アメリカの調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年3月の世界モバイルゲーム市場における中国パブリッシャーのセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。

　2022年3月、世界のモバイルゲームパブリッシャーの売上トップ100には中国企業が38社含まれ、合計で22億2000万ドル（約2,751億円）の消費を生み出し、トップ100の中で40.2%近くを占めた。この数字には、中国におけるサードパーティーのAndroid向けストア（TapTapなど）の売上は含まれていない。

　miHoYoがHoYoverseブランドとして展開する『原神』は、3月30日にVer.2.6アップデートが実施され、新たに最高レアリティの★5キャラクターとして「磐祭葉守・神里綾人（水）」が登場。

　結果、収益は前年同期比18％増となり、世界のモバイルゲーム市場におけるパブリッシャーランキングで3位に返り咲いた。これにより、3月の世界モバイルゲーム市場は、テンセント、ネットイースとともに、中国メーカーがトップ3独占した。

　37Games（三七互娱）のモバイルゲーム売上は当四半期、軒並み増加。パブリッシャー収入は前年同期比で11％上昇している。中でも、韓国・日本でのローカライズを徹底したスマホMMO『空の勇者たち』（現地タイトル：云上城之歌）は、韓国での発売から半年で再び盛り上がり、日本市場においては2月のリリース以降、3月は50位圏内で順調に推移した。その結果、売上は前年比27％増となり、過去最高の値を記録している。

　ライトニングゲームス（雷霆游戏）の放置系RPG『一念逍遥』は、3月11日にフラワーフェスティバルを題材にした期間限定イベントを開催。これにより売上が前年同期比23％増加し、発売から1年での売上新記録を達成した。一方、リリースから6周年を迎えたターン制2DMMORPG『问道』は、第1四半期において62％の増収となった。この2作が牽引し、同社はパブリッシャーランキングでトップ10となった。

　Perfect World（完美世界）は、3月中旬に台湾、香港、マカオで『梦幻新诛仙』をリリースし、中国市場でのオープンワールドRPG『Tower of Fantasy（幻塔）』や人気小説原作のMMORPG『诛仙』の売上増と合わせて、パブリッシャー売上は前四半期比31％増で20位となった。

　ONEMT（龙腾简合）の中世ヨーロッパの宮廷を舞台にしたシミュレーション『King’s Choice』は、昨年のリリース以来10カ月連続で高い収益成長を記録しており、今期も前年同期比26％増を達成。パブリッシャーランキングでは3ランクアップの23位となった。

　NUVERSE（朝夕光年）は、『ラグナロクオンライン』のIPを利用したスマホMMORPG『Ragnarok X: Next Generation』（RO仙境传说：新世代的诞生）と『フィギュアストーリー』（高能手办团）に続き、3月中旬にダークMMORPG『Dark Nemesis: Infinite Quest』を米国や東南アジア向けにリリースしている。

　タイトル別の中国App Storeにおけるセールスランキングでは、テンセントの『王者栄耀』がスキンなどの新コンテンツを矢継ぎ早に展開したことによって、3月の収益が20％増となり2021年6月に次いでサービス開始以来2番目に高い売上を記録した。

　また、7周年を迎えたネットイースのMMORPG『梦幻西游』は前年同期比31％増を記録。ほかにランクインしたタイトルの中では、ストラテジー『捕鱼大作战（途游）』前年同期比29％増、チェスとポーカーのプラットフォーム『JJ斗地主』は59％増となり、いずれも過去最高を更新した。