2021年12月、中国モバイルゲーム企業のグローバル収益ランキング。『幻塔』のPerfect Worldは前年同期比106.4%増

 アメリカの調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2021年12月の世界モバイルゲーム市場における中国パブリッシャーのセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。

 今回、世界のモバイルゲームパブリッシャーの売上トップ100には中国企業が34社含まれ、合計で約21億ドル(約2,433億円)の消費を生み出し、トップ100の中で35.6%を占めた。この数字には、中国におけるサードパーティーのAndroid向けストアの売上は含まれていない。

▲中国モバイルゲーム企業のグローバル収益トップ30。
 画像はSensor Tower「2021年12月中国手游发行商全球收入排行榜」より

   

 目立ったものを順に確認。まずPerfect World(完美世界)の新作『幻塔』は、12月16日にリリースされたSFオープンワールドゲームだ。

 

 『原神』ライクなアニメ調のビジュアルなどが話題を呼び、中国App Storeのセールスランキングで6日間連続首位を獲得するなど、好スタートを切った。結果、パブリッシャーの収益は急上昇し、今期は前年同期比106.4%増となり、一気に10ランクアップの11位まで浮上した。

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オープンワールドRPG『幻塔』が中国で好スタート

 Sensor Towerは上記の結果について「『幻塔』の成功は、オープンワールドゲームに対するプレイヤーの期待や要望の強さを示しており、今後は同一市場で複数のオープンワールドゲームが長期的に共存していくことが予想される」と分析した。

 また、2021年2月の発売以来、ライトニングゲームス(雷霆遊戯)の放置系RPG『一念逍遥』は、中国で最も売れたモバイルゲームのトップ10にランクインしている。10月に繁体字版をリリースして以来、中国、香港、マカオ、台湾で成長を続け、12月には全世界の売上高で新記録を樹立した。

▲ 『一念逍遥』 は水墨画調のビジュアルが印象的な放置系RPG。縦画面を採用している。

 

 『一念逍遥』の長期的な成長をはじめ、世界市場ではライトニングゲームスの親会社であるG-bitが出資している青瓷游戏(Qcplay)の『最強蝸牛』やLilithGamesの『AFKアリーナ』など、放置系RPGが活躍を見せている。

 『原神』のようなオープンワールド系のタイトルとは対照的に、放置系のタイトルは隙間時間でサクッと遊べるのが特徴のジャンル。モバイルゲーム市場にとって放置系ジャンルの存在は、中規模の開発チームにとっては開拓する価値のあるカテゴリーとなり、競合の中でいかに独自性が出せるかが重要にもなってくるのだろう。

 そのほかにも、NUVERSE(朝夕光年)が11月にリリースした新作の『武林闲侠』、『花亦山心之月』は、いずれも成長を遂げ、パブリッシャー収益が21.5%増となった。中でも、王立学院を舞台とした女性向け育成RPG『花亦山心之月』は前月比122%となり、今期NUVERSE の作品としては最高の売上高を記録した。

▲『花亦山心之月』には決断力のある大臣、穏やかで礼儀正しい大観皇子、ミステリアスな実業界の大物など個性豊かなキャラクターが登場。中国伝統の色彩が目を惹くデザイン。

    

 Bilibiliは中国版『Fate/Grand Order』や『アズールレーン』、『アーテリーギア-機動戦姫』が好調となり、国内外で売上が軒並み増加。それに伴いパブリッシャー収益も42.4%増加し、22位に順位を上げる結果となった。

 Sensor Towerによると『アーテリーギア-機動戦姫』は日本語版が好調とのこと。現在、『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』とコラボを行っており、日本のユーザー向けに向けた施策を積極的に行っている。

 

 ONEMT(龙腾简合)の中世ヨーロッパの宮廷を舞台にしたシミュレーション『King’s Choice』は引き続き収益が向上し、パブリッシャーで最も売上高の高いタイトルとなった。これにより、パブリッシャー収益を前年同期比17%増加。同作は欧米市場に注力しており、現在の売上上位3市場はアメリカ、ドイツ、フランスで、それぞれ65.4%、9.3%、6.4%を占めている。

 そして、中国のApp Storeにおけるアプリ別のセールスランキングに目を向けると、テンセントの『Game for Peace』は12月も15%増となり、変わらず首位を確保。ほか、2021年のカーニバルイベント開幕に伴い、ネットイースのMMORPG『梦幻西游』の売上が前年同期比39%増となり、トップ3に返り咲いた。

▲中国App Storeのモバイルゲーム売上トップ20

 

 ランキングの中で、やはり注目は唯一の初登場となる『幻塔』だろう。新規タイトルとして、12月16日のリリースからわずか半月分の売上で8位に食い込む結果となった。このまま勢いを維持し、オープンワールドゲームとして市場に定着するのか。2022年1月以降の様子に注目したい。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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