした遊びが忠実に再現。ドラマさながらに生き残ったひとりには456,000ドル(約5,172万円)が賞金として用意され、456名のプレイヤーが賞金を求めてゲームに参加した。もちろん、命の危険はない。

 実際に視聴して見ると、なんといってもその賞金規模の大きさと、セットを含めてドラマの再現度には目を見張るものがある。撮影に使用したセットは1ヶ月以上の期間を設けて用意しており、MrBeast のツイートによると設営費用は200万ドル以上だという。

 賞金として用意した150万ドルとあわせ、計350万ドル(約4億円)が投じられていることがTwitterで明かされている。なお賞金に関しては、チャレンジの合間にリタイアしてそこまでの報酬を得るシステムが存在したため、多く用意されている。

 動画内、特に「型抜き」に挑戦する場面では、作中を思わせる攻略法を取るプレイヤーや、難易度の高い型抜きを成功させてしまう者など、参加者の活躍にドラマ性を感じる展開もあった。「イカゲーム」で扱われるゲームは子どもの遊びに使われるようなシンプルなものばかりであるため、単純ながらハラハラする展開が成立しやすいのだろう。

 作品自体の人気の高さはありつつも、クオリティの高い企画で好評を得ている「イカゲーム」再現動画だが、ここで興味深いのはスポンサー企業の存在だろう。実は、この動画コンテンツは、『ブロスタ』のSupercellが賞金を提供している。

 アメリカのアプリ調査会社であるSensor Towerによると動画の公開後、『ブロスタ』の初回DL数はアメリカで前週比4.5倍に増加。全世界でのDL数は140万に達し、前年同期比41%増を記録している(Sensor Towerの分析記事)。

▲2021年11月16日~29日、アメリカでの『ブロスタ』デイリーダウンロード数
画像は「MrBeast’s Real-Life Squid Game Sparks 4.5 Times Increase in U.S. Downloads For Brawl Stars」より。

 また、売上高は全世界で前年同期比54%増の820万ドル(約9億3,000万円)、米国では前年同期比65%増の200万ドル(約2億3,000万円)となった。なおこの数字は、11月26日から28日にかけて行われた「Brawl Stars World Finals 2021」も大きく影響していると考えられる。

 この『ブロスタ』の好調から今回の動画は、いまや社会現象にもなっている「イカゲーム」の流行に乗ったインフルエンサーマーケティングの成功事例のひとつとして考えられる。革新的な可能性として、リアルデスゲームマーケティングとも呼べるかもしれない。

 ひとつ、マーケティングのために出資しているとなるとファンメイドコンテンツの範疇ではないため、気になるのは(イカゲーム – Netflixの)権利関係だが、今のところ公式な声明は確認できなかった。

 ともかく、有力なインフルエンサーと組むことで得られる効果の大きさは言うまでもないが、今後シーズン2も囁かれる「イカゲーム」とゲームタイトルのタイアップが増えていくことも考えられる。今後の動向に注目だ。

 そのほか、2021年10月には「イカゲーム」をモチーフにしたハイパーカジュアルゲームが溢れ、スマホゲームの市場で存在感を示している。ドラマの世界観をゲームでも味わいたいという需要があるのは理解できるが、パロディではなくただの乗っかりとなっているタイトルには首を傾げざるを得ない。

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 「イカゲーム」は日本の作品にも影響を受けつつ、現代韓国の社会をはっきりと描くことで人間ドラマとしての深みを出し、世界で大ヒットするデスゲーム作品となった。ゲームファンとしては、「イカゲーム」に影響を受けるゲームタイトルに関しても同様のオリジナリティを求めてしまうところだ。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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