アメリカの調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年1月の中国App Storeセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。
トップに返り咲いた『王者栄耀』は新年度のトーナメント、新ヒーロー、新スキンなどの投入により、1月の収益が前年同期比92%増に。それに伴い、テンセントのゲーム収益も同22%増。
『原神』はVer.2.4「流るる星霜、華咲きて」のアップデートが牽引し、世界での収益が前月と比較して55%増加。2020年9月のサービス開始以来、3番目に高い収益月となった。
ほか、売上が大きく伸びたタイトルとして、テンセントのオンラインマルチFPS『クロスファイア』(穿越火线)や、『金铲铲之战』などが挙げられる。1月は上位10タイトルの内、5タイトルがテンセントの作品となり、ゲーム事業の好調ぶりがうかがえる。
『クロスファイア』は新キャラクターや新スキンなどの実装により、売上が前年同期比58%増となり、モバイルゲームのベストセラートップ10に返り咲いた。同作は、開発を韓国のSmileGateが手掛け、かつて日本でもサービスしていたPC向けオンラインマルチFPS『クロスファイア』のスマホ版。
『金铲铲之战』は、テンセント傘下ライアットゲームスの『League of Legends(LOL)』からスピンオフした『チームファイト タクティクス(中国名:云顶之弈)』のライセンスを取得して開発されたオートチェス系のタイトル。中国でスマホ版がリリースされるにあたり、タイトルを『金铲铲之战』と改題している。
同作はいわゆる中国のスマホ版の『チームファイト タクティクス』だが、日本を含む世界各地域の『チームファイト タクティクス』で搭載されているPC/スマホ間のクロスプレイが搭載されず、独自のバージョンが展開されているのが特徴。
1月25日に期間限定イベント「福星临门」を開催したことにより、35%増収を記録し、昨年8月のリリース以来、2番目に収益の高い月となった。
1月唯一の初ランクインタイトルは、4399 Gamesによる多文明の戦争をテーマにした4Xストラテジー新作『文明与征服』。これにより、4399 Games の1月売上は前年同月比134%増となった。
4Xとは、マップ周辺の探検(eXplore)、領地の拡張(eXpand)、リソースを増やす開発(eXploit)、敵を殲滅する(eXterminate)といった要素が組み合わさったゲームを指す。同ジャンルは日本を始めとして世界的に人気があるため、今後の海外展開などにも期待ができる。
中国の規制当局のゲーム認可が2021年7月以降行われていないこと(関連記事)により、新規タイトルが減少している現在、上位のタイトルは安定してランクインしている状況だ。一方、『文明与征服』や昨年12月の『幻塔』のように、新たにリリースされたタイトルが強い爆発力を発揮する結果も出ている。