インド、2020年6月以降5度目となる中国製アプリの禁止措置を発表。人気バトロワ『Garena Free Fire』の配信も停止

 インドの電子情報技術省(MeitY)は2月14日、「国家安全保障への脅威」と称して54の中国製スマートフォンアプリの禁止措置を行った。インドのビジネス系メディア「The Economic Times」が報じている。

 「国家安全保障への脅威」というのは、これらのアプリがインド国民(アプリユーザー)の機密データを中国など外国のサーバーに転送しているというインド政府側の認識に基づいたもの。インド政府が中国製アプリの取り締まりを行うのは2020年6月以降今回で5度目となり、「TikTok」、「WeChat」などを含めこれまでに合計で約224の中国製アプリが禁止とされている。

 今回禁止されたアプリはゲーム、美容、出会い系アプリが多くを占め、その中にはGarena社の『Garena Free Fire』、Lilith Gamesの『Rise of Kingdoms -万国覚醒-』、NetEaseの『Twilight Pioneers』など多数のゲームが含まれている。

 中でも、人気バトロワタイトルの『Garena Free Fire』はインド市場に最も多くのユーザーを抱えつつ、2022年1月にも2400万DL(内、インドが約25.5%を占める)を記録し、世界で最もダウンロードされているモバイルゲームとして拡大を続けていた作品(米Sensor Tower調べ)。

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 年間の売上高においても、昨年『Garena Free Fire』は11億ドルを突破(関連記事)しており、好調に推移してきた。

 インド市場は現在、中国に迫る人口の多さと年齢中央値の若さから今後の飛躍が期待されており、スマートフォンの普及やデジタル決済の改善もあり成長が著しい新興市場。

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 Garenaが所属しているSEA Groupは、東南アジアで最大規模のeコマースプラットフォームやフィンテックなどの事業を展開。そしてオンラインゲームとソーシャルゲームのプラットフォーム「Garena+」で、テンセントを始めとした有力パブリッシャーと提携したタイトルを配信している。

なお、同社は「2022年2月14日現在、『Garena Free Fire』がGoogle Playで利用できないことを認識している」ことをアナウンスして以降(ニュースリリース)、声明は発表していない。チャンネル登録者数1110万人を抱えるインド版公式Youtubeチャンネルでは禁止令が出る直前まで動画投稿が行われており、直近の動画だけで200万回再生を超えるものが複数確認できた。

 『Garena Free Fire』は自社開発の主力製品であり、それが主戦場であるインドで禁じられたことは、かなりの痛手となりそうだ。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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